#035:偉い者の罪は明かされない限り闇の中
タワー最上階(ナレ:作)
坂本の拡声器からの声が終わったと同時に、銃声が鳴り響き始めた。下のエレベーターの扉よりゴードンがマシンガンで上階よりのぞき込んでいるSUTへ撃ちはなっていた。
上階にいたSUTも銃で応戦。しかし、なかなか坂本達へ当たらない。
(警庁長官)「なんで当たらんのだ!しっかり狙っているのか!?相手は今は二人なんだぞ!・・・・・・二人・・・・・・。」
その時、警庁長官がある事に気づく。
(警)『二人・・・・・・子供はいないのか?・・・・・・いやどこかにいるはず・・・・・・。』
警庁長官が思案しているとフロアの中の一つ扉が目に付く。下の階から続く階段。それはSUTのメンバーによって扉が溶接されている。
(警)「まさか・・・・・・。おい!今すぐエレベーターの扉からいったん離れて体勢を・・・・・・。」
警庁長官が言い終わる前にエレベーターの扉に向かって下の階から飛来する手のひらサイズで緑色の物体。
(警)「手榴弾だ!伏せろ!!!」
警庁長官の言葉と同時に爆発。
しかし、飛んで来たのは手榴弾では無く、煙幕弾。コレは坂本の得意な分野で有り、見た目はそのまま中身だけすげ替えるというものだ。
爆発した煙幕弾によりフロアがいったい煙に包まれる。
(警)「エレベーターから分散しろー!」
しかし、その声は遅かった。
煙の中で、息もだえる声が次々に聞こえる。そして、それと同じ数分人の倒れる音も聞こえる。視界が奪われ、聴力のみでしか周りの状況がつかめず不安がかき立てられていた。
そして、自分の後ろから聞こえてくる「ツカツカ」という足音。
(警)「速く換気をしろー!」
窓側にいたSUTの人間が窓を開け、エアコンの風の強さを強にして煙を排出する。
煙が少しずつ薄れていき、視界が開けたとき、そこには先ほどまでいたSUTの人間や警備の人間は跡形も無く消え去っており、大臣達は皆後ろ手で縛られ床に座らされていた。
(警)「嘘だろ・・・・・・。」
余りにもの早業に脂汗がにじみ出る警庁長官。
(法庁長官)「我々の縄を解いてくれ!」
法庁長官の声により大臣達の縄をほどこうと一歩足を踏み出そうとしたとき、後ろから冷たい物で警庁長官は襟をつつかれた。
(鬼帝戊流)「動くな。頭と体が引き裂かれるが良いのか?」
鬼帝が警庁長官のバックを取り、左手に持ったリボルバー式の銃を襟元に当てていた。
(鬼)「この銃は45口径。首に風穴開けれるぐらいの火薬だって詰まっている。首で息する事になっても良いのなら、動いてもかまわないが。」
警庁長官は銃口を突きつけられると知り、緊張の余り言葉を口にできず、口をパクパクさせている。
他の大臣達も警庁長官が銃口を突きつけられていると知り、先ほどまで「縄をほどけ」と言っていた口がふさがる。
警庁長官はとりあえず落ち着こうとした。息を整え、周りを確認。エレベーターの扉は開きっぱなし。そして、警庁長官の気づいた通り、溶接された階段の扉は開かれていた。
(警)「三人で襲撃か?」
コレがこの時警庁長官が聞ける精一杯の鬼帝に対する質問であった。
(鬼)「いや。そろそろ全員お出ましだ。」
鬼帝の言葉と同時に階段の扉からズルズルと人が入ってくる。
(法)「裏で賞金がかかっている賞金首ばっかりじゃないか。」
法庁長官の言葉にとらわれている大臣達は息をのむ。そして、大半の物が「死」という物をイメージする。中には生死の境とも言えるこの状況下で彼らが死に神に見えた者もいた。
その死に神の中の一人の坂本が前に出て言った。
(坂)「こちらの要求は、我々が安全にこの国で暮らす事を保証する事。それと、お前らが自分の口で記者会見において今までの罪を公表する事。」
坂本の言葉に「うぬっ」となる大臣達。しかし、国家大臣だけは押し切られなかった。
(国家大臣)「貴様らが我々の何を知っているというのか?はったりで脅しても意味が無いぞ。」
国家大臣の押しに対してため息をついた坂本は言い放った。
(坂)「まずこの場の全員には殺人教唆。あと個別に。警庁長官は殺人。法庁長官は個人の権限によって刑法の一部変更。出国庁長官は武器の密輸。国家大臣は総理代理と称して我々の抹殺に関する密書にサインした文書偽造。あと他には・・・・・・。」
坂本の口から次々に出てくる罪の数。大臣達の顔色がどんどん悪くなっていく。
(坂)「俺らに関する事はこのぐらいだけど、お前ら他にもやってきているだろ?汚れたケツで今の椅子に座っているのだろ?」
完全に大臣達はうなだれてしまっていた。
(警)「貴様ら、今から我々をどうするつもりだ。」
警庁の問いかけに坂本が答える。
(坂)「とりあえず、上にヘリ止めてるからそれで総理官邸に行きましょうや。神田総理に報告もありますし。その後で記者会見だ。」
(警)「やはり、神田総理もそちらの人間だったか。」
一部の望みをかけていた総理すら鬼帝達の人間と知りがっくりする。
(坂)「いや。神田総理は只のクライアントだ。お前らを掃除してくれと。」
大臣達は自分達が掃除しようとしたものに掃除されたのだとこの時知ったのだった。
ゴードンによって大臣達は屋上へ連れて行かれた。
(坂)「鬼帝気を抜くなよ。解っていると思うけど。」
タバコを再び吹かし始めた坂本が鬼帝に注意を促す。
それと同時に周りに緊張が走る。
皆の動きが無くなった頃、坂本のタバコから灰が落ちた。その時。
「カチャ」
(ハーディー)「久しぶり。ロイヤル・トゥリナッツァチ。それとも平和ボケした君には鬼帝戊流のほうがお似合いかな?」
次回はハーディーと鬼帝が・・・・・・。と言う事です。
うーむ。点々を××にすると腐の臭いがしてしまう。
注)そのような描写はありません。