第三章(11)
今回、1日2本少し頑張りました。
今回前半は、多尾狐のマリーの話しがメインです。
よろしければ、最後まで読んで下さいね。
エドワードが目覚めて、隣に寝ている裸の女の子に驚いてあたふたしていると、
「おはよう、エドワード今朝は、儂よりも、早く目覚めたのだな。」
眠そうに、目を擦りながら伸びをうつ10歳位の女の子の言葉を聞いたエドワードは
「もしかしてマリーなの?」
半信半疑で尋ねてみると、
「何じゃ、儂が分からんのか?見るが良い5本にふえた、愛くるしいモフモフの尻尾を………あれっ変じゃ、今日は、尻尾が見当たらんが、おかしいのう?」
「もしかして、寝惚けてるの?
本当にマリーなんだね?
何か人間に成ってるよ。」
「おお、どうりで尻尾が見当たらんかった訳じゃ。」
「ところで、どうして人間になったの?」
「それは、お主が、剣や魔法の修行をしているのを見て、儂も剣や魔法を覚えて強くなれば、かつて、命からがら逃げ帰ったダンジョンを攻略出来るかも、と思ったからじゃ。
それに、お主の師匠のハクタイセイ様じゃが、剣も魔法の腕も、更には教え方も素晴らしい。
儂など、魔法のみなら、既に尻尾が7本の頃より、技量は上な位じゃ!」
「じゃあ一緒に練習しようよ。」
「そうは言っても、儂はオリヴィアの相手もせねばなるまい。」
「じゃあオリヴィアも一緒に練習すればいいんじゃないかな?」
「それは、ゴールディ様が嫌がるのではないか?
前に、マーク殿と酒盛りの際に、娘のオリヴィアには、ハクタイセイ様やヘレン殿の様に強く成られては困ると言っておったでな。」
「何か難しいね、オリヴィアの事は、後でお姉ちゃん達と相談してみよう。
それより、リリーの所に朝の挨拶しに行かない?」
「良いな、行くとしようか、リリーも待っておろう。」
「でも、その前に、何か服を着ないと、裸のままじゃ、お姉ちゃん達に怒られるよ。」
「儂は、このままでも別に構わんのだが、いつも、裸じゃからのう。」
「人間に成ったら、服を着なきゃ駄目なの!
僕の服持って来るから、服着てね。」
「やれやれ仕方ないのう。」
マリーは、そう言って僕の服を着ながら
「今日も、あの歩き方で行くのか?」
「そうだよ、あの歩き方を始めてから、剣の振りと魔法の発動がスムーズになったからね。」
「ほう、それは、良い事を聞いた、儂もその歩き方を教えては、貰えまいか?」
「うん、一緒に練習しよう!」
そう言って、二人で表に出てルイさんに教えてもらった歩き方をマリーに教え、二人でリリーの所に朝の挨拶に行った。
食堂テントに行くと皆、マリーを見て驚いていた、皆に色々質問されていたけど、ハクタイセイのお姉ちゃんだけは、何も聞かずニコニコしていた。
マリーと一番話していたのは、ニッキーお姉ちゃんで、マリーは本来もっとナイスバディだと言えば、でも、今は凹凸の無い身体じゃないか。
と言われて、エドワードと共に剣や魔法の修行をするから、エドワードと同じ位の年齢に成ったと言っていた。
その後、マリーは、ニッキーお姉ちゃんを、お風呂に連れて行って、帰って来ると何だか、ニッキーお姉ちゃんの元気が無かった。
朝食の後、マリーと剣の稽古するのだが、まず僕は、マリーに素振りを教えたのだけど、いつも、僕の練習を見ていたマリーは、ほんの少し教えるだけで、直ぐに覚えてくれたので、僕としては、いい後輩が出来たみたいで嬉しかった。
昼からの魔法の練習では、マリーは僕と同じ位のレベルだったのには少し驚いたのだが、ハクタイセイのお姉ちゃんは、嬉しそうに
「これからは、二人で切磋琢磨し競い合って練習すれば、早く上達しますよ。」
