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第1章

今回、途中迄ですが、投稿します。

 2~3日うちに、文章の続きを増やしますので、乞う御期待。

    シェーラとシーナと大工3兄弟(1)

 テントに戻った姉妹は、大工3兄弟の事を思い出して、クスクスと笑いながら どちらともなく「あの3人!」と話し始めた。


「あの3人って、よく里の女の子達の話題になってる、大工兄弟でしょう?」


 シーナがエドワードの頬っぺたを撫でながら、姉のシェーラに尋ねる


「多分合ってると思うわよ。

でも、私、里の男の人って、族長のハイエルフの一族と長老連中しか会った事ないから……」


「確かに、私達、婆ちゃんの処から出た事ないし、里の事って、婆ちゃんの御弟子さんや長老からしか情報入ってこないからね。」


 それもその筈、この姉妹は、偉大な祖母アレイシャの才能を色濃く受け継いだ為、物心ついた時には、アレイシャの管理する里の集会場の奥の院で育てられ、基本異性との接触は禁じられていた。

 それでも、薬草採集や狩りには出ていたのだが、その際には、祖母か祖母の弟子達が付き添い、他人と接触しない様にされていた。

 それでも男性に出会う事はあるが、単に奥の院には、里の長老と族長の一族、祖母の弟子が入る事を許されていたので、全く男性を見た事が無い訳ではない。

 日常、姉妹は、アレイシャが御弟子さん達に修行をつけている時は、御弟子さん達が連れて来た赤ん坊や子供達の世話係をしていた。

 そして、シェーラとシーナの姉妹は、アレイシャの御弟子さん達が居なくなった後、アレイシャによって、より高度な修行を受けていたので、齡12歳になる頃には、一般の御弟子さんに比べると、遥かな高みに達していた。

 この度、初めて里の外に出るに当たって、祖母からは、あまり口煩く注意を受けた訳でもなく、信頼しているので、「思う様にしてもよい。」と全件委任されて里を出てきた。


「しかし驚いたね、白の魔王のレジーナさん、いきなり出てきて、「赤ちゃん可愛いね!」って言われた時には、腰が抜けそうだったよ!」


「私も、驚いたけど、あの3人気を失なうとは思わなかったわ。」


 姉妹のエルフは、初めて出会う、自分達と年齢が近い男性の話で盛り上がりながら、眠りに就いた。



 翌朝、姉妹は、大工の兄弟に作って貰う家の簡単な端書き程度の図面と要望書を持って、真ん中のテントに出向いた。



 大工3兄弟は、朝、目覚めると、昨夜の事を思い出して、3人各々物思いに耽っていた。


「なぁ、幽霊見なかったか?」


「あぁ、多分俺も見た。」


「ねぇ、兄貴達、この仕事断らない?

 獣や魔物なら大丈夫だけど、実体のない奴やアンデットなんかは、俺たち対応が出来ないよ。」


 長男の問に、弟達が応えた。


「ルイさんに断って里に帰らせてもらおうか?」


「それが良いかも。」


「ルイさん何て言うかな?」


 順番が決まっているのか、常に、長男、次男、三男の順番で話しながら、3人は、黙り込んでいたが、不意に、長男のジョルジョが


「帰るにしても、とりあえず、朝飯食って、ルイさんに相談しないといけないだろう。」


「とりあえず、飯にするか。」


「俺も、腹減ってたんだよ!」


 3人は、、真ん中のテントに入るなり、エルフ姉妹の妹シーナが声を掛けてきた。


「昨夜は、良く眠れましたか?」


 言い終わると、口許を右手で隠し笑いを堪えていた。

 それに、気付いた3兄弟は、ムッとしながらも、下を向いて黙っていた。


「皆さん、朝食の準備が整いましたよ。」


 姉のシェーラが3兄弟に、声を掛けながら、妹のシーナに「笑っちゃ駄目ですよ。」と注意していた。


 3人がテーブルに着き、神妙な面持ちで食事をしていると、里の族長であるハイエルフのルイ・テイトが眠そうな眼を擦りながら、食事にやって来るのを見て、長男のジョルジョがルイに歩み寄り。


「ルイさん、食事の後話しがありますので、少しお時間宜しいでしょうか?」


「いいですよ。」


 ルイは、軽くOKをだした。



 食事が終わって、男性用テントでは、「幽霊の出る現場では、仕事をしたくない!」と3兄弟がルイに申し訳無さそうに切り出すとルイは、自分が知る限りのレジーナの情報を兄弟達に伝え恐れる事はないと諭したのだが、白の魔王なら、尚更危険じゃないか、と譲らなかった。

 その時、男性用テントの前で、図面と要望書を持って大工の兄弟達が出て来るのを待っていた姉妹は、テントの中に乗り込み


「あんた達が、そんな腰抜けとは思わなかったわ、レジーナは、白の魔王って呼ばれて300年前に、大破壊を巻き起こしたらしいけど、神様の与えた加護が桁違いに強過ぎたのが、原因じゃない!

 レジーナ本人は、人に危害を加える様な娘じゃないし、良く気の利く優しくて、可愛い女の子なんだよ。」(シーナ以下妹)


「でもよぉ、絶対に安全って言う訳でも無いんじゃないか?」(ジョルジョ以下ジ)


「それに、もし何かあった時は、取り返しがつかない事になるし。」(セルジオ以下セ)


「それに、俺達、まだ彼女も居ないし、彼女も出来ないうちに、死にたくなないよ、」(オーラス以下オ)


「えっ?俺、彼女居るぜ。」(セ)


「へっ?」(オ)


「あぁ、俺も彼女居るし、ってか婚約したし。」(ジ)


「エェー!2人共いつの間に、しかもジョル兄ぃ、いつの間に婚約したんだ?

