あらすじの考察。先輩作家の作品の販促文章から学ぶ、構造。それを試してみた件。
あらすじ。
「ざっくりいうとこういう話です」と伝えるための文章。
僕が書くあらすじは、その小説の冒頭部分のコピーであることが多いです。
なぜなら、さっさと書いたものを公開したいから。
でもあらすじって、その話に興味を持ってもらうために、興味を持ってもらった人に簡単に説明するために、それなりに重要ですよね。
というわけで、今回はあらすじについて学びたいと思います。
『小説家になろう』は書籍化を果たした素晴らしい先輩方がいらっしゃるので、そちらを参考にあらすじの構造を理解したいと思います。
◇◇◇
以下は、書報に書かれた各書籍の書籍内容からの引用です。
販促用文章なので、そのまま引用させていただきました。
興味を惹かれた作品は、この機会に是非、購入を検討されてはいかがでしょうか。
○元公爵令嬢の就職〜料理人になろうと履歴書を提出しましたが、ゴブリンにダメだしされました〜
仕事漬けの公爵令嬢ソフィアは婚約者を奪われた上に国外追放された。命からがら、辿り着いたのは大都市・マンデリン。そこで亡き母の味・和食に出逢った彼女は、魔王軍の食堂に就職を決意! だが「人間には無理」と烙印を押され、履歴書で落とされてしまう。そんな折、居候先の狼娘に知らされたのは、自分の調理魔法が“国宝級”という新事実だった!?彼女の力をめぐり各国が動き始めているとは露知らず、厨房で働きたいソフィアは面接での再起を図るが……?
(以下略)
○結界師への転生(5)(モンスター文庫)
ラマロン皇国を見事に撃退した功績により、
故郷であるジュカ王国の王となったリノスは、
理想的な国を作る事にまい進する。
そんななか、リコレットの身体に突如異変が起こり、床にふせてしまう。
そして一方で、ラマロン皇国は反撃の準備を進めていた――。
リノスは、大切な家族、そして国の危機を救うことができるのか!?
(以下略)
○お人好し悪魔と駄神様!(ヒーロー文庫)
冒険者として活動していた青年ヨシュアは、既定の魔物討伐依頼を受けなかったために、冒険者をクビになってしまった。身分証も剥奪されてしまったので、仕方なく誰もいない遠くの土地で暮らすことに決める。人里から離れ、荒れた土地でこれからのことを考えていると、突然、女性の助けを求める悲鳴が聞こえた。駆けつけると、白い羽を生やした美しい女性が、二人の男に羽交い絞めにされていた。女性を救い出したヨシュアは、行き場がないという女性ララを一緒に住まわせることにする。すると、自称・豊穣の女神と名乗ったララは、あっという間に荒れた土地を復活させてしまう。二人は自給自足しつつのんびり暮らすはずだったのだが、お人よしなヨシュアは、次から次へと人助けに首を突っ込んでいってしまい――。
○精霊王をレモンペッパーでとりこにしています。美味しい香りの異世界レシピ(フェアリーキス ピュア)
香りの魔法が支配する異世界に、ペッパーミル片手にトリップしてしまった泪。麗しくも腹黒な魔法使い――『香精師』ヴァシルに出会った彼女は、料理がきっかけで彼に弟子入り!
自ら生んだブラックペッパーの大精霊と共に、元の世界に帰るための香りを作ろうと奮闘する。ヴァシルはそんな彼女を厳しくしごく一方で、料理をねだり、甘く束縛してきて!? 「精霊王が貴女の料理の香りを気に入ったから」とか何とか言っているけれど、師匠、何か隠してませんか――!?
○ジェノサイド・オンライン(2)極悪令嬢の集団遊戯(BKブックス)
最新鋭のVRMMO「カルマ・ストーリー・オンライン」で、サービス開始直後から数多のプレイヤーとNPCを殺しまわって「ジェノサイダーちゃん」の通り名で恐れられるレーナ。
友人を連れて訪れたベルゼンストック市は、美しく清潔で、奴隷制度のある街だった。新たな「遊び」を思いついたレーナは、2人の奴隷少女にその手を差し出した。そしてそれは、平和な街に大きな混乱を呼ぶ新たな時代の幕開けとなるのだった!
