第三章(20)
本日、2本目になります。
毎度の、御目汚しですが、お立ち寄りいただきまして、ありがとうございます。
エドワードが成人するまで、少し巻きながらなので、説明不足なのは、重々承知なのですが、もう一度位は、ギルドの依頼の話しが入れたくなったので、軽い気持ちで、やっちまいました。
それでは、皆様最後まで読んで下さいね。
あれから3年経って僕は、13歳になった、1年前に12歳に成ると同時に、ギルドランクがB級になったので、盗賊の討伐依頼も受けれる様になった。
基本的に盗賊の討伐は騎士団や衛兵の仕事になるのだが、ギルドにも依頼は回ってくる。
B級からの括りがあるのは、相手が抵抗をした場合、戦闘となれば、相手もだが、依頼を受けた冒険者も命を落とす事がある。
だから、それなりの腕を持っている事と、人の命を奪う仕事なので、それなりの信用が冒険者にも必要になってくる。
僕自身は、人との命のやり取りは、したくないので、盗賊の討伐依頼は、受けたくなかった。
しかしギルド内では、盗賊の討伐依頼は、結構人気のクエストだったりする。
中には、新しく仕入れた剣の切れ味を試したいとか、純粋に人が斬りたいとか、かなり危ない理由で盗賊の討伐を受ける人達もいるらしい。
しかし、盗賊の討伐依頼が人気の理由は、それだけではなく、まず、貢献ポイントが高い事。
盗賊によっては、依頼とは別に賞金が懸かっている場合があり、依頼の報酬の他に賞金が手に入る場合がある。
そして一番の人気の理由は、盗賊が集めたお金や武器、その他財宝等、持ち主が特定出来ない物は、討伐した冒険者で山分けする事が出来るからた。
僕は、受けたくなかったんだ!
でも、ハク姉ちゃんが受けて来た。
どうやら、修行の一環らしい。
しかも、討伐メンバー僕1人。
どうしてこうなった?
剣術、体術、魔法解禁、全員生死を問わず、ただし、盗賊の身元が判る様に、黒焦げ、消し炭、切り刻みは無し。
しかも、A級3人組のパーティーが、何日か前に返り討ちにあったので、依頼を受けるパーティーがいなかったらしい。
僕にどうしろと?
ハク姉ちゃんとゴールディさん達は、お前なら簡単に出来る!と軽く送り出してくれた。
そんなこんなで、今、盗賊の隠れ家と言うか、根城にしてる、廃村の入り口付近に潜んで、中の様子を伺っている。
村の真ん中辺りの広場では、10人位の盗賊が愉しげに酒盛りをしているし。
少なく見積もっても、30人以上居ます。
モンスター相手なら、躊躇なく飛び掛かって斬り付けられるけど、相手が人間となると、僕には、殺す勇気がない。
今、考えているプランは、眠りに就いた人から、動けない様にロープで縛り上げて、残った少人数の盗賊は、殴って動けなくして捕縛しようと思う。
この作戦で、上手くいけばいいんだけど、とか考えていたら、馬に乗って5人更に、二頭の馬に引かせた馬車が2台、それぞれ御者台に2人づつ、目に映るだけでも、9人の盗賊が、帰って来た。
盗賊が、増えた、もうお手上げです。
帰って来た盗賊を観察していると、馬車の中から若い女性が降ろされ、広場で酒盛りをしている連中の所へ引っ張っていった。
どこかで拐われて来たのだろう。
怯える女性を見た瞬間、僕は、シンザンを抜き、酒盛りをしている連中に斬り掛かった。
一応、刀の刃は反して、峰打ちなのだが、意識を刈り取ったり、行動不能にする事は、出来るだろうと、酒盛りをしていた所に居た20人位を叩き伏せるのに、あまり時間は、掛からなかったが、騒ぎを聞き付けた盗賊が家屋の中から、ゾロゾロと出て来た。
ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!今、叩き伏せた人数の3倍位出て来た。
ここは、廃村の真ん中の広場、既に、盗賊達に囲まれつつある。
ここは、腹を決めて、近くにいる奴から順に、捕らえられて来た女性を中心に、円を描く様に王家秘伝の歩方で素早く移動しながら、シンザンで峰打ち、時には蹴りを入れたり腰に在るシンザンの鞘で殴り、どれだけ、時間が経ったのだろう?
