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一人の女性と二人の人格の彼女に僕は恋をした。

作者: 七瀬







僕は、好きな女性ひとに恋をした。

彼女の名前は、青山咲那 22歳 女子大学生だ。

僕の仲がいい女友達が、連れてきた女の子が彼女だった。

彼女は控えめな女の子で、僕みたいな男の話も真剣に聞いてくれた。

僕は彼女に、【一目惚れ】をする。




・・・僕は少しづつだが、彼女と仲良くなっていった。

まだ、“彼氏彼女の関係”とまではいかないが一番彼女の彼氏に近い

存在おとこではあると思う!

彼女と一緒に居る時間が長いし、何かあれば彼女からも僕に連絡を

くれる仲にまでなった。

彼女は、完全に僕を信頼してくれている。

僕に心を許してくれている。

僕はただそれだけの事が嬉しかった。





 *




・・・数ヶ月後。

彼女が初めて僕を彼女の家に招待してくれる。

でも? 彼女の家を訪ねた僕が見た彼女はまるで別人だった。

厚化粧で派手な服を着た彼女と同じ顔の女性ひとが僕を

玄関先で迎え入れてくれたのだ。



『えぇ!?』

『咲那なら、留守だよ! 先、何処かに用事があるって出て

言ったから!』

『・・・君は?』

『咲那の双子の姉の咲妃だよ!』

『でも咲那ちゃん、双子のお姉ちゃんがいるなんて! 一言も

僕に言わなかったけどな、、、?』

『何よ! 信じないの、こんなに咲那に顔がそっくりな女が他人で

この家で一緒に住んでるとでも言うの!』

『・・・い、いや? 疑ってる訳じゃないけどさー!』

『いいから、中に入りなさいよ! そのうち、咲那も帰って来る

んじゃないの? それに、アンタの為に晩ご飯作ってたみたいだしさー!』

『えぇ!? 咲那ちゃんの手作りのご飯?』

『何、ニヤついてるのよ! 咲那のご飯食べるの初めて?』

『・・・ううん。』

『咲那は、家庭的で料理上手だからね!』

『僕もそう思うよ。』

『はぁ!?』

『確かに、妹は家庭的だけど? ワタシはワタシにしかない個性を持って

んのよ! なんか文句でもあんの?』

『でも、料理できないんでしょ!』

『そこに座って、咲那が作ったご飯食べてなさいよ! ワタシだって料理

ぐらいできるってところ見せてあげるわよ!』

『・・・無理しなくてもいいんだけど。』

『うるさい! 黙って食べてろ!』

『・・・わ、分かったよ、』





咲那の双子の姉の咲妃が作った料理は見た目は酷かったけど?

味は反して美味しかったんだ。


『う、旨い!』

『そうでしょ!』

『うん!』






・・・僕はこれがキッカケで、咲妃とも仲良くなっていく。

ただ、咲那が居る時は姉の咲妃は居なかった。

妹の咲那が居ない時は、咲妃が居る。

二人同時に会う事がないと気づいた僕は、姉の咲妃にどういう事か

聞いてみることにした。



『なんで? 同時に二人を見る事ができないの?』

『えぇ!?』

『“双子なんでしょ!”』

『うるさい! ワタシだけだと不満なの?』

『そんな事言ってないよ』





 *




・・・僕は姉の咲妃の事も好きになっていく。

顔は一緒なのに、性格が全く違う彼女達に僕は翻弄された。




でもある時、咲那ちゃんが心理カウンセリングの病院から出てくる

ところを僕は目撃してしまう。



『・・・えぇ!? ここで、何してるの咲那ちゃん?』

『理仁、アンタ! 見たわね!』

『・・・えぇ!? 咲妃の方なの? どういう事なんだよ!』

『本当はワタシ達は、双子じゃないのよ』

『だから、どういう事なんだよ?』

『“二重人格だって事よ!” ワタシから咲那には、理仁に全部バレた

事話しておくわ! 今日の晩、家に来て!』

『・・・ううん。』







・・・僕の頭の中は混乱していた。

ふたりは双子ではないという事、それに咲那ちゃんと咲妃は【二重人格】

だという事。

僕は頭の整理がつかないまま、彼女達の家の前に着いた。

玄関を開けて僕を迎えてくれたのは? “咲那ちゃんだった”



『・・・全部! 知ってるんでしょ、理仁君。』

『・・・ううん。』

『取り合えず中に入って、ちゃんと話すから!』

『うん。』





・・・咲那ちゃんの話を聞けば、咲那ちゃんの両親は咲那ちゃんが

幼い時に、強盗で家に入ってきた男に両親を目の前で殺されたらしい。

幼い咲那ちゃんは、防衛本能で別人格の咲妃を作り出してしまう。

それから、咲那ちゃんの眠っている時に咲妃が出ていろんな事をして

いる事に咲那ちゃんが気づいた。

それからというモノ、ふたりは同じ体を共有するようになる。

主人格の咲那ちゃんが眠っている時には、交代人格の咲妃が現れる。

普段の生活は、ほとんど咲那ちゃんらしいが何か起きた時は必ずとい

っていいほど、咲妃が現れる。

僕は、咲那ちゃんの話を真剣に聞いたうえでこう言った。



『僕は、咲那ちゃんも咲妃も好きだ! 僕と付き合ってほしい!』

『・・・でも、』

『大丈夫! 僕は二人を同時に愛せる自信があるんだ!』

『・・・うん! 咲妃にもそう言うわ』

『ありがとう。』






僕の彼女は、ほんの少し他の女性ひととは違う。

でもそれが、僕には魅力的に想えた。

一人の女性ひとに、ふたりの人格の咲那と咲妃。

僕は同時に、二人をこれからも愛していくよ!




最後までお読みいただきありがとうございます。

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