(以下略)
○お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 (GA文庫) [文庫]
(前略)
藤宮周の住むマンションの隣には、学校で一番の美少女・椎名真昼が住んでいる。特に関わり合いのなかった二人だが、雨の中ずぶ濡れになった彼女に傘を貸したことから、不思議な交流が始まった。
自堕落な一人暮らしを送る周を見かねて、食事をつくり、部屋を掃除し、なにかと世話を焼く真昼。
家族の繋がりに飢え、次第に心を開いて甘えるようになる真昼と、彼女からの好意に自信を持ちきれない周。素直でないながらも二人は少しずつ距離を縮めていく……
(以下略)
○ちびっこ賢者、Lv1から異世界でがんばります!1(電撃コミックスNEXT)
ちびっこだけど、最強の賢者なんです!!
VRMMOで念願の賢者に転職した悠里は、目が覚めると知らないフィールドに!!
そこは、何もかもがユーリの知っているゲーム世界とは、すこし違っていて――
NPCっぽくないキャラクターたちに、ゲームでは感じなかったリアルすぎる感覚。
もしかして…ゲーム世界にちびっこ姿のアバターのまま飛ばされちゃったのぉぉぉ!?
ゲーム世界で奮闘する、ちびっこ賢者のまったり冒険譚!
○勇者パーティーを追放されたビーストテイマー。最強種の猫耳少女と出会う(Kラノベブックス)
動物を使役するビーストテイマーのレインは、勇者のパーティーとして戦ってきた。しかし、他に取り柄のないレインは次第に戦いについていけなくなる。「動物を使役するだけのキミは役立たず以外の何者でもない。クビだ」。ついに、レインはパーティーを追放されてしまう。これからは、世界を救うとか関係なく、自由に生きてみよう。レインは冒険者になることを決めるが……そんな時、運命の出会いをする。一方で、勇者のパーティーは気づいていなかった。今まで魔王軍と戦うことができたのは、レインの力によるものが大きいということに。これは、虐げられていたビーストテイマーが、運命の出会いを果たして、真の仲間と絆を紡ぐ物語。
◇◇◇
ざっくり分けると、こんな感じだろうか。
1行目。Aを紹介する。
〇〇に〇〇を〇〇したA。
〇〇で|に|は、〜
〇〇に〇〇を〇〇したAは、〇〇から〇〇して○○すると、○○を○○した。
2行目。そこで
〇〇は〇〇する。
そこは〇〇だった。
3行目。ところが
〇〇されてしまう。
〇〇が始まる。
〇〇された。
4行目。だから。
〇〇してみよう。
〇〇することにした。
〇〇することにする。
5行目。──!?
〇〇をするが……?
〇〇──!
6行目。……という話。
していく……。
これは〇〇を〇〇する物語。
〇〇の冒険譚。
〇〇する!
◇◇◇
早速試してみる。
○1歳児の最強召喚士賢者〜国宝級アーティファクト・ガラガラでバハムートを召喚。大人も魔族もあやします〜
史上最強の魔術師集団の長であり、歴代最強の魔力ホルダーである太郎は、魔術の探求と蒐集のため、転生魔術を用いて別世界に旅立つ。
とある貴族の次男として新たな生を受けた太郎は、両親と姉の寵愛を賜りながら、充実した赤ん坊生活を満喫していた。
ところがある日、太郎の家が治める領土が魔族に侵略されてしまう。突如降ってきた悲劇に抗う太郎の両親と冒険者たち。だが魔族の軍勢は圧倒的だった。
このままでは両親の身が危険だと判断した太郎は魔物を撃退することにした。枕元に置いてあった、子供をあやす魔道具・ガラガラを手に取ると、転生前に契約したある生き物を召喚するべく、天高く掲げた。
すると天が轟き、裂けた雲間から巨大な竜──バハムートが姿を現したのだった。
これは最強を極めた魔術師が、新たに目覚めた世界で1歳時の身でありながら、世界の頂点に駆け上がる天才の物語──!
