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異世界という名のゲーム攻略  作者: 山羊執事
第一章 異世界新生活
9/12

第八話 宿屋

そんなこんなで市場で買い物をし、既に両手が塞がって前も見えなくなっていた。


「んー・・・はぁ」


背伸びをしてご満悦なシャミアさん。


「やっぱり市場での買い物は、最高ね♪」


「はぁそうッスね」


適当に話を会わせる俺。


まぁ何はともあれ、目的地でもある宿屋が 見えてきた。


厳密には、荷物が多くて前が見えてないのだけれど。


「さぁハルカ、彼処が私たちの泊まっている宿よ」


俺の視界を遮っていた荷物を持ってくれるシャミアさん。


そして、視界に入ってきたのは木造の大きな建物。


「おぉ~!でっけぇー!」


高い位置に看板が下げられている。


看板には、エンゼルランプと書かれているらしい。


「さぁ入るわよ、ここの女将さんは、スッゴク優しいのよ♪」


そう言って扉に手をかけた瞬間。


バゴーンッッ!!と宿屋から一人の男が飛び出てきた。


いや、飛び出たと言うか、投げ飛ばされた、かな?


突然の出来事に呆然と突っ立っていると、店の中から一人の女性がゆっくりと出て来る。


「あんたねぇまた、食事代が払えないってどういう事だい?」


指を鳴らしながら出てきたのは、ショートカットの女性が一人。


「女将さん、ただいま♪」


「・・・」


その女性に対しシャミアさんとカルデンが挨拶をする。


カルデンは、頭下げただけだけど。


「ん?あら、お帰り魔導師さん、おや?新しい人かい?それなら、今、手離せないからリアに相手してもらって」


そう言うと女将さんらしい女性は、先ほど飛んできた男性にまたがり更に拳を振り下ろし始めた。


「コレで何度目か分かってんのかいッ!?」


「ヒィィッ!す、すみませんッ!!」


「すみませんじゃないよッ!あんた今までの付け全額払うまで返さないからね?」


女将さんは、笑顔を見せる、、、が。

笑ってない、目が笑ってない。


「・・・エンジェル?ってか悪魔じゃね?」


恐ろしいな。

取り敢えず一礼して店に入る。


店の中では、この光景も一つの楽しみのようで。


「良いぞぉー!女将さん!」


「えぐるようにもっと深く行けぇー!」


「どぉーしたッ!逃げるだけかぁ!?」


「男なら根性見せろぉッ!」


女将さんには、声援が。

男の方には、ヤジが飛ばされていた。


「賑やかッスね・・・(笑)」


半笑いで店の奥へ進む、すると。


「はいはーい!シャルさん御一行様お帰り~!」


若い女性が駆け寄ってきた。

まぁ十中八九この子が娘さんだろう。


「ただいまリア、お店の手伝い頑張ってるみたいね」


「まぁーねぇん♪そうそう、シャルさん新しい人ってどんな・・・ん?」


どうやら、シャルと言うのは、シャミアさんの愛称のようだ。


話の途中で俺と目が合う。


するとみるみる瞳が輝きだした。


「!・・・もしかして君が、新しい人?」


ずずいっと顔を近づけてくる。


「可愛い娘ね!名前は?」


興味津々といったとこか。


「えぇーっと、ハルカって言います」


「ハルカ!可愛い名前♪私は、リニア!皆からはリアって呼ばれてます!、よろしくネ♪」


俺の手を掴んで縦に勢いよく振る。


「貴女とは、良いお友達になれる気がするの!」


そして最後に、満面の笑顔。


俺じゃなければ勘違いしているかもな。


「お、おぉふ、友達///・・・あーっと、此方こそよろしく?」


「・・・」


笑顔のまま動かなくなる。


「?あの、リア?」


「えっ?あっ!えぇーっとハルカって男みたいな喋り方なんだね?可愛いのに勿体無いよ!」


「はは、ご忠告どうも、でも問題ないよ?俺男だし」


「えっ?・・男?」


今度は、口を開けたまま動かなくなる。


「・・・嘘だ・・こんな可愛いのにッ!?」


リアが膝から崩れ落ちた。


どんだけショックなんだよ。


「えぇ残念ながら・・・ね」


リアの驚きに肯定するシャミアさん。


てか、残念ってなんだ!?

女か?女がよかったのか!?


「まぁなんだ、部屋をもう一つ取れるだろうか?」


ここまで無言だったカルデンが会話を断ち切って入ってくる。


「・・・うえっ!?あっ!お、お部屋ですか?とっ、ちょっと確認してきますね?」


ビクッと震えてから起き上がり、カウンターの奥へ消えていくリア。


「部屋?何に使うんカルデン?」


「何って、お前が来たからな、仮にもシャルは女だ、夜に変な気を起こされても困る。だから面倒を見ている間は、部屋を二つにして、シャルは一人部屋、お前は俺とだ」


なるほど、てことは、ラッキースケベはお預けか。


「そんな気遣い要らないわよ?、過保護よカルデン?」


「過保護で結構、お前は、俺の契約者だ、契約者を守るのもまた、俺達精霊の役目」


ふむふむ。


「はぁ、分かったわよ、好きになさい」


やれやれといった具合に溜め息をはく。

そのあとも、雑談を続けていると、リアが小走りで近づいてくる。


「カルデンさん!お部屋一つ余ってました!どうします借ります?」


なぜこっちを見る?


「あぁお願いする、シャル悪いが、、、」


「良いわよ、一人部屋って言うのもおつなものだし♪」


「わっかりましたッ!!では、早速案内しますね!」


意気揚々と店の奥に進む。


進むと階段があり上へ、上って直ぐに二人部屋、その三つ隣が今回借りる一人部屋。

案内が終わるとリアは、仕事があるからと表の方へ戻っていった。


「今日は、もう休みましょうか、続きは、また明日、ね?」


シャミアさんは、そのまま部屋に入っていってしまった。

時間は分からないが、確かに外が暗くなり始めている。


「それじゃ、俺達も休むとしようか・・・」


部屋のドアを開けるカルデン。


「もう寝るんですか?早くね?」


「・・・明日は、また早いからな、起きれなくても知らんぞ?」


そのまま部屋に入っていく。


仕方ない、ここは、話に合わせて・・・。


「やれやれ、休みましょうか」


こうして釈放後の一日目が終わった。

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