表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
インタビュー 第一回  作者: 橋土井 紫
2/4

終末(体験版) 【その2】

---録音再開---

ふう、あ、ゲーム開始するところからでしたっけ。でしたよね。ええ。


で、終末のカセットを差して電源入れたらタイトル画面が出たんですよ。

画面の半分くらいに「週末(体験版)」ってドーン、って出て。まあ、ゴシック体がドットでちょっと荒くなってましたけど。

その下に「あと 47 かい」って文字と「PRESS START」って書いてました。BGMもチープな8bitの音でしたね。テッテレーテー、みたいな。

ああ、そうですね。特に気にしませんでした。中古だし、オジサンが「面白いよ」って言ってたから「何回かやったのかな、体験版だしこれはあと47回プレイできるのか」って思ったくらいです。「47回ってキリ悪いな」とかは思ってないですね。はい。まあ、「多いな」とは思いましたけど。


えっと、それでSTARTボタンを押したんですけど、そこでゲームがブチッ、って切れたんですよ。ええ、電源が。

あれっ、って思って何度か電源をオンオフしたんですけど反応なくて。5,6回オンオフした後座布団にゲーム機ごと投げ捨てました。

え?ああ、別に腹立ったってことはないです。安い無名のゲームなら無いことも無いですし、別にゲーム機壊れても何個かスペアありますからね。



いや、そこは別にどうでもいいんですよ。ここからなんですよ。

マジかよー、って思ってた時、付けっぱなしだったテレビで急に速報が流れたんですね。

バラエティとかでよく見る中年のアナウンサーが(すっご)いカミカミで言ったんですよ。なんか叫ぶみたいに。

「ただいま地球に超巨大隕石が猛接近しています!あと三十分で墜落予定です!」

みたいな感じで。


いやー、あの時は焦りましたね。アナウンサーの焦りようもそうですし、外はざわざわし始めますし、なんか聞いたことないサイレンの音が鳴りますし。

えー!どうしようどうしよう!とは思ったんですけど。ああいう時って時がたつの早いんですよね。あっという間に30分経って。

外が一瞬ピカッって光ったと思ったら真っ白な光に包まれて。



そこで目が覚めました。いや、覚めたっていうのも変な表現ですね。でも「覚めた」って感じでした。

僕は部屋で寝転がってて、ゲーム機が横で音楽鳴らしてました。

慌てて画面見てみたら黒い背景に「GAME OVER」って文字が点滅してました。音楽もなんか(くら~)い音楽でしたね。ええ、はい。



そこでなんとなく察しましたね。

ああ、このゲームって「終末」ってゲームの「体験版」じゃあなくって、

「終末」を「体験」するゲームなんだなって。ええ。不思議なんですけど。


---録音一時停止---

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