シンジ、小学三年生
今は小学校から下校しているオレ。手をつないでいるこの女の子は同い年の小学三年生のナッちゃん。オレって最近、変な夢ばっかりを見る。お店の商品を万引きしたり、いじめを自分が指示してやったりなど。まあ、ただの夢だけど。オレとナッちゃんは二人で仲良く話して下校している。けれども、変な夢ばっかりのうち、こんな夢を何度も繰り返し見ている。それは、数人の男から鉄パイプでリンチされる夢。怖くなって、オレはパパとママにその夢のことを話した。すると、ただの夢だからね。と言われた。けれども、何度も繰り返し、数人の男から鉄パイプでリンチされる夢を見るオレ。なんなのだろうか。
ナッちゃんは家の方向が途中で違うから、ひとりで残りの下校をする。いつもなんだけど、とある家の前でオレは立ち止まる。どこにでもあるような家。けれども、そこに住んでいるジジババになぜだか見覚えがある。オレはこんな夢を見ていた。それは、オレがセイヤと呼ばれて、その見覚えがあるジジババに何かを話している夢。なんなのだろうか。オレはシンジという名前なのに。オレはその家の前から歩き去ろうとする。その時だった。全身がドクンッとなった。そして、オレはこんなことを頭に無理矢理入ってくるかのような感覚に襲われる。それは、ひとつの映像。オレは十九才のワル、名前はセイヤ、どの映像にもオレが悪いことをしている、ジジババの顔が見える、ああ、ここのジジババの顔と一緒だ。最後に、オレは数人の男から鉄パイプでリンチされるところで映像は終わった。
オレはワケわからん感じになって、急いで自分の家に帰った。いったい、なんなのだろうか? オレはとてつもなく怖くなって、パパとママにさっきのことを話した。やっぱり、なんでもないよ、と言われた。しかし、オレはワケわからん感じで眠りについた。夢を見る、オレはセイヤの生まれ変わりだと、顔の見えない誰かに言われている。ソイツは、オレにこう言った。ジジババに孝行をしろ、と。そこでオレは目が覚めた。朝の七時だ。