第三章(14)
今回も、お立ち寄りいただきまして、誠にありがとうございます。
今、僕達の冒険が始まった。
僕達は、皆の集会場(憩いの場)になっている、食堂テントを出発して、世界樹の前までやって来た。
僕とマリーは、世界樹の下で幹を見上げ、蛹に成ったリリーを確認すると、リリー今から冒険に行きます。
きっと元気な姿で、ここに戻って来るから、リリーも早く、僕達の前に戻って来てね。
って、まるで神様に願い事をする様に、リリーに祈った。
そして、パーティーは、世界樹の向こうへ、エルフの姉妹、シェーラとシーナ二人のお姉ちゃんに、たまに連れて来られる狩場へと、到着した。
だが、ここには、ブラウンボアは、たまにいるけど、グレートボアは生息していない。
世界樹より北側に広大に広がる世界樹の森の最北端でたまに目撃されるくらいで、世界樹の森を抜けた先の、連山の中腹に生息しているらしい。
今回の依頼主は、王城のシェフの依頼らしい。
何でも、普通、冒険者が購入する干し肉は、ブラウンボアの物が相場らしいけど、グレートボアの干し肉は、貴族にワインの肴として人気らしい。
どうやら、王城のシェフは、グレートボアの干し肉を更にグレートUPした物を作ろうとしているらしい。
その材料となる、グレートボアの肉の採取が今回の依頼の真相だそうだ。
どうも、マークさんとゴールディさんの酔っ払った姿が、目に浮かびます。
何か世界樹の森の呑兵衛達の為の依頼の様な気がしてならない。
いっそ、何匹か、余分に捕まえて、自分達でも食べる分を確保できれば、料理上手なお姉さん達が居る世界樹の森で、美味しい料理を作ってもらえるかも?
僕の気持ちは、最初の、冒険に憧れた気持ちから、美味しい料理を食べる!と言う方にシフトされていた。
やがて、お昼時になり、エルフのお姉さん達の依頼で、エルフの大工のお兄さん達が、造ったと言うツリーハウスで、休憩と昼食をとった。
よく考えたら、このツリーハウスを使って、狩りや、採取をしている、シェーラお姉ちゃんや、シーナお姉ちゃんの方が、余程冒険者らしいのではないかと思う。
けど、今日、僕は、獲物を探し求めるハンターとして、何処までも行けると言う気持ちに心は踊る、依頼の期日は、一週間、採取するべき獲物はグレートボア一匹、最悪三日北へ進めば、グレートボアの生息地の山に到着する。
それまでに、遭遇して狩る事が出来れば言う事無し、最悪の時は、北の山には入りグレートボアを探せば、ギリギリ間に合うはず。
もし、間に合わなくても、グレートボアを狩る事が出来れば、世界樹の森で美味しい料理が食べられると思う。
今から失敗する事を考えるのも後ろ向きで、嫌だけど、依頼を、成功させても、失敗しても美味しい気がするので、気分的には、かなり楽になった。
昼の休憩の後、更に北へと進み、たまにグレートボアが目撃すると言う辺りに到着した。
生憎、その辺りては、グレートボアを目にする事は、出来なかったが、ここより先に進めば、グレートボアとの遭遇確率は、グンと上がる。
今夜は、ここでテントを張って夜営をする事にした。
運が良ければ、明日中に遭遇も有り得る。
期待を胸にハク姉ちゃんから、冒険者デビューのお祝いに渡された、バッグの中から皆の弁当を取り出した。
普通、冒険中の食事は、現地調達か、干し肉等の携帯食料がメインになるのだか、今回、若いメンバーの上調理中に獣と遭遇する事を考慮したハク姉ちゃんの指示で、一週間分の食事を弁当にして持たされた。
ちなみにテントや寝具一週間分の弁当等、全てハク姉ちゃんに貰ったバッグに収納している。
どれだけ物を入れても重さが変わらないので、凄く楽で便利な、アイテムだ、頂いた刀といいハク姉ちゃんは、僕の事をよく考えていつも、最善の方法を考えてくれる、本当にありがたい存在です。
食事の後、テントの周りに獣避けの魔道具を配置して、眠りに就いた。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。
今回は、出発して初日の話しになりました。
次回は、いよいよ獲物に遭遇するのかな?
狩りが終われば、修行も本格的になってエドワードの7歳の章が終わり、一年程時が流れる予定です。
またのお立ち寄り楽しみにしてぃすね。