あまり時間は、経っていないのだろうけど、僕には、凄く長い時間に思われた。
取り敢えず、誰も死んではいないと思う。
村の中を探し、縛る事の出来る物を探して、気絶している盗賊達を縛っていると、目を覚ます者が出てきたので、もう一度、殴って寝かせ、最後の1人まで縛りおえたら。
ハク姉ちゃん、ニッキーお姉ちゃん、おっきなスカーレットさん、ゴールディさんとニッキーお姉ちゃんの兄さん達がやって来た。
ハク姉ちゃんは、嬉しそうに。
「合格、合格!」
と言いながら、捕まっていた、女性達の縄を解き、落ち着かせていた。
その横で、メイド服姿のおっきなスカーレットさんは、どこから持って来たのか、捕まっていた、女性に紅茶を振る舞っていた。
そして、ゴールディさんと剣士の3人は、盗賊達の宝の在処を探していた。
何だったのか?もしかして茶番だったのだろうか?
呆然としている僕に、ニッキーお姉ちゃんが、
「エディの雄姿が見たくて、皆で付いて来ちゃったよ、格好良かったよ!」
ってキスされてしまった。
暫くすると剣士のリーダー格のミックさんがやって来て、盗賊の中でも、身なりの良さそうな人を叩き起こし宝の在処をききだしていた。
ヴィンスさんとニッキーお姉ちゃんの兄さんのトミーさんが盗賊達の馬車を引きミックさんに付いて行き、盗賊達が集めた物を、馬車に積んで戻って来ると、ゴールディさんと協力して、盗賊達を一ヵ所に集めハク姉ちゃんとおっきなスカーレットさんの転移魔法で王都の衛所へと送り届けた。
その後、捕まっていた、女性を含め、盗賊の馬と馬車も、世界樹の森へと転移して、女性達には、お風呂と、食事を振る舞い、それぞれにベッドを与えて休んでもらった。
それから、集会場の中で、盗賊のお宝の確認をして、ゴールディさんが、お目当ての物を、発見した。
それは、マルティーニ侯爵家の宝剣と紋章印だった。
どうやら、盗まれていたらしい。
僕に受けさせた理由が、やっと解った。
マルティーニ侯爵家は、僕の母親マーガレット母さんの生家で、父のアレックスが婿入りした名家である。
宝剣や、紋章印が、悪用でもされていれば、侯爵家の存続に関わる一大事になるところだった。
今更ながら、無事に依頼を遂行出来て良かったと思う。
翌朝、捕まっていた、女性達を、家に送り届ける為に、皆と話しをすると、半数以上の7人の女性は、家に押し入られて家族を殺されていた。
この7人の女性に関しては、身の振り方が決まるまで、世界樹の森で、保護する事になった。
残りの5人の女性は、歩いているところを、拐われたらしく、帰る家が在ったので、僕達が、王都に行く時に、送り届ける事になった。
その日、昼食の後、5人の女性とハク姉ちゃんとゴールディさん、剣士さん達とニッキーお姉ちゃんと僕で、王都の剣士さん達の家に転移して、ゴールディさんと僕は、先ずマルティーニ侯爵家へと向かい、宝剣と紋章印を届けた。
侯爵家には、マーガレット母さんの両親、つまり僕の、おじいさんとおばあさんが居た。
初めて見る、孫の僕に、2人は、涙を流して喜んでくれた。
そして、宝剣と紋章印を取り戻したのが、僕だと判ると、凄く驚いていた。
最後に、いつでも好きな時に遊びにおいで、と言われたので、依頼を受けた帰りにでも、時間があれば、また来ようと思う。
その頃、ハク姉ちゃんとニッキーお姉ちゃんは、女性達を家に送り届けて、昨夜、盗賊達を送り届けた衛所へと向かい、捕獲証明書を受け取り、盗賊の中に賞金首が居たので、その賞金受け取っていた。