「うぁ……ばぶばぶぁ……(また、やっちまったか……)」
○三つ星レストランの一流シェフ、異世界の王都に出店する〜料理スキルはSS+。食べればHPMP完全回復、状態異常完治、蘇生付き。ステータス上限までバフ補正のチートぶり。さらに食べた相手の胃袋を完全掌握。奴隷化も思いのまま〜
東京都中央区銀座の一等地に店を構える、辛口だが世界中で信頼される料理レビュー雑誌で歴代最高点をたたき出した、一流シェフの太郎。彼はGDP上位6カ国の首都の一等地に出店しては、それぞれの国の評論家や美食家たちから最高の評価を獲得する究極の料理人である。
すでに成功者の名を冠していた太郎だが、その胸には新しい挑戦への決意が秘められていた。その挑戦とは『異世界で一流の料理人』の称号を得ること。異世界の存在と渡り方は、首脳会談で料理を振る舞った際の礼として、とある要人から聞いていた。彼は異世界に渡ることにした。
そこは中世のヨーロッパを彷彿とさせるような街並みだった。そこで太郎は大通りで出店をすると、たちまち大人気。集めたお金でお店を建てると瞬く間に人気店となった。
ところがある日、魔族に街を襲われる。冒険者たちの抵抗も圧倒的戦力の差の前には崩壊も時間の問題だった。そんな中、戦えない太郎はせめて食事だけでもと料理を振る舞った。
すると徐々に冒険者たちが優勢になっていく。上位の魔族に蹂躙されるだけの弱者だった下級冒険者たちが、対等に……もしくはそれ以上の実力で戦いを優位に進めていた。きっかけは太郎が作った料理だった。
なんだこの飯──!? HPMPが完全回復してステータスがカンストしたぞ! 俺は失った左腕が生えてきたぞ! 向こうでは死んだ奴の口におかゆを流し込んだら息を吹き返したらしいぞ!
日本最強の料理人が振る舞う究極の美食。これは食を通じて世界を平和に導き、究極の料理人と呼ばれる男の軌跡──!
○VRMMOでハンター生活。〜モンスターを倒してPV稼ぐとお金が稼げる時代。俺の開発したプログラム、チート・アンチ・チートがチーターどもの悲鳴を奏でる〜
2100年。人々は生きるために労働が不要になった。さらに食事と医療の発展により、寿命以外で死ぬ確率が極端に減った。人々は理想郷に至ったと思ったが、別の問題が浮上する。自殺率の上昇だ。何もしなくても生きられる時代に生きる喜びを与える重要な役割をゲームが担っていた。
Aは学業を終えるといつも通り自宅のパソコンから仮想世界にダイブした。今、最も世界でプレイヤーが多いゲーム、Bをするためだ。
そこは世界中のトッププレイヤーたちが集う戦場。綺麗も汚いも含めてみんなが生を謳歌する劇場。Aはいつものメンバーとともに戦場を駆け抜けた。ランク上位に名前が乗ると、誇らしげに仲間たちと手を叩き合った。
だが翌日、戦況が一変した。今まで通用した戦法がまるで通じない。昨日まで雑魚だった連中が超能力者のように相手の心を読んだり、人間の反応速度を超えた動きを見せてきた。俺たちはろくに抵抗もできないまま蹂躙された。ランクは最下位まで落ちていた。
ある日、ゲームの中の街で情報屋から全財産をはたいて、トップシークレットの情報を入手したA。その内容は驚くべきものだった。ゲーム内に横行しているチート・プログラム。そして、その対策についてだった。Aは、早速、チート対策のプログラム、チート・アンチ・チート──CACを開発した。
「ゲームは人々が生を謳歌する劇場。ルールを破って自分だけ楽しもうなんて輩を俺は絶対に許さない……絶対にだ」
過剰なまでの憎しみを抱くAの過去が垣間見れるC戦。そして、CACを起動するとき、彼のエゴが電脳世界に顕現する──。
◇◇◇
ちょっと長いけれど、それっぽいかも。
気が向いたら、あらすじも真面目に考えてみようかと思います。
ではでは。