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プロローグ(4)

すみません、御盆休み前、仕事が

忙しくて なかなか投稿出来ませんでした。

         誕生前夜

        二柱の神龍(2)

 フォルトゥーナの去った後、白龍は、兄の金龍に念話が繋がらないのを不思議に思っていた。


 女神フォルトゥーナが、また神酒を持ってきた事を伝えようと思い フォルトゥーナが来て直ぐから念話を試みているに 全く返事が返って来なかったのである。




 

ところが、丁度、妹の白龍からの念話が終わった直後に また念話が繋がっていた。


 「あの~ お訊きしたい事があるのですが 宜しいでしょうか?」


 「ん?」


 不意に 全く知らない相手から念話が届き 誰からの念話か悩んでいると、更に


 「昔に 少しお世話になったレジーナです。

 さっき念話で お酒の話しをしていたのが聞こえてきたので 少し質問宜しいですか?」


 「あれっ?パス繋げた憶えないけど 何故 聞こえてたのかな?

ん?

っていうか もう目覚めたの?」


 唐突に送られてきた それは、金龍の目の前の世界樹に封印され 眠りに就いているはずの 白の魔王からの念話であった。

 驚きのあまり 威厳も何もなく、普通に会話を始めてしまった。


 「多分、まだ目覚めてはいませんよ。

 身体全然動かないし 何か 夢の中で微睡んでる様にフワフワした感じで気持ちよく漂ってるみたいなんです。」



 「そ そうなのか?」


 その返事に安しながら 金龍は、「何か、魔王というより、普通の女の子だな。」と心の中で思っていると。



 「そうですよ!まだ18歳になったばかりなんですからね。

それに魔王って何ですか?」


 と 少しご立腹の様子だが 金龍は冷静に訊ねてみた。



 「今のが聞こえたのなら、念話と云うより オープンチャンネルのテレパシーの様だな!」


 「何かよく解らないけど それかも知れない。

 ずっと色んな声が 聞こえてくるの、でも お酒の話しがとてもよく聞こえたから 返信してみたの、だから質問に答えて欲しいの!」

 

 「解った!では もっと会話がしやすくなる様に 儂と念話のパスを繋いでもよいか?」


 「話し相手になってもらえるなら パスを繋いでもらってもいいですよ。」


 レジーナの返事を聞くと 金龍は、ゆっくりと 世界樹の幹に額を着け


 「これでパスは繋がったから 何でも質問するがよい。

 それから あまり色んな声が聞こえないようにしてやろうか?」


 

 「それは やらなくていいですよ、結構暇潰しになりますからね。

 ところで 魔王って私のことなのでしょうか?」


 「レジーナよ、そなたは 眠りに就く前の事は、全て憶えておるのか?」


 「えっと~~~変な人に 絡まれて、髪の毛が白くなって・・・・・・・・・・・・・判らなくなって、気が付いたらドラゴンさんの前にいて……今 眠っているのは解るけど それ以外は、分からないわ!」


 「これは、参った  一番肝心な処の記憶が欠如しているではないか。」


 「えっと、それって?」


 「なら教えるが 落ち着いて聴くのじや。」


 「分かりました ドラゴンさん!」


 「そのドラゴンさんと呼ぶのは、やめてくれんかな。

儂は、一応、この世界の龍簇の長じゃからな。

 儂が両親に貰った名前は、ゴールディそして龍簇の長としては、カイゼルグランデ これは、地上の皇帝龍と言う意味で 呼ばれておる。

 もっとも、初めて儂を見る人間は、金龍様などと呼んでおるがな。

 レジーナよ、そなたは 儂の事を好きに呼ぶが良い。」


 「分かりました では ゴールディさんと お呼びしますね。」


 「では 教えてやろう、まず儂が そなたに会ったのは、300年前じゃ。

 そなたの、清き心と善き行いが、一柱の女神の目にとまり 聖女候補として その女神が、守護、加護、祝福を与えたのだが その女神が与えた力が強過ぎた為 そなたに 害意や悪意を持った者や劣情を抱いた人間に対して 過敏かつ過大に反応して、そなたの意思とは関係なく いくつかの街を滅ぼしてしまったのじゃ。

