#033:嵐の前の静まり
今日、なんか忘れているような・・・
更新だ!!
タワー最上階(ナレ:作)
先ほどのハーディーの暴露話から会話は途絶えていた。その静まりかえった空気の中に一本の連絡が入る。会議室内のSPの無線に入る。
(SP)「部屋の外の者からの連絡で、先ほど48階との連絡が途絶えたと。」
その言葉に驚く者はいなかった。ざわつく事も無く、ただ黙っていた。
しかし、そこに違う風を入れる者がいた。ハーディーだ。
(ハーディー)「皆さん、あきらめ顔なんてらしくないですよ。いつものバカな大声と威勢の良さはどこに行ったんですか?対策考えなくて良いんですか?首とられちゃいますよ?」
ハーディーはかなり挑発的に言った。字毛笑うように、にやけ顔でだ。その顔に、「自分は問題ない」と言った表情はもちろん含まれていた。
(警庁)「貴様の首も狙われているのだぞ。」
覇気は無いが低い声で脅そうと言う。しかし、ハーディーには関係なかった。
(ハ)「首なんてとれやしませんよ。そもそも、あいつらは俺に勝てない。普通の人間なら、戦友を手にかけるなんて最悪の気分かもしれない。だけど俺は違う。暗殺界で名をはせた奴らとやり合える。世界最強の暗殺者同士の殺し合い。背筋がぞくぞくする。最高にハイな気分だ。」
彼の狂気に唖然となる官僚達。世の中の血で血を洗う世界を目の当たりにしたかのようだ。
そして、窓へハーディーは寄っていく。
(ハ)「良い景色だ。人間の上に立つ腐った人間が好みそうな夜景だ。実にすばらしい。おっと、報道人も来ているようだな。」
ハーディーはその部屋にある大型モニターの画面に外部のニュースを映し出した。
「現在、この政府タワーの1階から49階までのすべての階が消灯しております。通常であれば一晩中ほぼすべての部屋が付いているこの政府タワーでいったい何がおきているのでしょうか?」
女のレポーターが政府タワーをバックにレポートを続ける。
(ハ)「なんとも、つまらないレポートだ。中に乗り込む人間とかいたらおもしろいのに。まぁ、平和な日本でそれを望む事が間違っているか。」
ため息交じりにつぶやくハーディー。でも、どこかうれしそうでもある。
(ハ)「だが、予想通りのレポートで良かったよ。危うくコレの出番が無くなるところだったからね。」
ポケットからおもむろに携帯を取り出す。その行動にいち早く疑問をぶつけたのは法庁長官だった。
(法庁)「それでいったい何をするつもりだ?」
その問に待ってましたと言わんばかりにハーディーは応じる。
(ハ)「言い質問だ。だが、その答えは時期にわかる。まぁ、見てな。」
電話番号を打ち、発信する。
それにワンテンポ遅れてだった。
「ドーン!!!」
先ほどレポーターを映し出していたTV画面が大きく乱れる。
そして、そこに写ったのは燃え上がるTVスタッフの乗用車だった。
(警)「貴様、さっきの発信で爆破したとでも言うのか?」
(ハ)「花火が上がった方がTVを見ている人たちだって楽しいでしょ?」
警庁長官の少し怒鳴りつける質問にハーディーはしれっと答えた。
(ハ)「あと、なんで皆さんヘリで逃げないのかな?まぁ、事情はそれぞれ知っているけれども。ばらされたくないんでしょ?あの件について。」
タワー49階
こちらでは、最上階に上がるための準備をしていた。
(坂本麺)「おやおや、敵さんも過激な事をする。階段は扉を溶接、エレベーターはロープをぶった切る、えげつないねぇ。」
無謀なやり方に半分あきれ顔の坂本。
(ゴードン)「溶接なんぞはぶっ壊せば良い。そもそも、階段じゃ無くて天井ぶち抜けば良いだろう。ワハハハハ。」
豪快なやり方に苦笑いの他多数。
(登暁星)「ゴードンさん、怪我人出さないのが今回の目標なんですから。」
(藍香)「昔と変わってないところは良いところなんですけどね。」
困った人なのは昔からだと口々に。
(ゴ)「それで、どうするんだサカモト。」
(坂)「戊流に任そうかな。」
振られる鬼帝。そして、淡々と答える。
(鬼帝戊流)「揺動エレベーターに二人、本体は階段で三人が良いと。」
その答えに、納得したようにポケットから取り出したタバコに火をつけた。
(坂)「そうと決まれば、やりますか。」
次回!
いよいよ、鬼帝とハーディーの2回目のご対面です。
たぶん。