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双銃  作者: 天照 暁
38/39

#038:フリーフォール

遅れました。最近忙しい。年末が不安です。

タワー最上階(ナレ:作)


「カチッ」


 ハーディーがポケットから取り出した何らかのスイッチ、それを押すまでの時間は一瞬であった。その親指が深く下がっていく瞬間はそこにいた鬼帝達にとって瞬間ながらも、すごく長い時間のように感じられていた。


 そう、ハーディーの押したスイッチは起爆スイッチであった。



「ドーン。ドーン。ドーン。」


 先ほど撃たれたばかりのハーディーは自らガラスを破って夜のビル街の空へ出てしまった。鬼帝が慌ててガラスの外を見ると、横に寝かして飛ばしたヘリの入り口に飛び込んでいくハーディーが見えた。しかし、揺れが強いため迎撃できなかった。

 その頃、閂の方は誰のいたずらか、自分のいたビルの付近に警察のパンダが集まり出す事を確認する。故にこちらもハーディーに弾丸を撃ち込む事ができなかった。


 下の階から順々に起爆されていく。足下がおぼつかなくなったビルは少しずつ爆破と共に落下していく勢いを上げる。


 少しの浮遊感が出始めた頃、ようやく鬼帝達は動き出す。


(鬼帝戊流)「皆無事か?」


 先ほど簡単に撃たれてしまった彼らであったが、当然のごとく防弾チョッキは着ているため命には問題が無かった。しかし、細身の藍には弾の威力が答えたらしくチョッキを脱いで肋骨付近をさすっている。


(藍香)「ちょっとこたえたかも・・・・・・。歩けはするけど体に響くわ・・・・・・。」


 一方、他の登、坂本、ゴードンは防弾チョッキ等を脱ぎ捨て、ハンドガンだけにし、脱出の準備をする。


(坂本麺)「こんな事もあろうかと、あいつを呼んである。あとは、このチャンネルと彼女のタイミングで窓から飛び降りるよ。」


(登暁星)「僕らもハーディーと同じですか。」


(ゴードン)「この際、文句を言ってはいられんからなぁ。」


 その時であった、チャンネルを変えた無線から女の声が聞こえてくる。


(エディ)「迎えに来たわよ~!!5秒後に窓から飛び降りて!キャッチするから。」


 その声は、エディ・レートだった。



 5秒とはあっという間である。無線が入った後、すぐに窓に向かって走り出していた。


(坂)「2・1・0・!」


 踏切は窓のサッシであったが十分問題なく踏み切れる。そして、重力の支配の中少しずつ下へ下へと加速していく自分達の体。下を見ればアスファルトが見える、そう思ったときであった。


 突如、目の前に黒い金属物が現れる。


 そして、その上に着地する。


 その着地したモノは、黒く塗られた戦闘機。全五機の上にそれぞれ、鬼帝達は着地していた。


(エ)「とりあえず、乗って。この空域から速く出ないと、管理局に文句言われる。」


 その後、皆それぞれ乗り込み朝日が上る頃にはビルは倒壊、人は一人残らずその場からいなくなっていた。




海上空母


 戦闘機の着陸した先は、太平洋に浮かぶ日本の空母。


(エ)「緊急事態だったから、ヤマモト中佐にこの船と戦闘機G6を借りたの。」


 降りながら、エディに聞かされる鬼帝。


 出迎えは、エディに機体を貸した自衛隊にしては少し線の細いヤマモト中佐と道前署署長の山本楓だった。



 今回の一件に、関わるなと鬼帝を始め坂本までに山本は念を押されていた。しかし、彼女はいても立ってもいられなくなり、エディを呼び出して自分も参加させるように言った。しかし、現場に行く事はエディも許さなかった。裏の仕事に表の人間が入ってくるとミッションに異常を来す可能性を考えていたからである。だが、山本は自分の父親が空母の艦長であり、戦闘機等の管理も行っている事を伝え、そのレンタルと航空管理局や空域管理局等へレーダーにG6が写らなくなるウイルスを流し込む事だけをやらせてもらったのだ。


(坂)「山本中佐、今回もお手伝いいただきありがとうございます。」


(ヤマモト)「中佐じゃなくて二佐で頼む。自衛隊は軍隊では無いから、よろしく頼むよ。それはさておき、今回の件はいつもは涙を流さないかわいい娘が久々に泣きながらの頼みだったんでな。父親としては、やらざる終えないだろう。それに、俺の親バカを除いたって今回の件は自分の首を賭けてでも参加したかったよ。それはともかく、坂本、港に着くまでは少々時間がある、久しぶりに一杯やろう。ゴードン君も一緒に。」


(ゴ)「恐れ入ります。艦長殿。」


 そして、ヤマモト、坂本、ゴードンそして、エディとパイロット達は早々と甲板から中へと入っていった。



 そして、残された鬼帝、登、藍、山本。微妙な空気が流れるが口火を切ったのは山本だった。


(山)「・・・・・・ごめんなさい。勝手なまねをして・・・・・・。」


 彼女の思いを少しも解らない訳でない鬼帝達にとってどうしたら良いのか解らない状況である。


(山)「でも!」


 そして、山本は鬼帝、登、藍を抱きしめた。


 それは母の愛情を忘れてしまった彼らにとってどことなく懐かしいものであり、同時に依存してしまいそうなモノであった。


 そして、そんな彼女に彼ら達は一言。


(鬼)(登)(藍)「・・・・・・ただいま。」


次回は甘甘させます。

由里に、由来に、由井に甘甘させます。



できるかな(不安)

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