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寒戻る
季節の変わり目というのは、不思議な時期だと思う。
寒が戻る中、家屋の軒下では葉牡丹やシクラメンにビオラのような冬を越した花々と、菜の花や桜草などの咲き始めたばかりのそれらが一緒になって、揺れている。南天の実は赤く染まり、金柑や柑橘系の何かは枝に鈴生りに実っている。見上げた紅梅の先には、青空が広がっている。このように視界に映る風景は色彩を帯びているのに、とにかく寒いのだ。ついこの間まで春目前だったにも関わらず自然を前にすると、どうすることも出来ないと思い知らされるようである。
そのような事を思いながら食材の買い出しに来ていた私は梅飴を一袋、買った。そして一つ、口へ含んだ。この不確かな時期に最も似つかわしい味が口内に広がるのを感じながら、帰路へ就いたのだった。
不安定な時期ですが、お体にお気をつけてお過ごし下さい。




