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第三章(18)

 今回も、お会い出来た事を嬉しくおもいます。

 今回から、エドワード8歳のお話しになります。

 グレートボアのグレイシアが世界樹の森にやって来て一年が過ぎた。

 最近では、近くに居る時は、前よりも念話が、聞き取り易くなり、意思の疎通も楽になった。

 たまに、僕やマリーの乗り物として重宝している。

 どうやら、名前を与えた事と、世界樹の森に暮らしている事で、個体としての能力が向上したらしい、人間の言葉も、ちゃんと理解している、王都の人がグレイシアの事を怖がらなければ、きっとお使いも出来ると思える程だ。

 そのうち、グレイシアに乗って王都に行って危険が無い事をアピールしてあげたい。


 余談ではあるが、次の休日は、王都からお客様が来るらしい。

 どうやら、王族の人らしい、多分、マークさんと思うのだが、あのおじさんは、来る時、いちいち連絡なんてせずに、やって来る。

 一体誰が来るのだろうか?そう言えば、僕の新たな師匠のヘレンさんも王族なんだった、マークさんの年の離れた妹で、現在国王のマリウスさんの叔母にあたるらしい。


 それから、食堂テントは、家が出来る迄と言う当初の予定を大幅に上回る使用期間を耐え抜き、お役御免となった。

 それは、テントが壊れたとかではなく。

 いつまでも、ゴールディさんとヘレンさんの夫婦がテント暮らしではいけないだろうと、エルフの大工3兄弟が新たに、夫婦の為に家を建てくれた。

 その後、食堂テントを新たに、一回り大きく木造の集会場として造り直された。集会場と名称が変わってしまったが、中身は、今までと同じで、全てが広くなった皆の大食堂のままである。


 8歳になった僕は、ハク姉ちゃんから、神明流の技を教えてもらっている。

 未だに剣術では、ハク姉ちゃんから、一本も取れず、体術では、投げられ、間接技を極められ、いつも、コテンパンにやられて、ニッキーお姉ちゃんに回復魔法や、治癒魔法をかけてもらっている。

 ギルドの依頼は、定期的に受けて、現在では、D級の冒険者になっている、8歳でDランクは、ギルドの最年少記録らしいが、女性のA級最年少記録は、ニッキーお姉ちゃんらしい。

 ニッキーお姉ちゃんは、ギルドでは、侍小町と言う二つ名で呼ばれているらしいが、本人は、その呼び名は、嫌がっている。

 ニッキーお姉ちゃんの兄さん達は、3人揃って最近A級に上がったらしく、あまり世界樹の森へは、顔を出さなくなったけど、たまに帰って来ると、僕の剣の相手をしてくれる。

 皆、優しくていい人達で、昔、盗賊の真似事をしていたとは思えない。


 マリーは、尻尾が6本になったのだけど、ずっと人化していたので、いつ増えたのか分からないと言っていた。

 最近では、剣の腕前も魔法の腕前も随分上達した。

 お風呂では、相変わらず、僕に身体を洗わせている、そろそろ自分で洗って欲しいものだ。


 リリーは、もうすぐ孵化が近いのか、なかなか目を覚まさなくなった。

 シェーラさんは、私の事も、お姉ちゃんと呼んで欲しいと言って来たので、最近は、シェーラ姉ちゃんと呼ぶようになった。

 シーナさんは、どう呼べばいいのか、聞いてみると、好きに呼んでいいよ、って言われた時シェーラ姉ちゃんが耳打ちしてきた。

 そして、シェーラ姉ちゃんの言う通りに、シーナさんに、マイハニーと呼んでみたら、顔を真っ赤にして、「お姉ちゃん、エドワードに変な事教えないでよ!」とシェーラ姉ちゃんを怒っていた。

 そうそう、最近、シェーラ姉ちゃんとシーナさん改めマイハニーに、エルフの薬学を教えてもらっている。

 これは、新しく師匠になったヘレンさんのアイデアなのだが、以前、僕がブラウンボアの頭を塩とハーブをまぶしておいた時に、シェーラ姉ちゃんとシーナさん改めマイハニーが、ハーブの薬効を教えてくれた、それを聞いていたヘレンさんが、調味料や香辛料として、薬草が利用出来そうだと閃いたそうだ。

 そのお陰で、僕は、薬学を教えてもらい、ゴールディさんの薬草畑が拡張され、栽培される薬草の種類もかなり増えた、エルフの2人のお姉さん達は、珍しい薬草が増えたと、喜んでいた。

 かなり貴重な薬草が何種類もあるらしいので、ゴールディさんの畑仕事を手伝って、薬草畑で間引きの時、間引いた苗をもらい、世界樹の近くに植えて、グレイシァに食べないでねってお願いしておいたら、雑草化してたくさん生い茂っていた。

