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村長宅、パックリ

なかなかにどうしたものやら

あれから幾日か過ぎ少々変わってしまった間取りに難儀しながらもとうとう『勇者』迎える日がやってきた。


大丈夫だろうか?そもそもこれだけ巨大な剣を抜けるとも思わないが抜けたとしてそれを抜ける勇者とはどれほど巨大なのだろうか。

ある程度は国が補填してくれるとはいえやはり村に少なくない損害がでる可能性を考えると憂鬱にもなるだろう。


「村長、『勇者計画剣の勇者担当』クランク=バルブ様到着しました」

国の兵士が伝えにきてくれた。

あぁそうかそのもの勇者!って訳じゃないものなぁ、計画の担当って形になるのか。

とそこで勇者担当の名前に思い当たる。クランク=バルブと言えばこの辺りの領主の息子の名前ではなかったか?

確か魔法、剣術の才に長け若き逸材との噂もある人物だ。

しからばどうやってあの剣を抜くのだろう。流石にクランク様があそこまででかい身なりをしていないはずだ。

それだったらすぐにでもそんな噂話の一つ二つでてくるだろう。


しばらくするとすらりとした鎧に身を包んだ爽やかな青年が歩いてきた。

「あぁ村長、剣がが刺さった事についてはすまないな。私が今回の担当のクランクだ。」

「いえ、国家の大事なれば些細な事ゆえ。しかしあの剣を抜くお方がバルブ家の跡取りであるクランク様とは知りませんでした。」

「計画が国家主体だからな。領の方とはまた係わり方が違うのだよ。」

「さようで、してどのようにしてあの剣を抜かれますかな?私など最初あの剣のような巨大な勇者様が現れるのかと思っておりました」

笑ってみせるが割りと本気で思ってたのだ。

「それについてだが魔法で大きさを変えるつもりだ。余波が来ると危険なので少し下がっていてくれ」

了解すると見物人達は指定された位置まで下がる。


なるほどクランク様の魔法であの剣のサイズを圧縮するのか。

あれほどの大きさの魔法の産物を人が振るう大きさに圧縮するとなればどれほどのものになるだろう。

まさに『剣の勇者』であり『勇者の剣』であるわけだな。

胸中に会った一抹の不安は拭われ回りの見物人と同じようにいかような剣に仕上がるのか期待する。


クランク様がなにやら呪文を唱えると剣がそれに呼応しクランク様も光りだす。

光が収まり眩んだ目が慣れると『勇者の剣』が引き抜かれるのを見てその場にいる人間の息を飲む音が聞こえる。

我が家に倍する大剣は今まさに引き抜かれた。



でかくなったクランク様によって。



あー、そっちかー。大きさが変わるのそっちなんだー。

そうだよねーその可能性もあったはずだよねー。

けど頭の中で排除してたんだろうなー。だって被害がでかそうじゃーん。

事実我が家パックリいってるよね。ほぼ両断だよねあれ。

きりそこなったパンみたいになってるし。ギリ真っ二つじゃない程度だよねあれ。

首の皮一枚って感じだなー。




直るのかな私の家?

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