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第三章(16)

 毎度、お立ち寄り、ありがとうございます。

 今回、私の不摂生が祟ったのか、風邪を引き熱が出たので、更新に、少し間が開いてしまいましたが、これからは、もう少し体調と相談しながら、頑張ろうと思います。

 冒険二日目の朝、依頼の獲物ではないけど、一頭の巨大なブラウンボアを仕留めた僕は、グレートボアに対しても、どうにか対応出来そうな、気がしてきた。


 僕達のパーティーは、更に北のグレートボアの生息圏へと向かうべく、歩みを進め昼頃には、大体グレートボアを生息圏内に差し掛かっていた。

 この先、いつグレートボアに遭遇してもおかしくないと、マリーが教えてくれた。

 そう言えばマリーは、この先の山を治める土地神だったのだか、ダンジョンによって、地脈が途切れて力を失い、世界樹の森へとやってきたのだった。

 今は、弱った身体も元気になり、僕と一緒に、ハク姉ちゃんの元で為になる話しを聞いたり、剣や魔法の修行しているお陰で、前は無かった剣の技術や、土地神の頃より、多彩になった魔法の技術のお陰で、尻尾の数が7本だった頃より尻尾が5本の今の方が強くなったと、言っている。


 そのマリーが言うには、山の麓からこの辺りは、単独で徘徊するグレートボアが多く、山に入ると群れや子連れに出くわす確率が高くなるため、この辺りで狩るほうが、遥かに安全だと教えてくれた。

 そんな訳で、山には入らすこの辺りを中心に獲物を探す事にした。

 本格的にグレートボアの探索に入るまえに、ここで昼食を摂る事にした。

 腹が減っては……と言う感じだけど、食事中に遭遇しても困るので、一応、テントを張り、獣避けの魔道具で簡単な結界を張るわ。

 結界は、もしグレートボアの攻撃を捌くのが困難な時や、群れで来た場合のシェルターとして、食事の後も継続しておき、テントを出していれば、少し離れた場所からでも、結界の位置が一目で確認できるからた。


 僕は、食事の間にグレートボアを、誘き寄せる事が出来ればと、残りのお弁当の1つを、食事している場所から見やすい所に置いて食事をしていると。

 僕達が食事を終える頃、二頭のグレートボアが僕の置いたお弁当を挟んで睨み合っていた。


 えっ?意外に簡単に釣れたと思っていたら、もう一頭グレートボアが、やって来て、僕達の前に座り込んだ。

 どうやらその一頭は、マリーが治めていた山から降りて来たらしい。


 マリーは、グレートボアと、意思の疎通が出来るみたいで、何やら話し始め、僕とニッキーお姉ちゃんは、成り行きを見守る事にした。


 先に現れた二頭に目を向けると、いまだにお弁当を挟んで睨み合っていた。

 僕は、ニッキーお姉ちゃんに


「あっちの二頭が睨み合っているうちに、忍び寄って倒せれば楽だよね。」


 と言うと、グレートボアと、話し込んでいたマリーが、「あの二頭は、殺ってもいいぞ。」と言ってきたので、ニッキーお姉ちゃんと僕は、睨み合う二頭のグレートボアを討つ事にした。


「左の奴は、私がやるから、右は、エディに任すわね。」


 ニッキーお姉ちゃんは、そう言うと無造作に刀を鞘から抜き放ち右手に刀を下げて持ち、警戒する素振りさえなく、普通にグレートボアに歩み寄って、近付くなり、下に構えた刀に左手を添えるなり、下からグレートボアの首を切り上げた。

 その刹那、ニッキーお姉ちゃんは、踵を返し、刀を鞘に納めながら、テントの方へ戻って来た。


「一丁上がり、次はエディの番だよ。」


 と笑って右手の親指を上げて見せる、所謂、サムズアップと言う奴だ。

 左側のグレートボアを、よく見ると、まだ呼吸をしている様で、あばらが動いている。切り付けた所からも、血は、流れていない。


「悩んでないで、右側の奴やって来な。

 私と、同じ事が出来たら、ハクタイセイ様に、先の修行に進む様に言ってあげる。」


 それを聞いて、まだ修行の奥が在るんだと、思った。

 素振りから始まり、返し技、居合いと抜刀術まで教わり、最近は、自主練習ばかりだったので、もう教えて貰える事は無いものと思っていた。

 僕は、刀を抜き、両手で右の腰の辺りに束を前に刃を後ろに構えた。

 ニッキーお姉ちゃんは、片手だったけど、僕にとって、シンザンは、少し重い刀なので、最初から、両手で構えてグレートボアに歩み寄り、刀の間合いまで、近付くたと一気に下から切り上げた。

 その瞬間、左側のグレートボアが、僕の方に頭を向け様とするのが分かった。

 刀を切り上げ終わって直ぐに左側のグレートボアに向き正眼に構えると、真正面と右横から、血渋きに襲われた。

 なんと、まだ生きて呼吸をしていたはずの左側のグレートボアは、ちゃんと切られていたのだ。


 切られて尚、活きていた、今まで、なんと言う腕前なのだろう。

 それに比べて、僕は、切るには、切ったものの、明らかに僕の腕前は、ニッキーお姉ちゃんに遥か及ばない。

 全身、返り血を浴びて、血まみれになった僕を、ニッキーお姉ちゃんとマリーは、笑いながら出迎えてくれた。


「一応、合格かな?

