世界一簡単なダンジョン
「聞いてくれ! ついに例のダンジョンを見つけたんだ!」
宿屋の食堂に駆け込むと、奥のテーブルにいた三人が顔を上げた。僕は背負っていた荷物を空いている椅子に下ろし、そのままテーブルに両手をつく。
「アランが前に言ってた、世界一簡単なダンジョンだっけ?」
セシルが持っていたカップを置く。ほかの二人より先に察してくれるのは、いつものことだった。
「そう、それ! セシルは話が早くて助かる」
もう少し驚いてくれてもいいのに、セシルの表情は落ち着いたままだった。隣のエルシーに至っては、僕の顔を見上げて眉を寄せている。
「でも、なんだか怪しくない? ダンジョン名が世界一簡単だからといって、本当にそうだか分からないよ」
「僕もエルシーに賛成かな。簡単といっても、安全とは限らないしね」
浮き立っていた気分に、早くも水を差された。
僕は椅子を引いて腰を下ろし、最後の一人に目を向ける。
「セシルとエルシーは反対。グレンは?」
「簡単ならいいじゃねえの」
グレンは皿に残っていた肉を口へ放り込み、あっさり答えた。
「これで賛成と反対が半々。最終判断はアランに任せるけど、もう少し情報がほしいかな」
セシルの言葉に頷き、口を開こうとしたところで、グレンが身を乗り出してきた。
「つうかさ、なんで見つけたダンジョンが、その世界一簡単なダンジョンだって分かったんだ?」
「簡単に説明すると、場所はこの街から東にある迷いの森の中。入口に『世界一簡単なダンジョン』って書かれた看板があったんだ」
言い終えた途端、三人とも黙った。
グレンの咀嚼する音だけが、妙にはっきりと聞こえた。
「……誰かが、看板を置いた可能性は?」
エルシーが遠慮がちに尋ねる。
「もちろん、その可能性はある。でも、場所が場所だし、人が入った形跡もほとんどなかったんだ。わざわざあんな場所まで看板を持っていって、いたずらする意味もないだろ? それに、ダンジョンの一階にも同じような看板があった」
「とりあえず、お前が一人で知らないダンジョンに入る馬鹿だってことは分かった」
グレンの言葉に、エルシーの視線が険しくなる。そこまで入ったと話すのは、もう少し後にすればよかった。
「入口を少し確かめただけだよ」
「それはそうだけど、一階はどうなってたの?」
セシルに話の先を促され、僕は慌てて説明を続けた。
「階段を下りると、すぐに大きな扉があって、その前に看板が置いてあった。『ここは一階。扉の中に入ったら、簡単な指示に従えば次の階に行けるよ』って。それだけだ」
「そこから先は、実際に入ってみないと分からないってことね」
僕が頷くと、エルシーは小さく息をついた。責めるような響きは薄れていたけれど、納得した様子でもなかった。
「ああ。ここからなら日帰りで行ける距離だし、今日は休んで、明日みんなで現地に行ってみるのはどう?」
「そうだね。ここで話ばかりしていてもきりがないし、行ってみようか」
セシルが応じてくれたことで、ようやく話がまとまりそうだった。
「そもそも、なんでお前が一人で迷いの森に行ってたのかとか、いろいろ疑問はあるが……まあいい」
グレンはそう言って、空になった皿を押しやった。
僕は理由を聞き直される前に、残る一人の顔を見る。
「エルシーも、それでいい?」
「……じゃあ、今日はもう休んで、明日向かうとしましょう」
少しの間を置いて、彼女も頷いた。
ひとまず、これで四人とも賛成だ。
椅子の背にもたれかかった僕の足を、テーブルの下でエルシーが軽く小突いた。
「次は絶対に無茶しないでね」
今度は素直に頷いた。
◇
翌朝、僕たちは宿屋の前に集まった。
