表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/102

プロローグ(5)

実は、レジーナが魔王になった件を、ここに挿入しょうか?と悩んでいましたが、本編のレジーナちゃんの章の辺りで簡単に書くことにしました。


        誕生前夜

      ブライトリング城

 その日の 王城の円卓には、王族が集まり

現王の進退についての話し合いがなされていた。


 現王は、自分自身がまだ元気なうちに 息子である 王太子の マリウスに王位を譲って隠居すると自分の意思を宣言した。

その言葉を聞いたマリウスは、辺りを見回しながら顔面蒼白になってしまった。

国王のマークは、構わず 集まった王族に賛否を問うと、概ねの意見は、現王に異を唱えるものではなかった。


 会議に出ていた全ての者は、賛成の意思を示したのだが、ただ一人、先代の王の一番末の弟 現王からすれば血筋では叔父に当たるのだが年齢的には、現王より二十近く若く、王太子より、五歳年上の若き侯爵アレックス・H・ブライトリングのみが、同伴していた妻マーガレットの産気に伴い別室に移っていたので会議には、参加できなかったが、一通り話し合いが済んだ後に、王族一同で、現在、少し落ち着いた状態の細君の見舞いをかねて、会議の内容を伝えた処。


「私の父上である先先代の王は、年老いて私が産まれて直ぐに 王位を退き 私に色んな話しをしてくれた。

 そして色んな事を教えてくれました。


 それは、父上が王位を退くにあたり、兄上が王位を継いだ事により、私の王位継承権は、現王より下になり、さらには、現王には、既に嫡子が産まれていたので、まず王位は、回っては来ないから、王族として王国の末永き繁栄と発展の為にと 剣と学問そして王族として全ての貴族、国民の善きお手本となるようにと、人の道を教えていただきました。

 そんな私は、今は亡き父上の意思を継ぎ、この王国の発展の為、現王の意思を尊重しマリウスの王位継承に賛成します。」


 と産気付いた細君の隣で、高らかに宣言し終わるとほぼ同時に


「貴方!産まれる!」


 とアレックスの妻マーガレットの絶叫が、室内に響き渡った。


 その叫びに、アレックスを含めた王族達が慌てふためくのを他所目に、部屋の外で待機していた助産婦達が雪崩れ込んできた。


 最後に入室してきた 産医の妙齢の女性が


「さぁ!これからは、女達の戦場だよ!

 邪魔な男達は、王族だろうが旦那だろうが、出ていきな!」


 とまくし立てながら、現王マークと現王の弟である宰相のケインの二人の尻を蹴飛ばした。


 「ヘレン貴様!兄上と儂を足蹴にするとは何事か!」


 と宰相のケインが叫び終らないうちに、王族の男達は、助産婦達に部屋から、押し出されてしまった。


「兄上、ヘレンは、我が妹ながらどうして、あの様に男勝りで凶暴に育ったのでしょおか?」


 とケインが国王のマークに尋ねると、突然、部屋の扉が開き


「誰が凶暴だって?」


 とヘレンが叫び、続けざまに


「お湯と、清潔な布とワセリン大至急!」


 と助産婦に告げる。

 指示された助産婦達は、各々必要な物を手に取り慌ただしく部屋に戻ると、その扉は、固く閉ざされ扉の前では、国王のマークが、弟のケインの肩を叩きながら。


「あれは、姫将軍と呼ばれた母上のせいであろう。ケインは、知らないであろうが、儂は、長男だったので母上との剣術の修練が恐ろしくて仕方が無かったのじゃ!

 おかげで、剣の腕は、そこそこになったが、王位を継いだ後も剣では、母上には勝てなんだわ。」


「兄上、その様な事が………私は、幼い頃より、母上に文官の長と成るべく勉強ばかりさせられていたので、剣の修練とは無縁でしたから……まさか母が それ程強いとは………」


 と二人が、古い思い出を語り合っている後ろで、ブツブツ言っているアレックスに気付いたマークが、


「初めて子供を授かるので、落ち着かないのか?」


 と尋ねると。


「いえ、言いたい事を最後まで喋れなかったので、微妙に気分が……」


 すると、宰相のケインが


「ここで喋って気分が良くなるなら、聞きますぞ叔父御。」


 と先先代の直子のアレックスに言うと、アレックスは、すかさず会議の時には、ただの一言も口を開かなかったマリウスに対して


「私は、王位を継承するのが、他でもないマリウスだから安心してマーク国王の後を任せられる。

 マーク国王は、素晴らしい後継者を育てたと思う、マリウスの事は、幼い頃より良く知っているが、知識、人柄、剣の腕前、向上心、勤勉さ等、全てにおいて貴族や国民の手本となるだろう。

 そして、何より、現王のマーク殿が、まだまだ健勝なれば、マリウスの善きアドバイザーとなり、このブライトリング王国をこれまで以上に良い国へと導くだろう。」


 と演説を始め、気の済むまで喋り続けた後、「任せたぞ」 と言わんばかりにマリウスの肩を掴み


「スッキリした~」


 と話しを締めた。

 横では、他の王族達が、(こいつは、頭も良く、人柄もいいのだが、演説始めると話しが、イチイチ大袈裟で長い)と心の中で思っていた。

 王と宰相に至っては、


「人柄と頭は良いんだけど………」


 と口に出していた、その時 会議中から一言も喋らなかったマリウス始めて言葉を発した。


「王位を継ぐという重圧はありますが、現国王である父上を良き手本と習い、この場にいる皆様、並びに全国民の期待に応えられる様に努力は、惜しみませんので、これからも皆様 私の力になり御指導御鞭撻の程宜しくお願い致します。」


 集まった全ての王族の賛同を得て、マリウスの緊張が解け、決意を表明したのだった。

 何しろ、会議が始まる迄、マリウスのみ会議の内容を知らされていなかったのだから。


 喋り終えてマリウスが大きくため息をついたとき、部屋の中から、赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。


「「「「「産まれた!」」」」」


皆、口々にそう言った。

 読んで下さった方

 ありがとうございます。


 今回、会議の描写、かなり手を抜きました。

王族、産医として登場した女医のヘレンの他国王のマーク、宰相のケイン、王太子マリウスとアレックスとマーガレットの夫婦、この辺りは、後のストーリーでまた登場するので、名前も付いていますが、今後のストーリーに影響を及ぼさない王族が、会議の時から次回の話しまで、あと五人いると思って下さい存在感があまりにもありませんが。

 次回少しだけ存在感が…………

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