#031:ブラックアウトが始まりの合図
毎回、間際になって書き出す作者。
タワー最上階(ナレ:作)
現在、タワー最上階にただ一つある会議室に、法庁や警庁の幹部から政府組織の大臣までの10人とSPや警備等が100人体勢で構えていた。当然、最上階だけではなく各階にも人員は配置しており、総勢2000人と言ったところである。此処まで、用意しているにもかかわらず、そわそわしている状態だった。
(国家大臣)「ハーディー君。ホントに今日奴らが来るのかね?」
一番最初にこのそわそわして落ち着かない空間に空気を入れたのは国家大臣であった。
(ハーディー)「当然です。今日以外考えられない。それに、警庁のおっさんはそれが解っているみたいで、さっきから震えっぱなしじゃぁないですか。」
と、ハーディーの言葉にその会場にいた全員の視線が警庁長官に集まる。顔色は悪く、何かに対して拒絶しているのだが、それを心の中で押さえようと必死という状態だった。
(警庁)「なんだこれは・・・胸騒ぎしかしない・・・。ええぃ!!特殊部隊は来ないのか?!!」
皆、この部屋に入ってから24時間以上経つ。いつも、余り拘束されていない人間にとっては過酷でしか無い。
(ハ)「特殊部隊は来ませんよ。本日は総理官邸の方へ総理の裏護衛の任務に付いている。それに、もし此処で護衛任務させたら一瞬であなたたちの首はとぶと思いますけどね。」
ハーディーの言葉に数人が首をかしげる。
(法庁)「それはどういう事かね?」
法庁長官の顔はかなり不機嫌だ。オールバックにし、年老いて薄くなった額の皮膚より血管が浮いて見えるので、なお機嫌が悪く見えてしまう。
(ハ)「あの部隊はいつにできたか知っていますか?5年前です。ちなみに6年前に何がおきたか知っていますか?」
ハーディーの質問に一人答える人がいた。
(警)「要人の大量虐殺・・・。それも、表面は体裁を整えているが裏では幅をきかせている奴ばかりがやられた事件・・・。噂によると、ロシアの私軍がやったことだとか。」
(ハ)「おしい。実におしい。最後の部分は蛇足だった。ちなみにロシアの私軍ではなく、旧ソの第00部隊だ。だが、旧ソ解体後、奴らは現在のロシアと上手くやっていけず、軍より分離。それが世に聞くジョーカーだ。その中でも選りすぐりの暗殺人で構成されたのが、KILLERSで6年前に作られた。」
その時、何かを思い出したように法庁長官は言い放った。
(法)「思い出した!!当時、警庁の長官だった人がその話を聞いて作ったのがあの特殊部隊だと聞いたことがある。」
法庁の言葉にやや不満を持ちつつハーディーは応える。
(ハ)「それも若干事実とずれている。聞いて作ったのでは無い。元々計画されて作られていた。あのときの警庁長官はジョーカー側の人間だ。」
この部屋にいた一同がその言葉に動揺が隠せなかった。特に、特殊部隊を作った時の警庁長官は犯罪件数の低下に一番尽力を尽くした人だったからである。そんな人が何故、ジョーカー側の人間なのか、疑問に思う人もいた。
そんな中、ハーディーのやりとりを静に聞いていた国務大臣が口を開いた。
(国)「だが、いっこうに呼んではならない理由が見えてこないのだが。」
それに対して、ハーディーはにやけながら応えた。
(ハ)「簡単なことです。奴らの頭の中には、ここにいる面々を何かの理由につけて殺しても言いと言うことになっています。それに加え、奴らの中に何人かKILLERSのメンバーが入っているようで。」
この言葉に警庁他10名は頭を抱えた。
(ハ)「あと、そろそろ来ますよ、たぶん一階から順次部屋の明かりが消えていくと思うので、その消えていく階にあいつらはいると思うので。」
タワー5階
(警備1)「おい!新人!何端でうずくまっているんだよ。」
このタワーにいる警備の人間は自衛隊以上の能力を有する人材によって構成されている。かなり過酷な訓練を積んできたモノばかりで、皆屈強な姿だ。
(警備新人)「すいません。昼に食べた弁当が少し逝っていたみたいなので、胃腸薬の制ス丸もらえますか?」
このおなかを壊したと言ってる新人も見た目は他のモノと同等もしくはそれ以上と言った腕っ節の太い大きなガタイの人間だった。
(1)「おいおい、見た目だけは辞めてくれ。」
そう言って、ポケットより制ス丸を取り出した。
その時だった。
「バツン・・・・・・」
一階の電気が消え、先ほどまで続いていた五分おきの一階との定時連絡が途絶えたのは。
次回、最上階までたどり着く予定です。