通りにはまだ人影が少なく、朝の冷たい空気が眠気の残る頬に触れる。剣の位置と荷物の紐を確かめてから、僕は三人を振り返った。
「みんな、準備は大丈夫かい?」
三人が頷く。グレンだけが、頷いた後に大きなあくびをした。
道中は、驚くほど何もなかった。
迷いの森には昨日つけた目印が残っていたし、魔物に出くわすこともない。進むうちに、見覚えのある岩肌が木々の間から現れた。
「ここがそうか……」
グレンが足を止める。
岩肌に開いた入口は、大人が二人並んで通れるほどの幅だった。奥には地下へと続く石の階段が見える。
「魔物の気配も感じられないね」
セシルが暗がりをうかがう横で、グレンは入口脇の看板を見下ろしていた。
「なんだぁ、このふざけた看板は」
そこには、昨日と変わらず『世界一簡単なダンジョン』と書かれていた。文字の隣には、笑った顔のようなものまで描かれてた。
「言ったとおりだろ?」
「本当に書いてあるとは思わなかったんだよ」
僕は苦笑して、入口へと歩み寄った。背後から三人の足音がついてくる。
階段を下りた先には、昨日確認した扉と看板があった。
セシルが文面を読み、エルシーが扉の周囲を確かめる。
「罠らしいものは見当たらないわ。でも、中までは分からない」
エルシーは扉から一歩離れ、僕たちを振り返った。
「どうする? 入ってみる?」
僕が尋ねると、グレンは扉を見上げたまま肩をすくめた。
「ここまで来て、看板だけ読んで帰るのもな。まずは一つ、やってみりゃいいだろ」
「指示の内容を聞いてから判断しよう。無理に先へ進む必要はないしね」
セシルの言葉に、僕も頷いた。
「そうだね。危なそうなら引き返そう」
「アラン、一人で先に進まないでね」
「分かってる。今度はちゃんと、みんなに相談するよ」
エルシーは僕の顔をしばらく見つめ、それから頷いた。
「じゃあ、開けるよ」
僕たちは入口から中をうかがい、足を踏み入れた。
部屋には何もなかった。
壁も床もむき出しの石で、入口の反対側にもう一枚、扉があるだけだ。室内は不思議と明るく、隅まで見渡せたが、明かりの出どころは分からなかった。
「これから何が始まるんだ」
グレンの声が、がらんとした部屋に響く。
その余韻が消えるより早く、頭上から明るい声が降ってきた。
「皆さんが今回の挑戦者ですね! 張り切っていきましょうね!」
僕たちは一斉に天井を見上げた。そこにも、石の面が広がっているだけだった。
「おい! お前は何者だ!」
グレンが声を張り上げる。
返事はなかった。声は呼びかけを聞いていないかのように、そのまま説明を続けた。
「それでは今回のお題は、四人で一緒にジャンプをしてください。制限時間は一分です! それでは〜、スタート!」
思わず、セシルと顔を見合わせた。
聞き間違いではなさそうだ。彼もまた、戸惑った顔で僕を見ていた。
「悩んでいる時間はないみたいだね。三人とも準備はいい?」
全員の顔を見てから、僕は声をかけた。
「せーの」
四人で跳んだ。
靴底が石の床を打ち、荷物の中の金具が鳴った。
「成功でーす!それでは次の階へどうぞ〜」
声とともに、正面の扉が開いた。
その向こうには、下へ続く階段が見えている。
「本当に簡単だったわね」
エルシーが、開いた扉と僕を交互に見る。僕も同じ気分だった。何かが始まると身構えていたのに、もう終わってしまった。
「次からもこのくらいの課題で済めばいいけど。気を緩めず進んでいこう」
セシルに促され、僕たちは階段へ向かった。
下りた先は、一階とまったく同じ造りだった。
大きな扉と、その前に置かれた看板。違うのは、看板の文字が『二階だよ』になっていることだけだ。
