#022:おにぎりころころ・・・谷間にはまってさあ大変
熱い、熱い、熱い。
この小説最近熱くていらいらする。
(↑作者が言う言葉じゃ無いよね。笑)
昼食(ナレ:作)
本日のお昼は由井と由里による特製重箱弁当だった。ここに由来が含まれないのは、由来をキッチンに立たせれば必ず流血事件が起こるからである。別に料理の味レベルはなかなかの物であるが、由来は必ず包丁で指を切る。どんな料理でもだ。そのため由来の作った料理は大抵赤く染まっている。元々、赤い料理であればあまり問題ないのだが、有名な例で由来はシチューを作ろうとして、味はシチューで見た目がトマトのポトフという何とも奇妙な料理を作ってしまった。そして、キッチンは殺人事件現場のようになっていたという。このことがあって、今回は弁当を作らなかった。正確には由井や由里に作らせてもらえなかったのだが。
(井練由里)「ジャンジャジャーン!!!由里お姉さん特製弁当よ!!!」
由里はそう言い、海辺の近くの木陰に引いた青い大きなシートの上へ弁当を広げる。
(井練由井)「姉さんだけじゃ無いでしょ!私もやったでしょ!」
由井は由里の発言に対して訂正を言う。朝からの姉妹による痴話げんかに、皆、慣れてしまっていた。そのため、誰も止めない。
ということで、由来が皆へ取り皿の上に各の希望の物を乗せて渡している。本日の弁当の中身は鮭、梅、昆布、おかかの各種おにぎりと卵焼き、ウインナー、マッシュポテトとなっている。
(井練由来)「戊流クン、何がいい?」
由来が鬼帝の希望を聞く。
(鬼帝戊流)「それじゃあ、鮭とおかかと卵焼きで。」
由来が手際よく取り分ける。彼女もこの程度であれば問題なくこなす。
(来)「戊流クン、どうぞ。」
由来が両手で紙皿を持ち、戊流の前へだす。
(鬼)「ありがとう、ございます。」
戊流が受け取った。そのとき、唐突に横から由里が叫んだ。
(里)「あー!由来が戊流とデレデレしている!昼は私の時間よ!」
ずいっと、戊流と由来の間に割り込む。ここで、黙っているはずが無いのが由井である。
(井)「ちょっと、由里お姉ちゃん!昼の昼食は誰の時間でも無いよ!由里お姉ちゃんは午後の前半でしょ!」
ずいっと、由里の隣に由井も割り込む。この後もしばらく口論が続いた。
一方で登と藍は普通に話しながら食べている。午後は何をするかについて話していた。うらやましい奴らめ。何?作者がキャラクターに嫉妬するなって?ならこいつらの現状を見よ!
(藍香)「あ・な・た。口開けて、あーん。」
藍は卵焼きを箸でつかんで登の口元に運んでいた。
(登暁星)「皆いる中でやるのはダメだろ。」
顔が赤くなっている登。拒否しつつもうれしい感情が前へ前へ押し出てきている。
(藍)「言うこと聞かないと・・・」
藍が一度箸でつかんでいた卵焼きを口にくわえる。登は何をするのか解らなく頭に「?」を増産していく。
(藍)「えいっ!」
次の瞬間、藍は登の口に両方の手の指を突っ込み、口をこじ開けて、口移しで登に卵焼きを食べさせたのである。
(登)「・・・。」
当然、人前でキスとか抱きつき等を拒否する登にとって口移しはやりたくないこと。みるみるうちに顔が真っ赤になっていく。
そして、倒れた。
病名:熱チュー症
その後、パラソルの下で藍に膝枕をしてもらいながら、しばらく休んだと言う。
うらやましい限りだろ。読者よ。
さて、このとき武田と佐藤は黙々と弁当を食べていた。大食い王もびっくりなぐらいに。
午後
さて、午後。武田と佐藤はまた午前中と同じように武田はナンパ、佐藤はそれを止める役、と言う形で浜辺を歩いて行った。ただ、午前と違って、佐藤のシバキにキレが無くなっていた。武田の話について深く考えていたからだ。また、登と藍はお昼寝中。登は藍に膝枕をしてもらっている。しかし、登は昼に倒れて以降、目を覚ましていないので、自分が人前で膝枕してもらっているという事実を知らない。
ではでは、戊流の方。午後の前半は由里と一緒に過ごすこととなっていた。
ROUND1:競泳
何でこんな書き方だって?なぜなら、そう書きたかったからだ。
それはさておき、由里は基本的に、運動は得意な方である。と言うわけで、由里は戊流に試合を申し込む。