 これで、エディも、先の修行に進めるわね。」


 笑いをこらえながら、ニッキーお姉ちゃんが、僕にそう言った。

 この二頭は、解体せずに、持って帰ろうとニッキーお姉ちゃんが言うので、バッグに収納しようと、グレートボアに近付くと、何処からか、柄の悪い、盗賊の様な出で立ちの3人の男達が、


「こんな所で、何もしないで依頼完了だぜ!」


 下品に笑いながら、僕達が倒したグレートボアに近付きながら、


「小僧達、このグレートボアは、俺達がありがたく頂いて行くせ!」


「貴様等、ギルドの冒険者か?

 獲物の横取りは、ルール違反よ!」


 ニッキーお姉ちゃんが、男達に叫ぶと、


「誰が、お前達みたいな、女子供か、グレートボアを仕留めたって信じるんだ?

 つべこべ言うなら、この場でブッ殺すぞ!」


 と凄む男の後ろにいた男が何かに気が付いた様に、前の男に


「ちょっと待て、あの女の剣を見ろ、侍ブレードじゃないか?

 王都のギルドで、10代でA級に上がった女の冒険者が、侍ブレードの使い手だって話し聞いた事ないか?」


 男達が、そんな話しをしていると、横から、マリーと話し込んでいたグレートボアが、3人の男達に体当たりをかまして、豪快に吹き飛ばしていた。


 僕達は、その隙に、倒したグレートボアとテントを収納して、その場を後にした。

 急いで、南に向かって走り出すと、マリーが、グレートボアの背中に乗って僕達の横を並走しながら、2人共後ろに乗れと言う。

 どうやら、マリーは、このグレートボアを世界樹の森に連れて帰るつもりらしい。




 歩いて一日半掛かった道程も、グレートボアの背中に乗って走ってもらうと、その日の日暮れ前に世界樹までたどり着いた。

 僕は、世界樹の手前で、湖に飛び込み、身体中の血を落として、マリーの魔法で服と身体を乾かしてもらい。

 僕達は、世界樹の前で、リリーに冒険の報告をして、皆の待つテントへと戻ったのだが、シェーラさんとシーナさんが、連れて帰ったグレートボアを見て、


「でかした、エドワード!

 今夜は、ご馳走だ!」


 と、剣と包丁を持って飛び出して来たのには、驚いてしまった。

 マリーが、説明して、やっと収まったのだが、森に住むなら、狩られない様に目印を付けろと言われて、両耳の上に、可愛らしいピンクのリボンを付けられていた。

 テントに入って、今回の冒険の話しを聞かせると、ハク姉ちゃんが、


「では、先に済ませる事を済ませましょう。」


 と、僕達3人を連れて、王都のギルドへと転位した。

 ギルドで、依頼の品を預けて、代わりに報酬を受け取り、再び世界樹の森へと転位して、テントの前で、


「それでは、今回の加護を解きましょう。」


 と、僕に口付けをした。

 その様子を見ていた2人は、口をパクパクしながら、固まっていた。


 その後、テントの中で、解体の済んだブラウンボアと、解体していないグレートボアをバッグから取り出しすと、ゴールディさんが、隣のテントから、ヘレンさんと、おっきなスカーレットを呼んで来た。

 2人と一緒に、オリヴィアとライアンも連れられてきたのだか、この二日間、遊び相手が居なくて寂しい思いをしていたオリヴィアは、マリーを見付けると、しがみ付いて離れなかった。


 ヘレンさんの指示で、グレートボアと、ブラウンボアの肉は、もう一度収納バッグの中に仕舞い込み、今夜は、ブラウンボアの内臓と、結局食べなかった、ブラウンボアの頭を使った料理を、ヘレンさんが、振る舞ってくれるらしい。

 シェーラさんとシーナさんを連れて厨房に入るヘレンさん達を見ていると、ハク姉ちゃんが、エドワードは、冒険の汚れを落として来なさいと、お風呂を薦められたので、お風呂に入る事にした。



 今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 今回、中途半端な終わり方でしたが、次回は、続きのお風呂から始まります。

 そして、多分、七歳のエドワードの最終話となる予定です。

 それでは皆様、また、次回も会える事を楽しみにしています。


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