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双銃  作者: 天照 暁
39/39

#039:我が家

ちょっと区切りがおかしいですが・・・・・・。

鬼帝宅

(ナレ:鬼帝戊流)


 「久しぶりの我が家に帰ってきた」そんな感じがした。実際にはそんなに長く家を空けていたわけではない。リビングの電気を付け、ソファーに座ればそのまま仰向けに倒れ込んでしまった。


 今回の作戦で自分がひどく疲れている事が解った。特に、ハーディーの言った事には驚かされた。ナナ姉さんの事を知っていた。そもそもどこから情報が漏れている?今回の作戦は半分以上ハーディーのペースで運んでいる節がある。そして、ナナ姉さんのいた拘束部隊についてもかなり知っていた様子。


 もともと、同じJOKERの部隊である拘束部隊・CATSと暗殺部隊・KILLERSは組織の頭は同じであってもその中身は正反対の性格を持っている。故に互いが互いの利益のために情報提供するはずも無かった。それぞれの部隊はほぼ敵同士。相手の部隊に誰がいるかなんて、ハッキングする以外知るすべは無い。ならば、ハーディーが自分で調べたと言う事か?いや、それは考えづらい。ハーディーは情報戦は余り得意では無かった。フリーになってから覚えたと言う事も考えられるが、冷戦時代の産物を簡単につっつけるほどロシアは落ちぶれていない。逆にアメリカと並ぶほどの面倒くさいシステムになっている。


 となると、ビル倒壊の時にハーディーを助けたヘリに乗っていた奴が手がかりになる。あいつに仲間がいると考えて妥当だろう。今後がやっかいだ。


「ピーンポーン・・・・・・」


 そこまで思考を巡らした時、玄関のチャイムが鳴った。もう夜の九時を回っている。珍しい客、もしくは謎の小包ととらえるしかなかった。


 軽く返事をして、玄関に行く。面倒と思いつつも、扉を開けた。


 結果は前者だった。


(井練由井)「なんで、帰ってきているのなら電話してくれないのよ!」


(井練由里)「あなたのために、夕飯おいてあるんだから!」


(井練由来)「・・・・・・」


 三人が玄関を開けると立っていた。全員目に涙をためていた。最後の由来さんに至っては、一発ボディーブローをかました後、抱きついてきた。そして耳元で「寂しかった・・・・・・」と一言だけ言われた。


 この後、さんざん由井に説教された。


 由里さんにものすごい勢いで抱きしめられた。(顔面は胸元へ)


 由来さんはずっと後ろから抱きしめてくれた。(二つの山がつぶれるぐらいの強さで)


 今になって道前署で楓さんに言われた「切れない縁」の意味がわかったような気がする。目をつぶれば、KILLERSのメンバー以外に大切なモノとして彼女たちや道前中学校の佐藤や武田達が思い浮かぶ。


 コレが帰る場所。切れない縁。自分を包み込むモノ。


 言い表し方はいろいろあるけど、この年になって初めて家族を持ったような気がする。


 そんな事を考えたからだろう、知らず知らずのうちに目から涙がこぼれていた。こんな事はJOKERにいた頃は無かった。彼女たちが与えてくれたモノなんだろうと思う。


 だから、自分の事を心配してくれていた彼女たちに一言、


(鬼)「ありがとう」




バー

(ナレ:エディ)


 作戦が終わって、港で解散した後すぐさまよったのがこのバー。いつも行きつけのバーだけに自分の好みのカクテルを作ってくれる。初老のマスターともかなり長い付き合いになる。


 が、今日に限ってはこの居心地の良いはずのバーで頭に血柱走らせていた。その原因は、私が来店するより先に来ていた客である。


 そう、閂一かんぬき はじめだ。私は昔っからコイツの事が大嫌いだった。そもそも狙撃というのが気にくわない。「男だったらこそこそしないでピストル一つもって先陣切ってこい!」と思ってしまうのが私なのだが・・・・・・。


 それはさておき、先述通り私がバーに入った時にはすでに彼はカウンター席の左端でソルティー・ドッグをあおっていた。腹の立つ野郎だ。私がいつも頼んでいるモノの一つである、ソルティー・ドッグを飲んでいるのだから。店には行ったときから額に血管が浮いてしまう。


 それに対抗するように私はカミカゼを注文する。きついヤツを飲まなきゃやっていけない。いつもはマスターに任せるがそのまま任せるといつもの流れで、ソルティー・ドッグを出されてしまう。あいつと一緒のヤツを飲む事だけは避けたい。


 ここはそんなに大きな店でないため、カウンター席の右端に座ったとしても5メートルも離れていない。


 マスターのサービスで出してもらったつまみのナッツも、カクテルが来るまではのど元に引っかかる。それにイライラしてもしょうがないのであるが、どうもあいつと同じ空間にいるという事だけでもイライラしてしまうようだ。


 そんなときだった、あいつは不意に席を立ち、グラスを持ってこっちに寄ってきた。


さて、次回はエディと閂のお話の続きです。


そして、すいません今回のお話は余り甘くなかったです。反省。

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