 それ以来、そなたは、白の魔王と呼ばれ 事の重大性に気付いた女神に頼まれた 儂と我が妹で、そなたを眠らせ ここに封印したのじゃ。」


 「夢だと思ってたの、私の周り建物が壊れたり人が消えていく 怖いイメージが 消えなくて ただ怖い夢だと思っていたのに・・・・・・」


 そこまで話すとレジーナから 啜り泣く声が聞こえてきたので


 「レジーナよ悪いのは そなたではなく 過剰な力を与えた女神のせいだから 気に病む必要はない。」


 等と レジーナが泣き止むまで 金龍は、夜を徹して慰め続け レジーナの意識が再び眠りに就くと 急いで白龍に念話をいれた。


 「ハクタイセイよ! 聞こえるか?」


 「兄様、どうしていたのだ!フォルトゥーナが、また 神酒を持ってきたから 念話をいれたのに返事が返って来ないので心配していたのですよ。」


 「いや そんな事よりも レジーナの意識が戻っておったのだ!」


 「何ですと?それは 誠ですか?」


 「ああ間違いない! 色々話してみて 自分が魔王になったと知って泣いておったわ。

 急ぎフォルトゥーナに連絡を取るのじゃ。」


 「それなら兄様、もう話しは、着いております。」


 「いや あのポンコツ女神に委せておいたら また大惨事になるやもしれんぞ!」


「その辺りは、主神様に策を授けて貰っていたようで大丈夫かと。」


「主神が策を授けたなら、一応は、安心出来るな、ハクよ、どんな策か内容は、聞いたのか?」


「はい! 我ら兄妹と あと神格を持つ者三柱の計 五柱の者が、各々、守護、加護、祝福などをフォルトゥーナの選定した人間に与え、賢者か英雄クラスの聖者を育てて、その者に任せて丸投げを決め込む といった内容ですが、兄様は、どう思われますか?」


「五柱って、多くないか?」


「ですが、それが主神様の立案らしいので 我々が異を唱えるのも憚られるのではないでしようか?」


「で ハクよ、お前は、どの様なものを与えるつもりなのだ?」


「フォルトゥーナから、私の使える七属性の魔法の素養を加護として頼まれました。」


「何かそれだけで 英雄とか勇者に成れそうな気がするのだが・・・」


「まぁ私の場合、素養だけですので、使えるかどうかは 本人の努力次第ですからね。」


「あとは、誰がどんなギフトを渡すのだろうか?それによっては、儂も考えなければ成らぬだろう。」


「フォルトゥーナは、これから、フェニックスから、普通の人間より 少し強めの回復力と、精霊王からの祝福とか言ってましたね。」


「それだけでも、かなり凄いんだけど、本物の魔王でも討伐出来るよなぁ。

 レジーナと話してみたけど、普通の女の子で 討伐するのは、あまりにも可哀想な気がするのだ どうにかしてやれないものだろうか?」


「ならば、兄様が、聖者となる者を導いてやれば善いのでは?」


「そうじゃな!その様に フォルトゥーナに申し渡しておいてもらおうか。


 こうして二柱の神龍の兄妹の念話が終わるころ フォルトゥーナによって神龍達の祝福を与える人間の選定が済んだのだが やはりこの女神はここでも、ポンコツ振りを発揮していた。

 主神は、五人の夢枕に立ち 導き手にする様にと告げたつもりだったのに 五柱のギフトを与えようとしていたのだが、思慮深い金龍のおかげで、女神の頭から、ごっそりと抜け落ちていた導き手を 金龍が担う事になり 二人目のギフトの化け物が暴走する危険が回避されたのだった。

読んで下さった方、ありがとうございます。そろそろ主人公うまれます。

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