 この調子で薬草の草むらを作ろうと思う。



 そして、修行等に時間を費やす中、王族を迎える前日、僕は、料理の師匠のヘレンさんと、大量の焼き菓子を作った。

 明日のお客様用のお菓子だろう、その後、一年前から収納バッグに入れっぱなしのグレートボアの肉を取り出して明日の為に下味を付けて、明日の来客にそなえた。



 そして、翌日、朝から来客を迎える準備を整えてから、僕は、マリーと2人で世界樹まで行きリリーに朝の挨拶をした後、マリーと剣の練習をしていた。

 木刀を握っての、打ち合いをしていると、グレイシアが覗きに来た、その後、暫く打ち合ってから、グレイシアに乗って集会場へと戻ると、既にお客様は到着していた。


 来客の中には、やはりマークさんが居たのだが、王妃のウインスレットさんと僕を産んでくれたマーガレットさん(呼び慣れてないので、お母さんと呼ぶのが少し恥ずかしい。)と2人の女の子は、プリンセスの小さなスカーレットちゃんと、僕の姉のセリーヌ姉ちゃん。

 そして、近衛騎士団の騎士が12人。


 近衛騎士団の人達は、グレイシアを見て皆、剣を抜こうとしたが、マークさんが、大丈夫たから、と収めてくれた。

 他にもグレイシアを見て、反応した者がいた。

 スカーレットちゃんである、怖がりもせず、興味津々で、グレイシアの巨体に近付こうとするのだが、近衛騎士の1人に止められて、駄々をこねていたが、マークさんが助け船を出した。

 僕と一緒にグレイシアに乗って、その辺りを一周したら、機嫌が直った。

 それを見ていた、僕の姉のセリーヌ姉ちゃんも、私も乗りたいと言うので、同じコースを一周した。

 2人共、まだ乗りたそうにしていたので、お母さんの所に戻ろうと、手を引いて戻ると、2人のお母さん達は、明らかに、ここに来た時よりも、美しくなっている。

 どうやら、ハク姉ちゃんのメイク術を習いに来たらしいけど、いつもは、ハク姉ちゃんが王城に出向いている筈なのに、と思ったら、小さなスカーレットちゃんが、ハク姉ちゃんに習い事をする為に、ここに通って大丈夫なのか?母親と近衛騎士団の視察を兼ねてここに来たらしい。

 いちいち視察とかしなくても、ハク姉ちゃんが王城まで通った方が、早いのに、と思ったら、どうやら、マークさんが、ここに来たいが為に、色々な理由を付けて、通わせる事になったらしい。


 僕が暇そうにしていると、マークさんが、半島の中に危険が無いか確認して帰って来た、近衛騎士団の人と剣の手合わせを提案してくれた。

 近衛騎士団の人達は、最初、子供の相手は……と難色を示していたけど、僕のギルドカードのランクを見ると、少し考えが変わった様で、団長らしき人が、誰かを指名してくれた。

 指名された、若い騎士が、手加減すると言うと、ニッキーお姉ちゃんが、この子、私よりも、強いよとAランクのギルドカードを見せると、少し、目の色が変わった。

 結局、僕は、その若い騎士さんに、軽く勝って見せると、対戦希望者が増えたのだか、団長以外全員と、勝負する羽目になって、全員打ち負かせてしまった。

 団長さんに、今すぐ騎士にならないか?とスカウトされたが、マークさんが、


「エドワードは、アレックスの息子で、次期公爵だから、騎士団に入るなら、即、団長にするぞ。」


 笑いながら言ったマークさんの言葉に、近衛騎士団の面々は、ただひたすら驚いていた。

 その後、近衛騎士団の人達に、練習方法等色々質問されたけど、皆さんいい人で楽しい時間を過ごせた。

 その後、ニッキーお姉ちゃんとマリーも近衛騎士団と手合わせをしたのだか、ニッキーお姉ちゃんは、7勝2敗の成績だった。

 騎士団の面々は、全敗せずに済んだと胸を撫で下ろしていたが、続くマリーには、全敗を喫した。

 その様子を見ていたマークさんに、笑いながら、全員、明日から鍛え直しじゃなと言われて、青くなっていた。

 その後、何事もなく視察は終了して、スカーレットちゃんは、来月から、ここに通う事になった。

 そして、皆が帰る時、近衛騎士団の騎士さん達が、次に来た時、また手合わせをしようと言ってくれた。

 マークさんは、いつもの通り今夜は泊まっていくと、ニコニコしていた。

 今回、ハク姉ちゃんから、


「貴女が出てくると、名前がややこしくなるから、今日は、顔出さないでね。」


 と言われて、寂しそうに物陰から、自分が加護を与えた、プリンセスの成長を見守っていた、おっきなスカーレットさんの姿が涙を誘った。

 今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 前書きに、今回から、エドワード8歳のお話しと書いていましたが、次回迄で、8歳の話しは、終わる予定です。

 しかも、途中までの予定です。

 その後は、10歳の予定ですが、この辺は、経年による移り変わりの紹介等で、素早く終わりにする予定です。

 それでは、次回も、お会い出来ると嬉しいですね。

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