今から少しずつ
目を覚ますとルシアが隣に座っていた。
俺は集会所の医務室に運ばれたようだ。
「あら?起きたのね?」
ルシアがこちらを見ずに窓を見て俺に言った
「俺は何時間寝てた?」
「30分くらいかしら。」
短過ぎ!俺復活速すぎ!
「そか、そんな程度か…」
なぜか少し残念に思う俺。
「何か嫌なの?まぁ私的にはいいけど。寝起きで悪いけどパーティ登録しに行きましょう?」
「お、おう。別にいいけど…その前に一ついいか?」
俺の問いに対し、ルシアは何?みたいな顔をしている。
「何で俺の名前を知ってたんだ?」
ルシアはふぅと息を吐くと話し始めた
「私は一度あなたの世界に行った事があるの。私とパーティを組んでくれる人を探すために。」
行き来はできるのだろうか?
「でも、行った事があるのはほんの10分私があなたの世界に行った時目の前にあなたの家があった。」
運命的な出会いみたい。こういうの若干望んでた!
「で、何故俺にしたんだ?目の前にあったからって弱そうだろ?」
「確かに弱そうだけど…なんか雄賀が良かったの…」
頬を赤らめちゃって…めちゃくちゃ可愛いんですけどぉぉお!
「えーと…どうやって俺の世界に行ったんだ?俺も戻れるの?」
するとルシアは戻るの?!みたいな顔をした
「いやいや戻らないけどさ…まぁ一応な」
ルシアの顔が少しあかるくなった。
「あなたがこの世界に来た時1番最初に男の人に出会ったでしょ?」
「うん。」
「あの人たちは召喚転送師って言うの。いつもいろんなとこにいるから見つけるのが大変なんだけど見つけると他の世界に送ってくれるの」
へぇー。そんな奴だったのか。
「それであなたの世界に行き、戻った私はあなたを連れてくるよう頼んだの。ちなみに他の世界を行き来する時は必ずあなたが1番最初に着いた店じゃなきゃダメなの。」
ルシアは最後にもういいでしょ!と言い立ち上がった
「ルシア。最後に1つパーティを組まなきゃいけない目的は?」
一応聞いてみた。するとルシアが
「後で話すわ…」
少し悲しそうな顔で行った
そのあと集会所のカウンターに行きパーティ登録を済ませた。
「さっきの質問だけど少したったら話すわ。あと、これから仲間だからよろしくね雄賀」
「うん。よろしくルシア。」
そして2人で握手し集会所を出た。集会所を出ると男が数人同じ装備で俺がぶっ飛ばしたキエルトの周りにいた。
「ルシアあれは何だ?」
「あれはランガレルアの国直々の兵士ね。」
俺は疑問に思った。
「ランガレルアって世界の名前じゃないのか?」
ルシアは髪を整えながら話し始めた
「ランガレルアは確かに世界の名前よ。でもこの国もランガレルアなの。確かランガレルアで1番最初に出来た国だから名前を取ったらしいわ。」
少しややこしいな。ルシアと話をしていると兵士が近づいてきた。
「あなたがキエルトを倒したのですね?えーと…雄賀様。ルシア様から聞いております。これはお礼です!受け取ってください。」
そう言われ5枚の金貨を渡された。
「ルシアは話したのか?」
そう聞くとルシアはこちらを向いて
「当たり前よ。お金が貰えるなら貰っとかないとこれからどうすんのよ。」
指名手配とかされてたのか?
「さ、行くわよもう夜になるから今日は宿に泊まりましょう。」
ルシアはそう言い歩き出した。俺も一緒に歩いた。
宿に着いた。部屋を借りた。
「あの〜…部屋は同じなんですね。」
俺のその言葉に対しルシアはため息をついた。
「しょうがないでしょ。お金が少ないんだから節約よ。」
でも、聞くと金貨は一枚で宿に十回泊まれるらしい。まあ、それは置いといてもう疲れたから寝よ。
「ルシアそろそろ寝ようぜ。」
「そうね。」
とは、言ったものの…俺らが借りた部屋は小さいからベッドが1つしかない。まあルシアにベッドは譲ってやった。
布団に入ってから5分位たった時ルシアが話しかけてきた
「雄賀?起きてる?」
「あぁ…起きてるよ」
あくびをしながら俺は答えた
「パーティに誘ったことについて話すわ。」
俺はわかったと答え聞く姿勢をとった。
「二年前私は近くの街いや村に近いんだけどミャークという街にいたの。家族4人でその時は暮らしてた。」
その時は?今はいないのか?でも今は黙っとこう。
「ある日街にある男がやって来た…そいつは無差別に人、動物達を殺し、街を破壊した。そいつの名はローグ。この世界ランガレルアの現魔王よ。」
まじか。魔王かよ…
「父と母は私と妹を守るために戦ったでも勝てるわけがなかった。あんな小さな街に何の目的で来たかもその時はわからなかった。」
ルシアの顔を見ると少し涙目だった。
「父と母が死に魔王が私と妹の前に来て私と妹を殺そうとした。その時私の継続加護が発動した。その加護は[神鳥の絶対防御]って言うの。」
「神鳥?の加護?」
「その加護は継続なのにその時始めて発動した。私と妹は光に包まれランガレルアの集会所に飛ばされてた。」
ルシアは窓の近くに立ち星を眺めた
「だけど、ランガレルアに移動する瞬間身につけてたネックレスを取られてしまったの。だから魔王への復讐とそれを取り返すためにあなたを召喚したの。」
俺はここに来た意味をやっと少し理解した。ただ1つ疑問があった
「この世界の奴らはパーティに入ってくれなかったのか?」
するとルシアはこちらに振り向き話した
「ここの世界の人は魔王を怖がってる人が多くて私1人にはついて来てくれなかった。妹も戦うと言ってどこかに行ってしまった。」
だから1人なのか。じゃあやっぱり俺がやらなきゃ誰がやんだよ。
「ルシア。もう泣くな俺が魔王をぶっ飛ばしてやるよ!ほらえーと…必殺の一撃だ!あれ強いんだろ。今は無理だけど少しずつ強くなって倒してやるよ!」
それを聞いたルシアは涙をふき一言
「うん。よろしくね雄賀。」
少し笑ったように見えた。話を終え俺たちは眠りについた。そして
夜があけた___
展開が遅いですかね…