その後、僕達は、ギルドで落ち合い、捕獲証明書を渡して討伐報酬を貰うのだが、ギルド長に呼び出され、奥の応接室に入った。
どうやら、単独討伐で全員生きたまま捕まえたのが、前代未聞らしく、貢献ポイントがかなりのポイントに成るらしい。
それによって、今までの依頼分と合わせて貢献ポイントがAランクに達したらしい。
後は、ボチボチ依頼をこなせば、15歳になったらA級冒険者に成れると思っていたら、次にギルド長の指名依頼を達成すれば、特例でAランクに上げてくれると言う。
凄く名誉な事だと思うけど、それは依頼内容を聞いてから受けるか考える事にする。
後、捕獲された盗賊を、犯罪奴隷として、労役を課すので、その収益の一部が、僕のギルド預金に定期的に振り込まれるらしい。
成る程、盗賊の討伐依頼が人気な理由が良く解った。
最後にギルド長が、僕にステータスカードを、プレゼントしてくれた。
これは、買えば金貨20枚するらしい。
貰ってしまったので、指名依頼が断り難くなってしまった。
でも、これが有るとかなり便利だと思う、帰って自分のステータスを調べてみる事にしよう。
ステータスカードを貰ってから、1ヶ月ほど過ぎた頃、僕は、まだ自分のステータスを調べていなかった。
そんなある日、保護していた、女性の2人が、行く宛が無いので、何でもするから、ここにずっと置いて欲しいと言い出した。
レジーナさんを助けたら、ここには、シェーラ姉ちゃんとシーナさんの郷のアルブフォレストの住人の1/4~1/3のエルフが移住してくる予定になっているので、どうなのだろうと思っていると、シェーラ姉ちゃんが、ここは、エルフと人や他種族が暮らせる里にしたいからとOKを出した。
すると、残りの女性達も、それなら私達もここに置いて欲しいと言い出して、全員がここに住む事になった。
そして、急遽、エルフの大工3兄弟が世界樹の森へと呼び戻され、再び世界樹の森で、家を建てる事になった。
今回は、既に所帯を持った、ジョルジョと、セルジオの家を建てて世界樹の森で暮らす事になった。
三男のオーラスは、兄2人の家を建て終わったら、一度アルブフォレストに戻り意中の女性に告白して来ると鼻息が荒い。
2人の兄の新婚生活を見せ付けられて、尻に火が着いたらしい。
世界樹の森も、段々賑やかになってきた。
最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございます。
今回、盗賊の討伐依頼の話しを書いてしまいましたが、予定では、エドワードが成人する直前に盗賊の話しを持って来るつもりだったのですが、ギルドのランクが上がったと書きながら、依頼や討伐のエピソードが、グレートボアしかなかったので、前倒しで書いた物の、構想の途中で、適当と言うか、ヤっちまった感しかありません。
しかも、7人の女性の名前すら考えてなかった。
ステータスカードもこの作品には出す予定が無かったのですが、悩んだ末に、有ればハクタイセイさんのやらかしが分かりやすいかなと思い急遽投入しましたので、今更ですが、慌てています。
今回まで、魔法についての話しが、あまり無かったのですが、魔法については、成人してから、ステータスカード込みで、詳しく話す予定ですので、少しの間お待ち下さいね。
さて次回の話しですが、この回で予定が狂ったので、先ず、保護した女性達の話しと、女子会です。
本来は、今回が、女子会の話しの予定でしたので、増えた7人の女性を女子会に参加させるか、只今、絶賛考え中です。
それでは、宜しければ、次回も、お立ち寄りいただければ、幸いです。