#036:ブローバック&リボルバー
ちょっとは涼しくなってきてすごしやすくなった今日この頃。
タワー最上階(ナレ:作)
鬼帝とハーディーはお互いに銃を額にあてがっている。
(坂)「ハーディー。お前は何故俺たちと敵対する?お前がよく解っているはずだ。」
坂本の問いかけに、ハーディーは鼻で笑ってから答えた。
(ハ)「殺しはこの世の中じゃあビジネス。金になる。特に裏の仕事だからかなりの儲けになる。特にお前らの始末となれば前金だってかなりの額になる。それ以上に理由がいるか?」
ハーディーの言葉に藍が答える。
(藍)「お金のために同胞を手にかけているの?それだけが目的?」
藍の問い詰めに一瞬黙り込むハーディー。しかし、目の色だけは憎悪の塊のように鋭く冷たい目であった。そして、藍の問には答えずに鬼帝に話し出した。
(ハ)「ガヤは置いておいて、鬼帝戊流。お前に俺が撃てるのか?」
挑発するかのような物言いに鬼帝も心が乱れる。
(鬼)「やめろ・・・・・・。その続きは口に出すな・・・・・・。」
今までの倍であろう殺気が部屋の中を満たす。鬼帝のブローバック式の銃は戊流の握力によってグリップがミシミシ鳴り始めていた。
(ハ)「この至近距離で撃てば確実にその銃に俺の血が付着する。それで良いのか?」
(鬼)「・・・・・・黙れ・・・・・・。」
(ハ)「お前もバカだな。人を殺さぬよう、『その』銃を右に持って。左のホルダーに下げたリボルバー式の銃であったらすぐにでも俺を殺せたのになぁ。」
ハーディーと鬼帝のやりとりについて登、藍他内容が解らない状態だった。確かに、いつもは右手にリボルバー式の銃を左手にブローバック式の銃を持っているのに今日は逆であった。
(ハ)「その銃は『ゴスペル』。人殺しをしないと誓った拘束術に特化した部隊の人間である証拠。当然お前の持ち物では無いよな。お前は殺し専門だもんな。」
鬼帝の顔は依然と動じない事を装っているが、グリップと手の間には手汗があふれ出ていく。
(ハ)「その銃、ナナ・トゥリナッツァチの物だろ。そう、お前の実の姉の形見だもんなぁ。」
(鬼)「キッ・・・・・・。」
鬼帝は左のホルダーからいつものリボルバー式の銃を取り出し、ハーディーの心臓に銃口を当てた。
(鬼)「てめーは絶対にコロス。」
いつもの冷静な鬼帝はそこにはいなかった。修羅と化した鬼帝であった。
(ハ)「初めてだよ、君のその顔を見るのは。いい顔だ。・・・・・・だが、ダメだ。」
ハーディーの言葉が途切れたとき、鬼帝の腹にはハーディーの蹴りが入り後方へ飛ばされた。
(ハ)「それと先に・・・・・・。」
ハーディーは部屋にいた登、藍、坂本、ゴードンの腹部に一発ずつ撃った。
(ハ)「銃を構えた段階で頭蓋骨に風通しの良い穴が空くから気をつけてね。」
コレで心置きなく鬼帝を殺せられるといった面持ちだった。
ハーディーは鬼帝に近づき、持っていた銃を二丁とも部屋の端へ蹴り飛ばした。
(ハ)「とうとう、君とおさらばだ。長い月日だったと思うよ。地獄で待っていると良い。すぐに賑やかにしてあげるから。」
(鬼)「お前だけは・・・・・・。」
鬼帝がしゃべろうとしたとき、ハーディーは鬼帝の腹部に向かって発砲した。
(ハ)「もう、お話の時間は終わりだ。次は脳だ。一番あっさりいけると思うよ。」
ハーディーは銃を構え銃をリロードさせる。
(ハ)「さようなら、鬼帝戊流。」
「バキューン、バキューン」
次回、たぶん鬼帝が・・・・・・。