「特に上の階と違いはなさそうだな」
「うん。そうみたいだね。先に進もう」
扉を開けると、やはり何もない部屋が僕たちを迎えた。
全員が入るのを待っていたように、あの声が響く。
「それでは今回のお題は、二組に分かれてじゃんけんをしてください。勝ち負けは関係ありません! 制限時間は三十秒です! それでは〜、スタート!」
「グレンは僕と。エルシーはセシルとじゃんけんをして」
グレンは何か言いたげだったが、黙って拳を出した。
僕が出したのはグーで、グレンはパー。隣では、エルシーとセシルはあいこだった。
「成功でーす!それでは次の階へどうぞ〜」
また、扉が開いた。
グレンが鼻を鳴らし、先頭に立って歩き出す。
その後も、拍子抜けするような課題が続いた。
用意された料理をすべて食べる部屋では、グレンが大いに活躍した。食べ終わった皿を重ねる彼を見て、エルシーが呆れた顔をしていた。
一時間、ただ部屋の中で待つだけの階もあった。
初めこそ全員が立ったまま周囲を警戒していたが、やがて一人ずつ腰を下ろした。グレンは壁にもたれて眠り始め、セシルは荷物から本を取り出した。僕とエルシーは、小声で取り留めのない話をして時間を潰した。
どの階でも、指示に従えば扉は開いた。
剣を抜く必要も、魔法を使う必要もなかった。
◇
「どうやら、これが最後みたいですね」
エルシーの視線の先には、『最終階』と書かれた看板があった。
扉そのものは、ここまで何度も開けてきたものと変わらない。
「ここまで続けて下りてきたし、少し休憩しない?」
セシルの提案に、全員が頷いた。
水を飲み、装備に緩みがないか確かめる。
僕が剣帯を締め直していると、向かいに座ったグレンが口を開いた。
「で、なんでお前はこんなダンジョンを探してたんだ」
「理由はいろいろあるんだけど、エルシーにプレゼントをあげたかったからだよ。もうすぐ付き合って一年だしね」
少し離れた場所で、エルシーが水筒から口を離した。
こちらを向いた彼女と目が合い、僕まで気恥ずかしくなって、慌てて言葉を足す。
「あと、セシルの妹のこともあるし。グレンだって、お金があって困ることはないでしょ?」
セシルは水筒の蓋を閉めながら、わずかに目を伏せた。
グレンは僕を見ていたが、やがて短く息を漏らした。
「なんだよ。そんなことか」
そう言うと、彼は自分の荷物へ視線を戻した。
エルシーはまだ顔を赤くしていた。何か言いたそうに唇を動かして、それから、困ったように笑った。
このダンジョンに入って良かったと思った。
まだ財宝を見つけたわけでもないのに、僕はもう、街で何を買おうかと考え始めていた。
「話もそれくらいにして、そろそろ行こうか」
セシルが立ち上がる。僕も膝に手をつき、勢いをつけて腰を上げた。
「よし、最後まで気を抜かずに行こう!」
扉に両手をかけ、押し開ける。
部屋の中央に、金貨が山を作っていた。その間に赤や青の宝石が埋もれ、細かな光を返している。
噂は本当だった。
僕の隣で、誰かが息を呑んだ。
全員が中に入ったところで、背後の扉が静かに閉まった。
「ぱんぱかぱーん!おめでとうございます!お宝は全部持っていっていいです!」
聞き慣れた声が、部屋の中に響く。
「ただし、持って帰れるのは一人だけです! 制限時間は十分です。必ず一人を決めてくださいね!」
「……十分で決まらなかったら、どうなるんだ?」
天井に向かって問いかける。
返事はなかった。今まで一度も、こちらの質問に答えたことはない。
「ちっ。ふざけやがって」
グレンが吐き捨てる。
「それでは、今から開始します! 皆様の健闘を祈ります!」
