なぜか高校の同期が夢に出てきて、そいつと前の席に座ってた女とパチンコに行く流れになる話
なぜか高校の同期が夢に出てきて、そいつと前の席に座ってた女とパチンコに行く話2
退屈な授業が終わる。……不思議だ。別に生きてて誰かに見張られるなんてこと、芸能人でもない限りされていないとわかっているのに、なぜか放課後はそういったものから解放された気分になる。
「なぁホントに行くのか?」
「うん、いく」
わーしっかりした返事。好奇心ってのはホント罪やなー。
「じゃーいくかー」
隣でスマホを弄ってるカルクの肩を使って立ち上がりつつ、学校とおさらば。
「パチンコなんて打つもんじゃないぞ」
カルクが唐突に話し出す。
「爺さんが打ってるのを知ってるなら、わかるだろ」
「ハハハそうだよ最高の娯楽ってこと、わかるだろ?」
気まずい雰囲気になるのが嫌で軽いフォローをいれる。
「……うん、わかる。でも偏見を持つのは嫌なの。自分でやってみてどういうものなのかを知りたい」
「ふーん、そ」
カルクはその回答に満足したのか、そこからはありきたりな話題にしかならなかった。
あいつがあーだとか、こいつがどーだとか。実はバスケ部長が好きらしいとか。てかこの女、バスケ部長には彼女いること知らんのか…?
「ほら、あの店」
陰陽師関連でしか見たことないような太極図が大きく入り口にマークされた店。ここが今日の目的地。入り口が近づくと共に歩くペースが遅くなる。まぁそりゃ最初は抵抗あるよな。さーてそしたらっと。
「俺らが先入るからついてきて」
「お前今日何打つんだ?」
「ん~スロの気分だったけど、今日はパチで合わせようよ」
「だな」
「俺大工打ちたい」
「ミキが知ってるコンテンツの方がいいだろ」
カルクは気を使ったのかもしれないが、俺はその発言が少しおかしく思えて笑ってしまった。
「知ってるアニメなんてあるわけねぇ。なぁアニメ見る?」
緊張してるとこにいきなり振られた話に少し戸惑っていたが、素直に首を横に振った。
「じゃあ原さんで」
「お前ホント好きな」
「万発行く時多いんだよ」
「俺はあの台合わんよ」
「じゃあ今日から合うよ」
そして入店。
「うるさっ!!」
俺らは二人揃って声の主の方を振り返った。なんか手を口の方に持っていきながらボソボソなんか言ってる。
「なんて?」
俺が耳を近づける。
「ごめんって」
そういうこと。
「別に大きい声ぐらいフツーフツー!ここうるさいよなマジ!」
カルクが先導して台の空き具合を見てくれている。
「ここ通路狭いからきぃつけて!」
「うん!」
ホントどのパチ屋行っても通路の狭さは変わらんよなぁ
カルクは端の方に連続して空いた3つの席を見つけてくれていた。
「おーよしよし!」
カルクは一番奥側の席に着席。一番端の席はコイツだから俺は3つの中で真ん中の席へ。
えっ、てか俺が教えんの?
「おい!」
「なんだよ」
「お前席変われ」
「好きな台打たせてやってるんだからそれぐらいやれ」
「くっそ~~そういうやつね~~~!」
右に向き直すと、足元で荷持をゴソゴソしてるミキがいた。そして財布を取り出しながらこっちを見た。
準備万端です!って顔がなんか腹立つな。