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第二章(6)

今回も見て頂きありがとうございます。

 疲れ目、ドライアイに苦しみながら、誤字、脱字と戦っております、読み辛かったりしたら報告して下さいね。

今回は戴冠式の始まる処迄の話しです。

          戴冠式

 ゴールディ一行が王都に入った翌日、都中が朝から熱気に包まれていた。

 朝食を済ませた一行は、昨日購入した服装に着替えるに一旦ハクタイセイの部屋に集まると。


「皆さん、兄様の適当な思い付きで、こんな事になってしまったが、心の準備は、出来ていますか?」(ハクタイセイ以後ハク)


 皆、緊張はしているが、ゴールディやハクタイセイと共に暮らしているだけあって、度胸があると言うか、肝が据わっている。


「でも、俺達、本当に王様の御前に行っても良いのか?

 ゴールディ様に、仕立ての良い服を買ってもらって身形だけは、体裁を整えたけど、髪はボサボサだし、無精髭だって、それに、一度も成功してないけど、元盗賊だし。」(元盗賊のリーダー、ミック以後ミ)


「元盗賊と言っても、手配書も出ていないのだ、いちいち元盗賊等と言うのは、本物の盗賊に失礼だぞ。」(ゴールディ以後ゴ)


「はぁ、そりゃそうですけど。」(ミ)


「ここに居る者は、全て儂の友じゃ、それに、今日、息子のマリウスに王位を譲る現王も、儂の友じゃ、同じ儂の友なら一同に会しても文句は無かろう。」(ゴ)


「兄様、相変わらずの破滅的な俺様理論ですね。

 それはそうと、シェーラにシーナ皆の髪と無精髭どうにかできるか?」(ハク)


「「任せて下さい」」


 姉妹そう言うと鋏も持たず元盗賊で現在は、神龍達に剣士と認められた3人の男性に向かい


「髪型に文句は言わないでね。」


と言うと、おもむろに、剣士達の髪の毛に手櫛を入れた。

 すると、指の間に挟んだ毛先がハラハラと切れて落ちていく、何らかの魔法を使っているのだが、あまりの早さと手際の良さに、一同は、言葉を忘れ、ただ見守るだけだった。

 3人の髪の毛を切り終えた姉妹は、 「こんなもんかしら?」 と言いながら剣士達の頬から、顎にかけて掌で撫で下ろすと、無精髭まで剃り落とされていた。


「シェーラにシーナよ、まるで神業じゃな、ミック、ヴィンス、トミー鏡を見てみろ、男っ振りが上がったぞ。

 シェーラとシーナに感謝するのじゃ」(ゴ)


 3人は、鏡を見ながら、頻りに「スゲースゲー」と感心して姉妹に深々と頭を下げて礼を述べた。


「次は、女性陣かしら。」


 ハクタイセイが3人の女性達を並べてベッドに腰掛けさせ、手際よく化粧を施していく。

 これもまた、神速の早さで仕上げられ、仕上がった者から次々鏡を覗き「これが私?」と、うっとりしていた。

 最後にメークされた、シーナは鏡を見ながら、ハクタイセイ様、ヤッパ半端ネェーと心の中で一生師事しようと誓った。


 メークアップが済んだ女性達を見た男性陣は、思わず息を飲み、その美しさに見とれているなか。


「最後は、私で終わりね。」


 徐に、コットンを使い、メークを落とし鏡の前で洗顔を済ませたハクタイセイがタオルで顔を拭き、皆の方に向き直ると、女性達は、声を失い、男性達は、 「女神だ!」 と膝間付いた。


「はい、私これでも一応、女神なんですけど……」(ハク)


「美しいとは思っていましたが、何ですか!

 その反則的な美しさは。

 しかも、何で?化粧した顔より、素顔の方が綺麗だなんて!」(シーナ以後妹)


「いつもの顔の方が親しみ易いでしょ。」


 そう言いながら、意味ありげにハクタイセイは微笑みながら。


「それでは、皆さん着替えて戴冠式に向かいましよう。」


 ハクタイセイの号令の下、各々部屋に戻り、着替えて再び、ハクタイセイの部屋に集合した。

 この宿の一番大きい部屋は、皆の集合場所によいので、エドワードを連れたハクタイセイが使い、その他の者は、小さめの部屋と、ゴールディの指示で部屋割りが決められていたのて、寝る時以外は、皆ハクタイセイの部屋に集まっていた。

 皆揃った処で出発となったのだが、宿を出るなり、美男美女と化した一行の周りには、人だかりが出来てしまい、中には、ナンパ目的でエルフ姉妹やニッキーに声を掛けて来る者も多く、皆、困り果てていたが、神々しいまでの美しさのハクタイセイに声をかける者は、1人も居なかった。

 当のハクタイセイは、エドワードを抱いているから、既婚者と思われているのでしょう。

 と涼しい顔でいるので、シェーラがエドワードを抱いて進み出したのだが、やはり、ハクタイセイに声は掛からなかった。


 やがて、一行は、戴冠式が、行われる大聖堂へと到着したのだが、やはりそこでも人だかりが出来てしまった。

 大聖堂では、エルフ姉妹やニッキーに声を掛ける男性も多かったが、大工3兄弟や3人の剣士に声を掛けて来る女性も少なからずいた、どうやら、婚期を逃しそうな女性や、婚期を逃した女性、若いツバメを求めている妙齢の女性達が、綺麗な顔のエルフの大工3兄弟や、身形が良く、引き締まった体格で精悍な顔立ちの剣士達に目を着けた様だった。