明るい声が途切れた。
僕は閉じた扉へ引き返し、取っ手を引いた。押してもみたが、入ってきたときには簡単に動いた扉が、びくともしない。
三人の視線を背中に感じる。
何か言わなければ。ここへ連れてきたのは僕なのだから。
「まずは状況を確認しよう。入口側の扉は閉まってる。それで……向こうがおそらく出口だね」
金貨の山の向こうを指さす。
壁に開いた通路があり、その脇には『出口はこちらです』と書かれた看板が立っていた。
「あっちには扉がない。先に進むことはできそうだ」
「今までと同じで、ほかに部屋から出られる場所はなさそう。出口のほうを確認してみない?」
エルシーは努めて落ち着いた声を出していた。
「そうだね。そうしよう」
セシルが頷き、僕たちは財宝を回り込んだ。
足元で金貨が一枚鳴った。誰も拾おうとはしなかった。
通路は短く、すぐ先で行き止まりになっていた。
その床に、一つだけ魔法陣が描かれている。淡い光を放つ線が、僕たちの靴先を照らした。
セシルが魔法陣の手前でしゃがみ込む。縁に刻まれた文字を追った後、顔を上げた。
「転移用みたいだ。行き先までは分からないけど……」
「この魔法陣で帰れるのが一人だけで、残った三人はあの部屋に閉じ込められるってことか」
グレンの言葉に、誰もすぐには答えなかった。
僕は背後を振り返った。財宝の向こうに、閉じたままの入口が見える。
「まだ、そう決まったわけじゃない。ほかに方法があるかもしれない」
「質問には答えねえ。入口は開かねえ。出口はこれだけだろ」
グレンの声は低かった。
僕は魔法陣へ目を戻した。四人で乗れない大きさではない。けれど、それでどうなるのかを試す勇気はなかった。
「……とにかく、誰が帰るかなんて、今すぐ決められない。まずは財宝の方へ戻ろう。」
みんなで来れば大丈夫だと、僕はそれだけで安心していた。
「妹には、帰るって約束してるんだ」
セシルが立ち上がった。握った杖の先が、小さく震えていた。
「でも、そのために三人をここに残すのは……」
言葉が途切れる。
誰も、その先を引き取れなかった。
時間だけが過ぎていく。
あと何分あるのか、もう分からない。
先に進んでいたグレンが入口の扉の前で振り返り、僕たち三人を順に見た。
「……お前らは、そうだよな」
「互いを置いていけねえ。セシルには妹がいる」
セシルが顔を上げる。
「で、俺には誰もいねえ」
「グレン、それとこれとは――」 「関係あるだろ。誰を帰すかって話なんだからよ」
僕の言葉を遮り、グレンは続けた。
「誰を残すかってなったら、まず俺だろ。帰れなくても、誰も困らねえんだから」
「そんなふうには考えてない」
セシルが言った。
グレンは唇を歪めた。
「じゃあ、俺が帰るって言ったら、お前らは頷くのか?」
僕は答えられなかった。
エルシーとセシルをここに残す。その光景が頭に浮かんで、言葉が止まった。
グレンが、小さく頷いた。
「……ほらな」
「待ってくれ。まだ、ほかに方法があるかもしれないだろ」
「あと何分ある?」
誰も答えなかった。
グレンの指が、剣の柄に触れた。
「時間がなくなって、俺が嫌だって言い張ったら、どうするんだよ」
僕はその手を見つめた。
「無理やり黙らせるしかねえよな。どうせ、死んでも悲しむやつはいねえんだし」
思わず声を荒らげた。
グレンが肩を揺らし、柄を握り締めた。
「グレン、待っ――」
僕が手を伸ばすより早く、グレンの剣がエルシーの首をはねた。
「……エルシー?」
返事はなかった。
「アラン、伏せて!」
セシルの叫びと同時に、頭上を光が走った。