と言ってくれた。
そして、マリーの剣が、もう少し上達したら、ニッキーお姉ちゃんと3人で、ギルドの簡単な討伐依頼を受けてみなさい、と言われたのでマリーと一緒に頑張ろうと思う。
それから、一週間程たった、ある日マリーと僕は、ハクタイセイのお姉ちゃんとニッキーお姉ちゃんに連れられて王都へとやって来た、ギルドでマリーの冒険者登録をするためらしい、マリーって本当は、狐なのに登録出来るのか心配だったけど、人化したワーウルフや、ワータイガーでも登録出来るらしいので、大丈夫だったみたい。
これでマリーも冒険者になれたので、採取や討伐の依頼を受けてお金を稼ぐ事が出来るらしい。
その後、僕達はニッキーお姉ちゃんの、お兄さん達が住む家に向かった。
どうやら最近隣の家も買って大きな家にしたらしく、エルフの大工さん達も、一緒に住んでいるらしい。
家に着くと、2人の綺麗なエルフのお姉さんに出迎えられて、応接間に通された、そこには、シェーラお姉ちゃんとシーナお姉ちゃんか、先に来ていた。
出迎えてくれた1人は、マーシャさんと言って、エルフの大工さんの一番上のお兄さんの、お嫁さんらしい、そして、シェーラとシーナお姉ちゃんの事を師範と呼んでのは、シェーラお姉ちゃんとシーナお姉ちゃんに何か教えてもらっているのかなと思った。
もう1人のエルフのお姉さんは、マイラと言う名前で、大工の二番目のお兄さんと、もうすぐ結婚するらしい。
2人のお姉さんの自己紹介を聞いた後、一組のお客さんが来た。
男の人か、僕を見るなり涙を流しながら、「大きく成ったなぁ!」と抱き付いてきた。
僕のお父さんだと、ハクタイセイのお姉ちゃんに教えてもらった、一緒に来たのは、僕のお母さんと、双子のお姉ちゃん名前は、セリーヌと言うらしい。
お父さんとお母さんが、あまりに僕に構うから、セリーヌお姉ちゃんは、少し寂しそうにしていたので、話し掛けたら無視されてしまった。
僕に両親を取られると思ったのだろうか?
僕を呼びに来たマリーに手を引かれて、行った先には、マークさんが、孫のスカーレットちゃんを連れて、やって来ていた。
4歳になるスカーレットちゃんは、来年5歳になったら、週に一度、ハクタイセイのお姉ちゃんに、勉強と礼儀作法を習いに来るらしい。
スカーレットちゃんのお母さんのウインスレットさんが、ハクタイセイのお姉ちゃんの所で、色々学ばせたいと願ったらしい。
マークさんは、ハクタイセイのお姉ちゃんや、ゴールディさんとの縁が深まる事が嬉しいみたいで、何度もハクタイセイのお姉ちゃんに、お礼を言っていた。
その日、剣士さん達と大工さん達は、結局帰って来なかった。
僕達はその夜剣士さん達の家に泊まったのだけど、朝起きたら、剣士さん達と大工さん達が、玄関で正座させられて、ニッキーお姉ちゃんとマーシャさん、マイラさんに、帰りが遅いと説教されていた。
その日、世界樹の森に帰る途中、冒険者ギルドに立ち寄り、僕達がする、採取依頼を受けて帰った。
いよいよ冒険が出来ると僕とマリーは、ドキドキと胸が高鳴るのを覚えた。
いよいよ明日は、冒険者デビューだ!
今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
さて、次回は、いよいよエドワードが冒険に………でも採取依頼ですが、
今回、エドワードの双子の姉のセリーヌが、一瞬登場しましたが、また、近いうちに登場予定です。
それから、第三章では、冒険の話も出て来ますが、基本的に、エドワードの修行の章ですので、冒険には、あまり期待しないで下さいね。
それでは、次回も、読んで頂ける様にがんばりますね。