表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法中年 君の魔法  作者: 宮上想史
5/57

あ、そうだ。

「夜も遅いし、おじさんも一緒に待っててもいいかい?」

「ん、いらない」

 えー、と心の中で思いながら頭をかいていると、少女はこちらを見て、

「おじさんいい人そうね」

 と言ってきた。

 信也は見た目に関しては人畜無害そうに見えるのである。もしかしたらそれとはあまり関係なく、人となりが少女の心を開かせたのだろうか。

ほ、っと胸をなで下ろす。

「この蝶を操っているのは君だよね」

「なんか、勝手に集まってきちゃうの……」

 まだ幼いし、魔法をうまく扱えないのだろうと信也は思った。

「ちょっとおじさんの近くに来てもらっていいかい?」

 眉根を寄せて嫌そうな顔をされた。

「ほら、この近くに人が来て、こんなに蝶々がいたらおかしいと思われるし。そうだ、コンビニでご飯買ってあげるよ、どお?」

 少女は逡巡してから、しょうがないなあと言いながら近づいてきた。

お腹が空いていたのだ。

 信也はしゃがんで少女に後ろを向いててと声をかけ、

 背中に、

 触れる。

 公園を埋め尽くしていた蝶たちはひらひらと、どこかに飛び去っていった。

 黒い花火がゆっくりと花開くかのように。

 わあと感嘆の声を漏らしながら少女はそれらを見ていた。

「おじさん、すごいね! もしかして魔法使い?」

振り向いた少女は、やっと笑顔を見せてくれた。

「はっはっは、これでも大魔法使いなんだよ」

 信也は褒められて嬉しそうに笑う。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