 それに、相手は、誰なんだよぅ!」


「ええっと、相手は、マーシャだ、婚約したのは、昨日、ここに来る直前にプロポーズして、その場で返事もらって、親父に報告しようと家に戻ったら、そのまま、こっちに飛ばされた。」


「ほほ~マーシャって、うちの師匠(婆ちゃん)の処に修行に来てる薬師のマーシャの事かな?」(姉)


「道理で、最近、師匠(婆ちゃん)の処で、よく、あんた達の噂話を聞くと思ったよ。

 あんた達が、そんな腰抜けだとマーシャが、知ったら、どう思うかねぇ。」(妹)


「何、脅しのつもりか?」(ジ)


「そんなんじゃないわよ、あんた達レジーナの事、何も知らないでビビってんじゃないわよ。

 あの娘はねぇ、神様に貰った加護が、強過ぎて、自分の意思とは関係無く周りに危害を加えて魔王って呼ばれてるけど、本当は、気配りも出来て、素直で優しい普通の女の子なのよ。」(妹)


「まぁいいわ、貴方達レジーナが恐くて仕事出来ないって言うのなら、道具だけ置いて帰っていいわよ、後の事は、私達で何とかするから。」(姉)


「そうよ、ここには、300年前に、レジーナを無傷で封印した、龍帝ゴールディ様も居るし、もうすぐ聖龍ハクタイセイ様も様子を見に来て下さるのだから怖くなんかないわ。」


「俺はやるよ、1人でも残って家を建てるぜ」


 三男のオーラスが、キッパリと言い切った。

 姉妹が、乱入して来た時から、空気だった、ルイが、


「オーラスだけかい?残って仕事するのは?」


 と尋ねると


「俺も残って最後まで仕上げるよ。

 途中で、逃げ帰ったなんて、恥ずかしくて、マーシャに顔向け出来ないからな。」


「ジョル兄ぃとオーラスだけには、いい格好させないぜ。」


 2人の返事を聞いてルイと姉妹は、ホッと胸を撫で下ろした。


「いい格好って、貴方達、レジーナを見ていきなり気絶してたじゃない、今更いい格好なんて出来ないわよ。」


妹のシーナが、悪戯っぽく笑いながら言うと。


「俺達、野獣や魔物の類いなら、大丈夫なんだが、幽霊とかアンデットの類いは駄目なんだ。」


 とジョルジョが人差し指で、こめかみの辺りを掻きながら言うと


「へぇー、そうなんだ。」


 と言いながら、じゃあ早速とばかりに、シェーラがテーブルに、図面を置くと、3人は、図面をみるなり。


「「「何だ!この落書きは?」」」


 3人が、息ピッタリに文句を言った。


「しょうがないでしょ、私達、図面なんて初めてなんたから。」(妹)


「まぁ、大体の間取りの感じは、分かったから、こっちで何とかするけど、窓や扉が描いてないけど、とうするんだ?」(ジ)


「一応、要望書にも書いてあるけど、私達この家ができたら、ここで、薬の調合したり、狩って来た獲物の解体や加工したり、星読みの修行もするから、窓や照明の位置が家の建った場所から計算しないと割り出せないの。

 だから、各部屋の使用目的を教えるから、扉なんかは、そちらでいい様に作って貰って構わないけど、特に、修行部屋と寝室の窓は、何日か星を観測しないと、まだ何とも言えないの。

 手間を掛けて悪いんだけど、此れだけは譲れないから、おねがいね。」(姉)


「ったく、面倒臭い事になりそうな予感がするぜ、まぁいいや、注文通りに作ってやるから、俺達兄弟が、白の魔王見て気絶した事、里の者に言い触らさないでくれよ。」


「分かったわ、でも、レジーナの事、白の魔王って呼ばないであげてね。」


「あっ、居た居た!あっちのテントに居ないから、捜しちゃったよー!

 何か、私の名前が聞こえたんだけど、何の話ししてるの?」


 昨夜に続いてレジーナが、フワフワとやって来たのを見てルイは、


「レジーナ昨夜は、礼を欠いた紹介の仕方をしてしまい、申し訳無かった、許して貰えると嬉しいのだが……」


 と開口一番、昨夜の詫びを告げると、レジーナは、


「あまり、気にして無いから、謝らなくてもいいですよ。」


 と笑顔で応えながら、テーブルに着いた3兄弟を見て、


「この人達は、何時も白目を剥いているんですね。

 何か面白そうな人達ですね。

 私、エドワードちゃん見にいきますから、シェーラさんとシーナさんも来て下さいね。」


 屈託の無い笑顔で、レジーナは、エドワードの眠る女性用テントに向かって、フワフワと飛んで行く、その姿を眺めながら、シェーラとシーナは、


「やっぱり、コイツら腰抜けじゃん。」


 と笑いながら男性用テントを後にした。

 ルイは、「駄目だこりゃ。」と、力失く呟いて男性用テントを後にして、世界樹の方へと歩を進めた。

 そして、ポツリと「あぁ、遠くへ行きたい!」と空を見上げて深く息を吐いた。

            

今回も、読んで頂きましてありがとうございます。

 今回、中途半端になりました。

 それから、10話までですが、修正とほんの少し加筆しましたので、興味のある方は、読み直してみて下さいね。

 それから、この項2~3日うちに加筆して完成させる予定ですので、また見に来て下さいね。

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