鋭い音がして、グレンが後ろへ退く。その剣先が、ついさっきまで僕の頭があった場所を通り過ぎた。
セシルが僕の前に立った。突き出した杖の先に、次の光が集まっている。
「立って! 君まで殺される!」
グレンは剣を構え直していた。
その切っ先が、僕に向いている。
「グレン……何してるんだよ」
グレンは答えず、踏み込んだ。
僕はエルシーから手を離し、剣を抜いた。振り下ろされた剣を受け止めた途端、手首から肩までが痺れた。
「なんで、エルシーを!」
押し返そうとしたが、剣は少しずつ顔に近づいてきた。
グレンの向こうで、セシルが杖を振る。飛来した光を避けるため、グレンが力を緩めた。その隙に横へ逃れた。
「右から行って。僕が合わせる」
セシルが僕の隣で囁いた。
僕は頷き、剣の柄を握り直す。
セシルの放った光が、グレンの左側へ飛ぶ。
逃げ道を塞ぐための一撃。僕はその逆から斬りかかった。
グレンが剣を合わせる。
一度、二度。打ち合うたびに、彼の足が下がった。三撃目を受けたところへセシルの魔法が迫り、グレンの肩をかすめた。
効いている。
二人なら、止められる。
僕がさらに踏み込もうとすると、グレンの剣先が沈んだ。
低い位置からの斬り上げ。
そう判断して、僕は剣を下げた。
けれど、剣は来なかった。
グレンの肩が胸にぶつかり、身体が後ろへ流れる。踏みとどまろうとした足が床の金貨を踏んで滑った。
「セシル!」
僕の横を、グレンが抜けていく。
セシルの杖に光が灯る。グレンは 光が脇腹に当たっても足を止めず、杖を持つ腕を払いのけた。
剣が、セシルの胸を貫いた。
セシルは目を見開き、グレンの腕を掴んだ。何かを言おうとしていたが、声にはならなかった。
剣が引き抜かれる。
杖が床に落ち、その後を追うように、セシルが膝から崩れた。
妹には、帰るって約束してるんだ。
さっきの声が、耳に残っていた。
僕は叫びながら剣を振った。
振り返ったグレンが受け止める。もう一度振るが、弾かれる。それでも、腕を止められなかった。
「どうしてこんなことを!」
剣の向こうで、グレンが息を荒らげていた。
「お前が残ったのかよ。エルシーを置いて、セシルの妹も諦めさせて、俺を帰してくれたのか?」
「だからって仲間を殺すのか!」
力任せに押し込むと、グレンの顔が歪んだ。
魔法を受けた脇腹から血が流れていた。左足がわずかに引かれ、傷をかばうように身体が傾く。
それを、見逃さなかった。
半歩退いて、そのまま剣を横に振る。切っ先が、傷ついた脇腹を切り裂いた。
それでも、グレンは止まらなかった。
振り抜いた僕の腕が戻るより早く、彼が踏み込んだ。
胸の下に、重い衝撃が走る。
「……っ」
息が詰まった。
見下ろすと、グレンの剣が僕の身体に突き立っていた。
グレンが柄を引こうとする。僕は空いた左手で、その手首を掴んだ。
僕は残った力で剣先を彼の胸へ向けた。そのまま、身体ごと押し込む。
手首を振りほどこうとしていた力が、不意に弱まる。
彼の重みに引かれ、僕たちは倒れた。
床に肩を打ちつけた途端、身体の奥で痛みが弾けた。声を上げようとしても、喉からは息しか漏れなかった。
すぐそばで、グレンが一度だけ大きく身体を震わせた。
僕の腕にかかっていた手が滑り落ちる。
それきり、動かなかった。
僕は床に手をついた。
起き上がろうとしたが、脚にも力が入らない。
少し先に、エルシーの手が見える。
せめて、あそこまで行きたかった。
「成功でーす!」
明るい声が、部屋に響いた。
「お宝を持ち帰るのはアラン様ですね!残りの皆様はあちらからお帰りください!」
意識が途切れる直前、入口側の扉が開く音が、部屋に響いた。