 あまりにも会場の中が、騒々しいのを気にした近衛兵の1人が、騒ぎを静める為に、騒ぎの中心に来て、ゴールディを見るなり、祭壇横の王族控室に飛び込んで行った。


「陛下!大変です!金龍様が会場に………」


「誠か?」


 近衛兵を話しを最後迄聞かず、国王は、控室を飛び出し、戴冠式に訪れた民衆の中に飛び込んで行った。

 その光景を、目の当たりにした次期国王のマリウスは、一言


「前代未聞だ!」


 と青ざめていた。


 国王が会場へと乱入した為に、更に会場は騒然となり、乱心かとも思われる国王の行動に面食らった近衛兵達も、慌てて国王を追いかけ始めた。

 流石に国王と言うべきか、国王の前の人だかりは、国王を見るなり道が開け、ゴールディの前にたどり着くなり、膝間付こうとするのを、ゴールディが制した。


「マークよ、儂に膝間付いてはいかん。

 儂等は友なのたから。」(ゴ)


「何と、ありがたい御言葉、まさか今日、この日の戴冠式に金龍様が来て下さるなんて。」(国王以後マーク)


「儂の事は、ゴールディと呼べと申したではないか、それより、戴冠式の前に国王がこんな所迄出てきてはいかんじゃろう。

 それに、儂等もあまり目立ちたくないからのう。」(ゴ)


「それでは、息子にも紹介させて貰いたいので、我等の控室まで、」(マーク)


「それは、有り難いのだか、今回は連れが、後、10人ばかり居るでのう。」(ゴ)


「それ位の人数ならば充分に入れますからどうぞ此方に。」


 マークから遅れて来た近衛兵達に先導され、ゴールディ一行は、王族控室へと案内された。


 その一部始終を見ていた人々は、口々に、何処かの王族なのだろうか?とか、金龍って言ってたぞ、等と噂が広まっていった。


 控室では、居心地の悪そうな剣士達をよそに、エルフ達は、普段とあまり変わらずにいた。

 マークはハクタイセイの胸に抱かれているエドワードを見ると


「もしや、この子がエドワードですか?」(マーク)


「そうですよ、この子がエドワードです。国王様、久しぶりですね。

 処で、アレックスとマーガレットは、この場に来ているのですか?」(ハク)


「はい、ただいまは、この奥の部屋で子供を寝かし就けております。」(マーク)


「それでは、私はアレックス達に、この子と会わせてきましょう。」(ハク)


 エドワードを抱いて奥の部屋へと入って行くハクタイセイを見ながらマリウスが 「なんて美しい女性なんだろう。」 と呟いている。


「ゴールディ様、あの女性は、いったいどなたですか?

 久しぶりと言われましたが、私は、あの様に美しい女性に見覚えがありません。」(マーク)


「あぁ、白龍だ、ハクタイセイ・ハイランドレインボーだよ。」(ゴ)


「えっ!私が知る白龍様は、もう少し、お年を召された……」(マーク)


「いや、あれが素顔だ、普段は、天上界(神界と天界両方の事です)の女好きの神々に言い寄られない様に化粧で化けているのだ。」(ゴ)


「そうでしたか、あまりの美しさに心臓が止まるかと思いました。」(マーク)


「既にここで、1人止まっておるぞ。」


 ゴールディが笑いながら、マリウスを指差した。


 丁度その時、奥の部屋からアレックスが泣きながら出て来た。

 その後には、眦に涙を浮かべながらエドワードを胸に抱いたマーガレットが続き最後にハクタイセイが部屋の扉を閉めながら現れた。


「アレックスったら、子供が寝付いたのに、エドワード見て泣き出すんだから、子供が起きたらどうするの!」(マーガレット以後そのままマーガレット)


「久しぶりの親子の対面ですからね、感極まったのでしょう。

 アレックスは、相変わらず清らかな心の持ち主ですね。

 貴方の、その優しさ故に、エドワードが神に選定されたのですよ。」(ハク)


「それはそうと、ゴールディ様、宜しければ、お連れの方を紹介して頂けると嬉しいのですが!」(マーク)


「そうであったな、先ずは、こちらの4人は、ハクタイセイの剣術の弟子達で、ミック、ヴィンス、トミーそして、トミーの妹のニッキーじゃ。

 そして、こちらがハイエルフのルイ、アルーム族の族長じゃ、そして、シェーラとシーナの姉妹こちらは、ハクと一緒にエドワードの面倒を見てくれておる、そして、この3人も兄弟でジョルジョ、セルジオ、オーラスじゃ、エドワードの為に家を作ってくれた。

 皆、儂の大切な友じゃ、マークお主もな。

 そして、マリウス、アレックス、マーガレットよ、お主等も今日から、儂の大切な友じゃ。」(ゴ)


「処で、そろそろ戴冠式の時間では、ないのでしようか?」(ハク)


「いえ、既に少し過ぎております。」(マリウス)


「いかん!すぐに始めるぞ!」


マークの国王としての最後の務めが少し時間遅れで、慌ただしく始まっていった。

今回も最後迄読んで頂き、ありがとうございます。

 王都での話しは、次回で終わる予定です(終わらなかったらどうしよう?)

 世界樹の森に戻ると、EX1の狐さんが本格的に登場します。

 それから、ブックマークして下さった方本当にありがとうございます。大変励みになりました。

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