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双銃  作者: 天照 暁
14/39

#014:夜風の音は物寂しい

睡眠時間が四時間切りました。

某廃墟内(ナレ:作)

暗い廊下を進んでいく。

(鬼)「やけに何もいないなあ。」

(井)「ホントに誰もいない。」

すると、登が叫んだ。

(登)「そこだ!!」

足下に落ちていた石を拾い暗闇の中に投げた。するとばさりという音がした。

(鬼)「見張りだな。」

落ちてきた見張りは意識を失っていた。


奥の広場へと進んだ。すると囲まれたらしい。

(?)「おいでなすったーー!」

(?)「これで人を殺せれる!!」

ざっと、十人武器を持つ悪人面がならでいた。

(鬼)「死ね。」

低く静で重い声で言った。

「バキューンバキューン・・・・・」

鬼帝はマガジンを取り替える事無く、つまり一発も外さずに全員をやったのであった。

増悪の念のこもったその顔は不動明王のごとく怒りに満ちていた。


廊下を進むに連れて、待ち伏せていたのが出てくるが虫のごとく消していった。

(鬼)「本的は暁星に任せる。」

(登)「だから他をやらせろでしょ?」

(鬼)「ああ。」

佐藤と井練はただ後ろをついて行くのみ。

(佐)「やすみなよ。体が重そう。」

まだ、二人ともダメージが残っていた。しかしそんなことを言っている暇はない。

(鬼)「時間がない。」

そう言い、鬼帝と登は先を歩く。

(鬼)「言い忘れてたが、由井も佐藤も俺らの顔を見ない方が良い。」

(登)「ひどい顔だから。」


広場の先を進むと、目の前には扉があった。

我慢しきれずに登が蹴り開けた。

「バコーン」

奥にはいつもの美しい藍ではなく、衰弱した藍がいた。四人とも駆け寄る。

(登)「生きてるか?返事しろ!!」

目をつぶっていた藍が目を覚ます。

(藍)「ドンちゃん・・・。これ・・・罠・・・。」

そう言い、また眠りの中へ藍は入っていった。

登の目つきが変わる。いつもの優しい糸目から、目を見開き、鉄のように冷たい機械のような瞳をあらわにした。

(登)「戊流、やっぱりあれ使うよ。」

(鬼)「そこに隠れているやつにやってやれ。」

入ってきた扉とは別の扉から、男が出てきた。

(カ)「君らが何が出来る?」

(鬼)「ハーディーの雇い主か!!」

(登)「あいつは金があればどちらにも付くからなぁ。」

(カ)「さて、賞金首が三人。笑いが止まらんわ。」

(佐)「この人って、メキシカンマフィアのセカンド。」

(鬼)「その通りだ。カゴン・メシア。国際手配を受けている賞金8000万ドルの男だ。」

(登)「CIAもFBIも手を焼いてる。」

(カ)「まあ、どのみちお前らは死ぬのだからな!!」

カゴンが銃を手に取る。すかさず、鬼帝は佐藤と井練を登は藍を抱えて壁に隠れる。

「バキューン」

(カ)「隠れても無駄だ。」

壁のところで鬼帝と登は話す。

(登)「シャンを頼む。」

(鬼)「銃だけを弾く。あとは任せる。」

鬼帝は左手の銃でカゴンの銃を狙った。

「バキューン」

(カ)「くそーー!!あいつらめ。」

壁の中から、登が出る。

(登)「カゴン。今から死ぬ人のみ見られる物を見せてやる。」

(カ)「貴様の師、莉撰帝リ・センテイはわしが素手でやったのだから貴様が勝てるはず無かろう。」

壁の影で鬼帝らはその会話を見ていた。

(井)「登さんの蹴りが上手いのは藍さんから教わったからでしょ。でも殴った方が強そうだけどなぁ。何で殴らないの?」

(鬼)「正確には藍は登に教わった。そして、殴らないんじゃあない。腕を使いたくないんだ。」

(佐)「どういう事?」

(鬼)「それはあいつが今からすることを見れば解る。そして、鋼鉄の異名も。」

再び、登とカゴンの会話。

(登)「あんたは完全に二つ勘違いしている。一つは、我が師は病気で弱っていたこと。もう一つは、今からするのは蹴りではない。」

(カ)「貴様まさか!!」

(登)「そうさ。禁拳・・・八卦急所拳はもう習得した。」

(カ)「貴様、わしが探していた物を!!」

(登)「先には見つけていない。第一、莉撰帝の拳法書は存在しない。我が師の拳法は自然の導きから出来る物だ!!」

(カ)「知るかーーー!!」

カゴンが動いた。殴りにかかる。

それを見るやいなや、登は両手を前後に出し太極図を足のつま先で書いた。

(カ)「くだらん事が命取りだと言うことも知らんのか!!」

あたりそうになった瞬間、登はカゴンの突き出した拳の方向を前に出した右手でそらし、左手でみぞおちを突いた。

(カ)「ぐは!!」

一度、後ろへカゴンは下がる。

(登)「八卦急所拳は己の腕、指先を鋼のように固くすることから修行が始まる。」

(カ)「わしの前では意味をなさん!!」

(登)「今突いたのは、内蔵に最も負荷のかかる場所だ。そしてこの腕は人体なら貫通する。」

(カ)「でたらめを!!」

(登)「あんたは運が良い。銃の弾でなく、この技で死ねるのだから。」

カゴンはしゃべりかけるが、もう関係なかった。人体の各急所点を確実に登は突く。

(カ)「うわぁぁぁあっぁあぁぁあぁ!!!!」

体の至る所から出血していた。

壁の影で鬼帝がしゃべっていた。

(鬼)「あいつは、昔あの技で多くの人を死なせたことから、あの技を封印した。」

(井)「まるで鋼の刃・・・。」

(佐)「あの細い身で・・・。」

(鬼)「そして、あいつの痛点はほとんど人体実験で消された。だからあんな事が出来る。」

その時、藍が意識を取り戻した。

(藍)「皆さん・・・・。」

(佐)「藍さん!!」

(井)「体大丈夫ですか!?」

それに気付き、登も元の糸目に戻って近寄り藍の横で膝を突き、寝ている藍に顔を近寄せる。。

(登)「昔の約束破ってしまった。あのとき助けられなかった。シャン、ごめん。」

すると、弱々しくも藍は戸の首に腕を回す。

(藍)「あなたが生きていてくれるだけで良い。約束なんて良い。これだけで十分。」

(登)「ホントにすまん・・・・。」

今聞こえるのは二人の泣き声と風邪の音のみ。

救出できました。登の見せ場が書けて良かったです。さて次回は藍さんを慰める登のお話。甘めです。

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