表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双銃  作者: 天照 暁
37/39

#037:ファイブサウザント

腹いて-。

タワー最上階(ナレ:作)


「シュッ・・・・・・」


「バキューン、バキューン」


 街中のビルの最上階。そこに響き渡る銃声。しかし、ハーディーの撃ったその弾丸は鬼帝に当たる事無く、左にずれ壁に着弾する。


「ダーン・・・・・・ダーン・・・・・・」


 着弾より遅れて狙撃音が部屋に響き渡る。


(ハーディー)「・・・・・・おいおい・・・・・・嘘だろ・・・・・・こんなところで・・・・・・ソ連の亡霊に会えるなんて・・・・・・。」


 先ほどまでの勝利を目前としたハーディーの顔は一気に悪くなる。この世のモノではないおぞましい物を見たかのように。


 そのハーディーの右腕には手の甲に風穴が空いていた。


 そして、だんだん力の入らなくなった手から銃が滑り落ちる。


(ハ)「今、俺の手に当たった弾丸は見覚えがある・・・・・・。他のライフルに転用がきかない、あいつのスナイパーライフル用に特注で製造されていたブレットだ。初速1000メートル毎秒を超えていた弾丸・・・・・・。そして、着弾後5秒以上経ってからの狙撃音・・・・・・。」


 頭で思案した事を自分の不安を埋めるかのように口に出して言うハーディー。


 その後確認するかのごとく、窓のガラスを確認する。


(ハ)「久々に・・・・・・体がゾクゾクする。」


 彼の目線の先にある窓ガラスには約直径80ミリメートルの穴ができていた。当然、このタワーは要人が集まる場所と言う事も有り、特にこの階は防弾ガラスになっている。


(ハ)「ふ・・・・・・ふふふふふ・・・・・・ははははは!!!おかしすぎるだろ・・・・・・。この防弾ガラスがいくら一発限りの防弾だからと言って、同じ箇所に二度撃って空いた穴に弾丸を通すなんて・・・・・・。ドラグノーフ・スナイパ・・・・・・何故だ・・・・・・死人のはずだ・・・・・・。」


 ハーディーは混乱に陥る。頭を必死に回して考えようとするが答えが出ない。


 そして、黙っていた鬼帝が壁にもたれたまま話し出す。


(鬼帝戊流)「残念だったな、お前ががんばって殺したそいつは生きているんだよ。」


 銃創を負った体で立ち上がる鬼帝。その姿はふらふらしていて、気を抜けばすぐにでも倒れそうなものである。


 そのふらふらする体を食いしばって、ポケットから無線を取り出し通話する。


(鬼)「急な呼び出しで悪かったな・・・・・・今ヤツと換わる・・・・・・。」


 鬼帝は通話していた無線をハーディーに投げつける。


 ハーディーは手が使えないため口で受け取り、肩と顔の間に挟んで耳に当てる。


(?)「前回の時はどうも。おかげで回復にかなり時間がかかった。おかげで昔のようには5000射撃なんてできなくなったけど、3000なんざ相手のこめかみに銃口突きつけているようなもんだよ。ハーディー。」


 若いけれど渋みのある声。


(ハ)「ハジメ・カンヌキ。この不死身の体を一度ダウンさせた男・・・・・・。」


 憎しみ、悔しさそんな表情をするハーディー。


(鬼)「キラーズⅠ。穴撃の一番。閂一かんぬき はじめ。ハーディーお前の負けだ。あいつの射程圏内にいる段階でもう無理だ。」


 追い詰めきった鬼帝。完全に敗北を前にしたハーディー。


 しかし、そこで笑い出すのがハーディー。


(ハ)「ふっ・・・・・・俺の負けは決まっていない。引き分けって言う手もあるんだぜ。」


 この言葉に鬼帝は引っかかる。何か見落としている。頭が最大回転で回る。


 思案を巡らせる鬼帝に向かって一言。


(ハ)「コレだよ・・・・・・。じゃあな・・・・・・。地獄で会おう・・・・・・。」


 ポケットからスイッチを取り出し、ハーディーは力強く押した。


今月はこの辺で、勘弁して下さい。

次回、完結編・・・・・・のはず

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