現実の終わり 夢の始まり
放課後の教室で一人PCゲームに打ち込む少年。
彼の名は、朝倉遥。
こんな名だが、男である。
彼は、超が付くほどのゲームマニア。
ネットの世界では、《ネロ》と名乗り。
一つの伝説ともなっている。
そして、この物語の主人公である。
「・・・ふぅ」
PCから手を離し体を伸ばす。
その流れで時刻を確認。
「あー。べーわ、もう下校時刻とっくに過ぎてたわ」
気付くと時計は八時を過ぎた頃。
外は真っ暗だ。
固まった体をほぐし、頭を掻きながらPCを片付ける。
「んじゃ帰るか」
教室の電気を消し、鍵を閉めようとすると。
ピロン♪
と突然PCにメールが届く。
何気なしにメールを開く。
メールの内容は。
『貴方ガ求メルモノハ?』と一文字だけ。
送信主の部分は、文字化けしてよく解らない。
イタズラか?と思い、適当にメールを返す。
「えーっと『ドキドキとワクワク』っと」
そして送信。
直ぐにメールが返ってくる。
『承認シマシタ』の一文字。
メールを見て、そっとPCを閉じる。
「さて、早く帰んねぇと」
この手のいたずらは、無視に限る。
ふと、そこで異変に気づく。
電気を消したハズの教室が明るい。
いや、教室が明るいんじゃなくて外の光が入ってきてるのか?
不審に思い窓に駆け寄り外を見る。
「なん、だと?」
そこには、信じられない光景が広がっていた。
学校は、山の上にあり一番上の階からなら街を見渡せるほどだ。
そんな場所からみてるんだ異常が丸分かりよ。
町に降り注ぐ燃え盛る火の玉。
隕石である。
一つ一つの威力は凄まじく、瞬く間に見渡す景色が変わっていく。
ビルやマンションは押し潰され粉々に。
住宅街も跡形もなく消え去っていく。
「なんだよ、コレ・・・」
目の前の光景を信じられず呆然と立ち尽くす。
「何の冗談だよ・・・そ、そうか!コレは夢だ!はぁそうに違いねぇ」
頭を掻きながらしゃがみこんで再びPCを開く。
すると目に飛び込んできたのが。
『貴方ノ願イ叶エル準備ガ整イマシタ』
と書かれたメール。
「おいおい、まさかこのメールのせいか??」
怖くなってPCを閉じ立ち上がる。
すると視界の隅にあるものを捕らえた。
それは、こっちに向かってくる隕石。
「あっやば、」
もう逃げられる距離じゃなかった。
あぁここで終わりか、そう思った。
でも、不思議なことに気づいた。
それは、隕石に音がないと言うこと。
しかし今更だ、気付いたとこで何にもならん。
そして彼の意識は途切れた。
プロローグは、ここでおしまい。
お付き合いいただき、誠に光栄です。
あっ私が誰かって?
そうですねぇ
私は、《世界樹》此処から先の世界のもの。
まぁ御好きなように、御呼びください。
それでは、またいずれお会いするのを楽しみにしていますよ♪