ランガレルアへ
目線をドアに向けドアノブに手をかける。手に冷たいとかそういう感覚もなくなってきた。
「はぁはぁ…うっ!?」
痛みがどんどん増してくる。
やばい
やばい
やばい
そう思いつつドアをあけ屋上へ出る。風に当たるが痛みは変わらない。少し歩くと急に痛みが消えた。
「あれ?痛くない?」
喜びを感じた次の瞬間________
「体が勝手に動き出した?くっ!ダメだ止まらない!」
一歩ずつ屋上の落下防止の柵に近づく。
だが、この学校の柵はとても高いので安心できる。というのもへんだが落ちることはない。
「どうにか止まらないと…」
謎の現状を解こうとしていると屋上のドアが開き菊覇が入ってきた
「おーい授業始まるぞ〜!ん?何してんだ?」
と、俺に問いかける
「体が勝手に動くんだよたすけ…」
助けを求めようとした次の瞬間俺は異常な高いジャンプをした。そして柵を軽々飛び越えた
「「え?」」
2人でそう言い俺は地面へ落下していった。
「馬鹿!何してんだよ!!!」
一瞬、菊覇の声が聞こえたが、俺は死を覚悟し目を閉じた。
そして疑問に思ういつまでたっても背中に衝撃がない。目を開けてみる。
「なんだよ…これ…」
そこにはなんとも言いがたい濃い青と緑などで彩られた何もない部屋にいた。もう体は自由らしい手が動く少し散策しようと一歩歩く
「うわっ?なんだ?ドア?」
何の音もなしに目の前に二つのドアが現れた一つは黒もう一つは白。少し興味はあるが入る気には中々なれない。すると後ろから何か音がし、誰かに押された。
「う、うわぁぁぁぁ」
少し押されただけなのに物凄い勢いで黒いドアに飛ばされた
ガチャとドアが開き俺は突っ込んだ。
「イテテ、何なんだよ」
と、文句を言っていると
「お疲れ様ですです。他人間様。ようこそランガレルアへ」
と駅で働いている人が着ている服の赤い色版を身につけた男が立っていた。
「ささささ。どうぞこちらへこちらへ」
返答する時間もないままどこかに連れて行かれた。
「ささささ。ここでございます。私の役目はこれで終わりなので…でわ!またどこかで!」
と言い放ったあと緑色の光に包まれ消えた
「何なんだよ?ランガレルアって何だよぉぉぉお!!」
と、叫んだ。辺りを見回すとどこか街のようだがいつもとは違う。アニメで見るような何というか平和だ。
「おぉお!なんか装備みたいなのつけてる!カッケェー!!」
道には装備をつけた人が歩き、小さなお店が連なりたくさんの人々が買い物などを楽しんでる。装備をつけた人を見ているとやっと気づく。
「これって普通じゃないよな?まさか異世界とかそういう奴なのか?ランガレルアとか聞いたことないけど…もしそうだとしても、なんかとってもいいとこだな〜」
と、1人でブツブツ言っていると
「残念だけど、あそこにいる人はあなたの言う人じゃないわよ。」
後ろから声が聞こえ振り返ると少し薄い水色の長い髪に金色の髪がほんの少し混ざった同い年くらいの少女が立っていた。
「どういうことだ?てか君だれ?」
俺のその問いに対し少女は
「ん、うん。私の名前はルシア・ベルファトゥーア。ルシアでいいわ。君が私が召喚した他人間ね?よろしくねっ!」
他人間?召喚?全然話がつかめません。
「どういうことかわからんのだが?」
と、ルシアに問う
「でわ!説明させてもらうわね。まずここランガレルアはあなたのいた世界とは別の空間にあるの。一応世界は何個かあるらしいのだけれどそれがあなたのいた世界とランガレルアってことになると思うわ」
うん。よくわからんが聞いておこう
「それと他の世界からきた人間を他人間と呼ぶ。まああまり変わりはないのだけれど違いは一人一人が加護と呼ばれる力を持っていることかしら?」
おぉ!なんか異世界らしい。
「そしてあなたがこの世界に来た理由は私とパーティを組んでもらう為!召喚させて貰ったわ。だから…」
さっきまでハキハキしてたのに急にもじもじしだした。
「あの、その…」
何だよ、この変わりようは?可愛すぎる。
「な、仲間になってくれるわよね?」
この少女は俺の大切なものを盗んでいきました。
「もちろん!」
俺は即答した。
「まぁよくわからないけど少しずつ説明してくれよな。」
すると少女はとびきりの笑顔で
「うん!」
それを聞いて俺も笑顔になった