最悪の始まり
アリスさんがランガレルアに向かったあと、ランキング上位者の招集理由がわかった。村長の話によるとベーグンという国の防衛らしい。
「ねぇ雄賀。今からランガレルアに行って加勢しない?」
ルシアが急に言い出した。
「な、何言ってんだよ。お前だって分かるだろ…お前は戦えても俺は戦えないんだぞ。」
「やっぱりそうよね…ごめんね急に。」
ルシアは何か理由があって行きたいのだろうか?
「見学。ならいいんじゃないでしょうか?」
口を挟んだのは村長の孫アバルムだった。前あった時はよく、見ていなかったがととった顔の俺と同じ位の歳の青年だ。
「見学…確かにそうね!水晶を使えば離れた所からも見れるもの!どう?雄賀!」
ルシアが嬉しそうに俺に聞いたら。そんなに行きたいなら行くしかないか…
「いいよ。わかった行くか。」
「やったー!」
俺達はランガレルアへ行く準備を始めた。水晶を使えば見れるらしいがルシアでももっと近くないと見えないらしい。アバルムはここに残るそうだ。
「そういえば、どうやってランガレルアに行くんだ?村の馬車はアリスさん達が使って行ったし。」
するとルシアが自慢げに言ってきた。
「雄賀何かを忘れてない?」
「え?何を?」
ルシアは外に来てと言い、ひらけた場所に来た。
ルシアは服の胸元からネックレスを取り出し太陽に掲げた。
「来て!」
ルシアが叫ぶと何か聞こえたような気がした。それはだんだん近くなり、正体が判明した。
「まさか?!神鳥ぉぉぉおお?!」
目の前にはとても美しい神鳥が俺の前で翼を動かしていた。
「ルルスと会う前よ。その時神鳥の儀式をやっていたでしょ?」
そう言えばやっていた。完全に忘れてた。
「でも、いつ仲間にしたんだ?」
「雄賀がアリスさんと特訓してる時よ私が何もしないのもあれだから。」
「そうか…」
俺は神鳥をまじまじと見た。そこで俺はある事に気づいた。
「なぁ…1ついいか?」
その言葉にルシアはドキッとした。
「な、何かしら?」
若干焦っているようだ。
「この神鳥…1人しか乗れなくね?」
そう。この神鳥は他の神鳥に比べて小さいのだ。ルルスの神鳥のような大きなのもいれば、小さなのもいるのか。でも、この神鳥の場合子供と、言った方が正しいかもしれない。
「しょうがないのよ!私の力じゃまだこの子しか出来なかったの!でも、安心して。」
「ん?」
「おわあぁぁぁぁぁぁぁぁあああ?!!!」
神鳥はルシアを背に乗せ俺を足で掴み飛んだ。
そして、村長に別れを告げ、ランガレルアへ向かった。
「うわぁ…高ぇよ…」
風をもろに受け落ちたらどうしようか考える。
「安心して。落ちても雄賀の落下地点に水を出してあげるわ。」
「安心できるか!」
そんな事を話していると左の方から他の神鳥がやって来た。
「おう!嬢ちゃんランガレルアに行くのか?お?坊主は何でそんな所にいんだ?」
「はい。ランガレルアに行きます。この子はしょうがなくあそこにいます。」
ニコッじゃねぇよ。笑顔見せたって可愛いだけだろ!おっさんは若干デレてるし。
「そうか。んじゃな!またどこかで!」
そう言っておっさんは飛んでいった。
「雄賀!見えてきたわよ!2度目のランガレルア!」
俺らはランガレルアの門の前で降りると、神鳥はルシアの言葉を聞き飛び立っていった。今から入国審査があるらしい。出る時は何もなかったのになぁ。
まあ、特に何かにあった訳でもなく難無く審査を通過して国に入った。
「やっぱり大国は人口密度が違うな。」
「そうね。」
俺らは安い宿屋を借りると部屋に入りポインターで現在の作戦の状況を確認した。
「そんなのも確認出来んのか。魔王軍に渡ったら危なくねぇか?」
「分からないけど。何らかの対策はされているはずよ。見て、今ベーグンに到着したみたい。」
画面にはマップと青い点が沢山表示されていた。
恐らく味方だろう。
ルシアは水晶を腰につけた袋から取り出すと机に置いた。
「じゃ、やるわよ。」
ルシアは水晶に手をかざした。すると青白い光とともに水晶の中が霧のように曇っていった。そしてだんだんと霧が晴れ中にアリスの姿が見えた。
「すげぇな。本当に見えるのか。」
「今、画面に映すわ。」
ルシアはポインターをいじり画面を指で壁の方に飛ばした。そして画面に水晶の映像が映った。
「よし成功。見たところによると、この作戦はランカー2人かしら?」
「前衛にいるアリスさんともう1人か?」
「そうよ。」
見ていると俺のポインターのマップに赤い点が表示された。
「敵が来たみたいだぜ。」
・ベーグン近辺
「リン。来ました。」
「アリス。もう感情出てるわよ…」
「すみません。でも…」
「わかってる。でも貴方が狂ったら作戦が無茶苦茶になる。だって今回は貴方が作戦の隊長でしょ!」
「はい。わかってます。」
前からはゾロゾロとスケルトンやゾンビの大軍が近づいてきていた。
「皆!ここに敵が来るってことは幹部がいてもおかしくないからね!しっかり戦いなさいよ!」
リンの呼びかけにたいし、戦士達は雄叫びをあげた。
「じゃあ、行きましょう。」
言葉を言い終わった瞬間アリスは物凄い速さで飛びだした。
「相変わらず速いねぇ。私も負けてらんないねぇ!行くよ!」
リンも飛び出し、戦士達も駆け出した。
そこには金属がぶつかる音。大砲の音。魔法の音が響いていた。アリスはどんどん敵を倒し前に進んでいった。そこでアリスはある事に気づいた。ある場所だけに敵がいない道ができていた。
「皆そこから避けて!!!」
その瞬間その道に1本の光の線が大きな音と共に放たれた。そこにいた味方は巻き込まれ、死んだ。
アリスの隣にリンが来て言った。
「アリス。今の…」
「っ…今のエナジーの量からして幹部…でも、見たことない攻撃…となると1番かもしれない。」
すると敵の軍勢が道を開けだした。
ザクっザクっと土を踏む音が響いた。そこに現れたのは黒い鎧で体を覆い、穴が空いた目から青い光を放つ骸骨が立っていた。
「アリスとリンか…相手にならんな。」




