#018:喫茶店は学生にとって一番の社会学習の場
投稿する暇を私に下さい。
生徒会室(ナレ:佐)
本日は生徒会室で来たる「道前夏の陣」、いわゆる夏の体育祭についての話し合いだった。体育祭と言っても正式な体育祭は秋にあるため、プール等を使った軽い物である。しかし、これは表場の姿。実は裏ではいろいろな権力争い等があり、特に同じ学年の他クラスとは攻防が激しい。そして、この道前夏の陣が初めの大会であるため、全員ピリピリしているのである。
(武)「つーことで、今回はトライアスロンをしようと思う。」
(濱)「ルートはどうやって確保するの?」
(久)「校内のルートで十分足ります。」
(岡)「経費はどこ持ちですかぁ?」
まあ、こんな感じで話し合いが進められているわけだ。だが、ここに一人だけ来ていない者がいる。何も連絡がないのが心配ではある。
喫茶店RedMoon(ナレ:井)
本日より新装開店!!ほこりだらけであった店もぴかぴかになった。
そして開店。まずまずのにぎわいだった。
(里)「戊流。悪いねぇ。手伝ってもらって。」
(井)「由来姉さん。モカ三つ、カプチーノ四つ。」
(来)「これを五番テーブルにお願い。」
(鬼)「わかりました。」
戊流には生徒会を休んで手伝ってもらっている。本当は大丈夫だと思っていたんだけど、あまりにもたくさんお客さんが来て、人手不足。そこで手伝ってもらっている。四人ともおそろいのエプロンをして、由来姉さんと由里姉さんはカウンターでコーヒーとかを作ったりコップを洗ったりするのを交互にしていて、私と戊流はウエーター。
(鬼)「外、列が出来てますよ。」
(里)「稼ぎ時、稼ぎ時!」
(井)「次の方どうぞ。」
(登)「どう?順調?」
(藍)「ここが、日本の喫茶店ですかぁ。」
登さんと藍さんであった。二人はカウンター席に座った。
(登)「街で相当噂になってたよ。」
(藍)「美人がいる喫茶店って言われてましたよ。」
(鬼)「だから、列が出来ていたのかぁ。」
戊流は納得した顔であった。
すると、由里姉さんがこちらに気付き、声を掛けた。
(里)「二人とも由井達のお知り合い?」
(登)「クラスメイトです。」
(来)「由井、戊流。カウンターの方をやって。話しをしていて良いから。」
(鬼)(井)「はーい。」
そう言って、お姉ちゃん達はウエーターの仕事を私たちと変わった。
(登)「なんか、佐藤さん怒っていましたよ。鬼帝が無断でいなくなったって。」
(鬼)「後で大変なことになるかも・・・」
(藍)「そう言えば、さっきの美人のお二方は?」
(井)「私のいとこで、井練由里と井練由来です。」
(登)「戊流。見分けがつけれる?」
(鬼)「とりあえず、二人の違いは見つかった。簡単に、耳たぶにあるほくろの場所が違う。右にあるのが由里さんで、左にあるのが由来さん。」
(藍)「かなり観察してますねぇ。」
(鬼)「昔の職業柄場しょうがないことぐらい知ってるでしょう。」
その後、閉店までお客さんはたくさん入っていた。
夜
閉店した後、床を掃除して一段落入れることにした。カウンター席に四人が座っている。
(井)「今日はありがとう。戊流!」
(鬼)「どういたしまして。」
(来)「本当に助かりました。バイト代は出しますので。」
由来姉さんが立とうとしたときに、戊流が呼び止めた。
(鬼)「かまいません。好きでやったことですし。」
(来)「しかし・・・」
(里)「良いんじゃない。いらないって言ってるんだし。でも、それ以外のことで私たちに頼めることがあるなら、言ってほしいな。」
戊流は少し考えた後、少し表情を軟らかくして答えた。
(鬼)「この、コーヒーをタダで毎朝、飲ませてください。代わりに、暇があればお手伝いしますので。」
戊流が言ったことを聞いて、毎日来てくれると大はしゃぎしていた。
(里)「義理難い所は好きだなぁ。私も戊流の彼女になろうかなぁ。」
(来)「私も・・・」
(井)「ダメー!!戊流は私のだから。」
そんな雑談をしていると、ふと思い出した。
(井)「戊流。今度、海に行かない?来週から、夏休みだし。」
(鬼)「メンバーは?」
(井)「彩と藍さん、ドンちゃんで行こうよう。」
(来)「保護者がいないと危ないよ。」
過保護ですって。もう大丈夫ですから。
(里)「私たちが行ってあげる。」
(井)「お店どうするの?」
(里)「一日ぐらい閉めていても大丈夫だよ。それに、海で男の子と一緒なんて、一人だけずるいぞおー。私たちにも男をよこせーー。」
やっぱり、戊流目当てなんだ・・・。
(井)「戊流じゃなくても良いでしょ!!」
すると、由来お姉ちゃんが顔を赤くして言った。
(来)「私は戊流の方が良いな。」
頭から煙が出ている。
(里)「おやー。いつも、内気な由来がここまで言うとは。と、言うことでさぁ、私たちも戊流と一緒に海に行きたいから良いでしょ?」
(井)「う~~~~ん・・・・」
その時、黙っていた戊流が話し出した。
(鬼)「由井。我々はまだ中学生であるから、その方が賢明だ。」
(里)「ほらほら、戊流もこう言っている事だし。」
長い沈黙の後、深呼吸してから話した。
(井)「わかった。いいよ!ただし、戊流に変なことをしないように。」
(里)「そうと決まればどこに行くか考えないと。それと私たち二人にも戊流を貸してよ。」
(鬼)「僕はものですかぁ!」
こんなに楽しい夜が最近続いていることは予想にもしていなかった。神様が私たちを引き合わせてくれたのかなぁ。
もし、もう一つ願いを叶えてくださるなら、この時間がずーっと続くように。
最近、忙しくて投稿できません。そこで、来週もお休みかもしれませんが、あしからず。さて、次回は道前夏の陣についてだと思う。お楽しみに。また、感想等待ち受けて、いまーす。