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望む

作者: 成海千晴

 歌声が響く中、私の胸が騒ぐ。いい匂いが漂う中、視線を感じる。窓からの光線が反射する。一瞬、光線がある景色を映し出した。平和の象徴、どこからか砂山が迫ってくる、そしてそのまま象徴が崩れ、飲み込まれていく。そして、そこが自分に迫ってくるところで我に返った。きっと、気のせい。この出来事を心の中にそっとしまい、時の流れでそのまま抹消されることを願った。

 授業時間が延びた。下校時間が遅くなった。私は、心から信頼する人が近くの犯人を逮捕するために頑張っている、と考えることでどうにか心を保っていた。周りは囚人を見張るように焦点を合わせてくる。私を見る。どうにか餓死から逃れて絶滅しなかった生物のように、しぶとくひっそりと。私は校門を出た。

 帰り、「聖地へ訪れたい」と、道を尋ねる男性がいた。男性は、なかなか聞けずにうろうろとしていた。私は、彼に道を教えることにした。勇気を出し、声をかけた。彼は感謝を伝えてくれた。片言な日本語だったので、地図を見せてもわからないような気がした。なので、そのまま近くの駅まで道案内をし、あとは駅員さんに頼むことにした。彼は、さらに喜び、私についてきた。しかし。未曾有の事態が起きた。私はそれに対応できず、気を失った。

 目を開けると、彼。下をみると私は裸。少し地面から離され、鋼鉄製の機械に束縛されていた。何も動かない。私は狂気に満ちた彼の顔を見る。彼は私が起きることを待っていたらしい。ゆっくりと服を脱ぎ始めるのをみて、私は察した。残虐。その一言。彼は慣れた手つきで私を汚す。されているということよりも、なんだか心の底から湧き上がってくる恐怖が気持ち悪かった。

 恐怖に耐えながら、私は生還することを諦めた。

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