表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

学園と嫌味と魔闘気

『思い出したぞ!ここは王国の魔法学園だ!』

『なんだそれは?』


勇者は見覚えのある景色だなと思っていた。

この世界に召喚される前に居た世界は魔法や魔力が存在しない世界だった。

能力値が高い勇者であったが魔法という概念を物語でしか聞いたことのない勇者は、召喚早々この学園に放り込まれたのだったそして勇者の恋人になる人と出会ったのもこの学園だった。


『―――そういうシステムがあってこの学園は魔法や魔術を学ぶ場所なんだ』

『ふむ、人族はこのようなことをするのだな魔族は地力しか信じない、他人に教えを請うなどありえない話だが、しかしこの学園とやらはいいな、我は魔族の中でも異端児での自分より強い魔族に勝負を挑み技を盗み修行をしていたのだ。ふむ、魔領にもこのような学園を強制すれば負けることもなかったのでは...』


なにやら魔王がブツブツとつぶやいている。


となるとこの光景には見覚えのある勇者だった。

これは魔術師の従魔を召喚させて戦わせる授業だったはず、となると自分を呼び出したのはこの少女となるわけか。


ゴブリンになった自分は少女をみつめる、青い髪に綺麗な顔立ちだが少々覇気がたりなく幸が薄い気もする。


「なに?どうかしたの?」

「グギャ!」


コミュニケーションを取ろうにもグギャしか言えないので困る。地面に文字を書こうにも地面が石畳なのだ。

すると少女が話しかけてきた。


「私の名前は、ライラ=サンダースよろしくねゴブちゃん!」


ゴブちゃんと呼ばれるのには抵抗があるがしばらくは我慢しよう。

この少女はライラと言うらしい、歳は見たところ14か15くらいだそうなると高等生の1年生か。

ここアルクト魔法魔術学園では初等部、中等部、高等部の3つがあり5歳から入学可能で初等部が4年、中等部が4年、高等部が2年となっている。飛び級もできるテストがあり知識と能力さえあれば後期の講習は次の学年の物を受けられるようになっている。


そんな事を思い出していると少女に向けて下卑た笑みを浮かべ話しかけてきた生徒がいた。


「まぁ!サンダースさんの使い魔はゴブリンですか とってもお似合いですこと」


そう女が告げるとライラは萎縮してしまった。

こういう時は口を挟まないほうがいいのは重々承知しているゴブリンさんだ。転生前でもこういう事はよくあった。要は自分の実力を示せばいいだけだ。

嫌味な女はそれを告げるとくすくすと笑いながら離れていった。


「グギャ!」

『『元気出せよ!』』


そう自分はライラを励ますようにライラの足をそっと叩いた。


「ありがとう ゴブちゃん ゴブちゃんも頑張って!」


忘れていたがこれは召喚した従魔を戦わせる授業だ、召喚して早々戦わせるのもどうかと思うのだが信頼度を上げるにはこれが手っ取り早いと昔聞いたことがある。従魔の身になってわかるがひどいなモンスターの思考回路なんぞわからんが奴らは戦闘狂かなにかなのか?


「みなさん!召喚は無事出来ましたか?」

「「「はい!」」」

「では従魔同士による模擬戦を始めます。順番に前に出てきてください」


教師がそう宣言すると順番に呼ばれた生徒達が前にでる。

魔王は何が始まるのかと言っていたのでこれは模擬戦だと伝える。


『しかしよもや人族の娘に召喚された挙句にゴブリンでしかもいきなり模擬戦だと?ふざけすぎだな』

『まあそう言うなって、こうなったのはしょうがないさ転生先に運がなかったんだよ』


そんなやり取りをしていると自分の番が近づいてきた。


『このまま行くとこのゴブリンの体だ、5分と保たないんじゃないか?』

『そうだな、魔闘気を練るか』

『魔闘気?なんじゃそりゃ?』

『なに!貴様!魔闘気も練らずに我と互角に戦っていたのか!?化け物か貴様!』


魔闘気とは大気中の魔素を体にまとわせ身体能力を強化する術だ、これを使える者は筋力、耐久、俊敏のステータスを一段階上げることができる熟練した者では二段階上げることもできると言われている。


『ほうほう、そんなものがあったんでございやすかー』

『貴様が知らなかったほうが驚きだ、あの馬鹿力は素か!」

『俺、転生チートだったからなぁ』

『とりあえず魔闘気を練る、今はスキル習得していないが我は自分で言うのもあれだが魔闘気の扱いには長けていたはずだ早々にスキルを習得するぞ』

『ほいほい、そんじゃまかせるわ』


ゴブリンは周囲にある魔素を感じ取り自分の体に纏わせていく、慣れない体だが人型のモンスターだからなのか早々に習得することができた。


―魔闘気1 を習得しました―


無機質な声が頭に響く。ゴブリンは更に練度を高め魔素と自分の体の掌握に神経を集中させる。


―魔闘気1 が 魔闘気2 にレベルアップしました―

―魔闘気2 が 魔闘気3 にレベルアップしました―

―魔闘気3 が 魔闘気4 にレベルアップしました―


ゴブリンは集中を解く、このスキルレベルなら安定して身体強化が行われる筈だ。


「そこまで! ではライラさんエリザさん前に!」


どうやら自分の番が来たようだ。


この時魔王は知らなかったのだが聖王歴702年、魔闘気を伝承するものは既に存在していなかった。失われたスキルとして文献に残っている程度の物で魔闘気を纏っている事を気取られる事はないのだった。









次は戦闘回!うまく書けるかな??

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