(里)「戊流!あそこの岩まで速く泳いでいった方の勝ちね!私がかったら戊流に抱きつくから!」
そう、言った束の間、由里は早速泳ぎだした。
(鬼)「これは試合だから、勝たねば。」
戊流も遅れてスタートする。
泳ぎだしは両者好調。ただ、由里が速く泳ぎだした分5メートルほど前に出ている。一方戊流は、現在は普通に泳いでいる。
さて、レースも中盤後50メーターの地点にやってきた。
おっと、ここで鬼帝は潜水を始めた。速い。潜水によってスピードがどんどん増していく。それから逃れようとする、由里。
ここで、抜かれたー!戊流が由里を離していく。
その時だった。由里が待ってましたと言うような顔で、戊流の上の水面に移動する。次の瞬間、戊流に由里が後ろから抱きついた。それだけにとどまらず、前方へ移動して戊流に抱きつく由里。少しばかし何が起きたのか判断するのに時間がかかった戊流。
そして、結末は・・・由里が戊流を気絶させて、勝つという物だった。気絶させた方法は、ただ、戊流の顔を由里は自分の胸に力強く押し当てるという方法だった。
(よい子の皆はまねしないでね。)
WINNER:井練由里
ROUND2:浜辺(飲料水)
気絶から復活した鬼帝。しかし、由里の攻撃に抜かりは無い。
(里)「戊流ー!ハイ、ジュース。」
気絶開けと言うこととあって、スポーツ飲料を由里は鬼帝へ渡す。
(鬼)「ありがとうございます。」
受け取った缶のプルタブを開け、手飲み始めた。ゴクゴクと喉が鳴っているのをしっかり確認した由里は次の瞬間、トンデモ発言をする。
(里)「お姉さんの胸はどうだった?」
「ブシューーー!」
この発言には鬼帝もたじたじ。勢いよく口から吐き出してしまった。
(鬼)「ケホッ!ケホッ!由里さんなんて事を・・・。」
鬼帝は喉が落ち着くと今度はさっきの由里の発言を思い出して、みるみるうちに真っ赤になっていく。そして、この日の気温もかなり高いと言うことといくら鍛えている鬼帝と言ってもそこは中学生、耐えられないことも有り・・・倒れた。
WINNER:井練由里
FINARROUND:浜辺(休憩)
次に目を覚ましたのは、もう由来と交代する少し前の時だった。
(鬼)「ふぁ・・・。」
目を覚ませば横には由里が座っていた。
(里)「目が覚めた?戊流って結構ウブなんだね。」
海を眺めながら由里は鬼帝に話しかけた。
(鬼)「俺たちは、こういうことを今まで意識しなかった。今まで、生死の瀬戸際でいつも最善の策と敵の気配に全神経を注ぎ込んでいたから、こういうのは初めてで・・・。」
鬼帝の過去を掘り返せば今までにこのような経験があったためしがない。これは、ほかのKILLERSメンバーにも言えることである。(例外:登と藍)
鬼帝にとってこの時間帯はひたすら困惑していた時間帯である。しかしながら、こんな事をしていられるのもここだけだ、と思いつつ少々感慨にふけっていた。
すると、由里が突然鬼帝に横から抱きついた。優しさと不安に満ちた手が鬼帝を包む。
(里)「あなたの裏の仕事について聞いて良い?」
由里の体は少し震えている。だが、目を合わせてみれば、その目は覚悟に満ちていた。彼女の真剣なまなざしに負けてしまった鬼帝は語り出す。
(鬼)「俺らはただの殺し屋です。それも、元ソ連軍の傘下の殺し屋です。きれい事なんてありません。ただ、ターゲットの人物を殺していくだけです。そのための犠牲は何でも払いました。ターゲットの人物もいろいろです。大人から子供まで。自分よりも年下の人間だって殺しました。」
由里は目をそらさず真剣に聞いていた。だが、体は正直な物。自然と震えだしていた。何度も何度も震えも止めようと力を入れたりするもの、震えはやまない。
それに気づいた鬼帝は話し出す。
(鬼)「今日はこの辺にしておきましょう。」
鬼帝はそう言って、由里の頭を自分の胸に抱え込む。
(里)「うん・・・。ありがとう・・・。」
由里が目尻を下げて鬼帝と向き合う。
しかし、これも闘いであった。
(里)「水着の紐がとれちゃった。」
フリーズする鬼帝。
「ぶしゅーーー!」
盛大な勢いで鬼帝は鼻血を出していた。
WINNER:井練由里
と言うことで、#022でした。次回は、そこそこ人気が出るはずの由来さんです。これは、糖度15%越えで行きたいと思います。