第二話 見知らぬ土地と世界の言葉
鏡に映る知らない顔。
「何がどうなってんだ・・」
白い髪に青い瞳。
まるで、ゲームや漫画のキャラみたいだ。
「おい、どうした?急に黙り込んで?」
牢屋の外から男が声をかける。
「い、いや何でもない・・一つ聞くが、ここは何処だい?」
さっき思った仮説を、再確認するために、再度質問する。
「はぁ?ここは牢屋だ」
いや、それは分かるんだけど!
「いや、そうじゃなくて、えぇーっとつまり・・・街の名前?」
「あぁ?街ぃ?そんなのも分からんのか?」
男が驚いたように聞き返す。
「知らんから聞いてるんだけど!?」
「あぁまぁそうだな?服も着ないで街中にいた奴だし訳あり、か?・・・分からなくて当然か?・・・」
男が何やら納得したらしい。
「まぁいい、ここは、リナウンド領のティフロンって街だ」
男がこれまた当然のように言う。
ティフロン?リナウンド?なんだそりゃ?
リナウンド領ってことは・・・日本じゃないのか?
いや、まずそんな名前の街を知らないな、ハハ(笑)
「おい、どうした?まさか知らんのか?街の名を?」
男が心配になったのか顔を覗かせてくる。
「い、いや違うよ?そうかぁ~って納得しただけ、ハハハ(笑)」
声が裏返っちゃった。
「そ、そうか?ならいいが・・・」
男が納得いかない顔ではあるが、顔を引っ込める。
一体どうなってんだよコレ・・・
流石に聞き覚えのない名前だぞ、街の名前。
って事は、やっぱり・・・
結論を出したところで・・・。
《ハロハロ~♪お目覚めですかな?マスター》
突然頭の中に若い女性の声が響いてくる。
「何だ!?誰の声だ!?」
思わず驚いて辺りをキョロキョロする。
「今度は何だ?」
流石に呆れたように男が顔を覗かせる。
「いや!今、変な声が!・・聞こえないのか!?」
「声ぇ?なんも聞こえんが?」
男も辺りを見渡すが他には、看守が居るだけで誰もいない。
マジか・・・
《アッハハハ♪》
また、声が聞こえる。
《ゴメン、ゴメンwww驚かせちゃったね♪》
声は随分と軽い感じに謝って来た。
いや、まず誰よ・・・
《そうだね♪まずは、自己紹介だね!》
何!?心が読まれた!!
《と言っても私に名前はないんだよ、ゴメンね?》
名がないのか!
《皆からは、世界の言葉とか、天の声なんて呼ばれてるよ♪》
なるほど、ゲームなんかでよくあるアレか・・・
「お~い急に黙り込んでどうした?」
男が心配そうに見てくる。
そんなに心配なら入ってくればいいのに?流石にダメか(笑)
心配症な看守だな・・・
「大丈夫だ、問題ない!」
まぁこの台詞言えただけ良しとしよう♪
一度言いたかったんだよね!このセリフ。