#013:言うこと聞かないのは人間の性
シリアス編は書くと心も暗くなる。
恵出伊病院(ナレ:井)
私は認めたくなかった。あの戊流が・・・。佐藤と病院の廊下を走る。
病室が近づくに連れ涙がこみ上げてくる。
病室の前に立ち、思いっきり戸を開けた。
「ガラガラガラガラ」
(井)「戊流!!」
そこには、点滴を打つ戊流と登が寝ていて、そして横に白衣を着たエディさんがいた。
(エ)「久しぶり。」
(佐)「なぜあなたが?」
(エ)「言わなかったっけ?武器商だけじゃあこの日本では生きていけないから医師もやってるって。」
(井)「それより、容態は?」
(エ)「とりあえず命に別状無し。さすが元キラーズメンバーだよ。傷も急所じゃない。」
(佐)「じゃあ大丈夫なんですね?」
(エ)「ああ。だが、三日は動くなと言っといてくれ。絶対、傷が治るまでに動き出すから。」
(井)「はい。」
(佐)「藍さんは?」
すると、急にエディさんの顔が暗くなった。
(エ)「私が駆けつけたときにはもう居なかった。」
(佐)「まさか、連れ去られた?」
(エ)「可能性がある。この二人にはさっさと起きてもらわないと。」
そう言い、エディさんは病室から出て行った。
(佐)「由井。良かったじゃん。あーー、ジュース買ってくるね。」
私を励ますために、佐藤はそんなことを言って、エディさんの後に続いて出て行った。
すると戊流が起きた。
(井)「戊流!!」
思わず、目の中にたまっていた涙を流しながら抱きついた。
(鬼)「すまない。俺がふがいないばっかりに。」
(井)「とりあえず生きていてくれてありがとう。」
(鬼)「だが、シャンを連れ去られた。一番、暁星の方が苦しいだろう。」
そう言い、戊流は登に目を向けた。
(井)「これからどうするの?」
(鬼)「絶対三日は動くなとエディに伝えてくれと言われたかもしれないが動くよ。」
(井)「私も行く。」
真剣なまなざしで見つめた。
(鬼)「・・・・来るなと言っても来るなぁ。その顔じゃあ。」
(佐)「私も行かせてもらうよ。」
ジュースを持った佐藤がそこにいた。
(鬼)「しょうがないな。」
(登)「当の本人おいていくかい?」
登も起きてきた。
(鬼)「後で説教だな。」
(登)「まあ、嫌だけど。」
二人は立ち上がり、点滴を外して服を着替えた。
そして、私たちは病院を飛び出した。
(エ)「昔と変わらないかぁ。」
車内(ナレ:鬼)
病院を出ると同時にコールの車を呼んでそこへ乗った。
そして、シャンの救難信号を頼りに某廃墟へ向かっていた。
(鬼)「今回はシャンの救出だ。必要な武器はもう乗せてある。井練と佐藤は無線とマシンガンだ。」
(佐)「引き金は引かなくても良いよねぇ。」
(鬼)「引かなくて良い。ただ、持っているだけで大丈夫だ。犯罪者にお前ら二人を成らせはしない。」
(井)「登は何使うの?」
(鬼)「こいつにはラ・・」
(登)「いや、何もいらない。素手でやる。」
(鬼)「まさかやるのか?」
(登)「封印したが今回は仕方ない。」
(井)「何するの?」
(鬼)「それは、言うよりも見た方が早い。」
(コ)「つきましたぞ。」
そこは、古びれた工場跡地だった。
(鬼)「行くか。」
廃墟内(ナレ:藍)
意識がなくなって次に見たのはこの月明かりが少しさす天井。
足と手には枷がはめられていて動けない。
(藍)「暁星・・・。」
するとそこにハーディーと見知らぬ男がいた。
(ハ)「お目覚めかな?」
(男)「これが賞金首でもとキラーズメンバーかぁ。金儲けだ。」
(藍)「私をどうする?」
(ハ)「餌だよ。この救難信号、スイッチ入れさせてもらったから。」
ハーディーは救難信号発生装置を持っていた。
(男)「これでまた、金が入る。あははははは!!!!!」
その時、絶望という物を初めて知った。そしてまた私は意識を失った。
(ハ)「また意識失った。」
(男)「貴様もいずれわしがやってやるからな。」
(ハ)「カゴンさんあまり見くびりすぎると痛い目合いますよ。」
(カ)「そんな物知るか!はははははは!!!」
今回、キラーズメンバーは賞金首であることが判明しましたね。はたしてこの後どうなるのか。次回は、乗り込みます。