変異
BLっぽいかもしれません
「喉、渇いた……」
ベッド代りに使っていたソファの上で、洸は薄っすらと目を開いた。
激しい喉の渇きに耐えられず、蛇口をひねり洸は流水に口をつける。
「ゴホッ、ゴホッ」
塩素くさくて飲めない。
「……コウくん?」
物音に気付いて、ユーシスは様子を見に来た。
「グルルル……」
獣のような唸り声を聞いて、屍食鬼の能力でユーシスは夜目を利かせる。
襲いかかって来た洸の頭を軽々と掴むと
「仕方ありません」
勢いよく、床へと叩きつける。
「がっ……」
もがいている洸を見て
「吸血狼の力が移った影響……いっ」
抑えていたユーシスの右手に、洸が噛み付いた。
ゴクゴク、と喉を潤す。
そして、顔を顰めると
「不味い……」
「飲んでおいて、失礼ですね」
眠ってしまった洸を見て、ユーシスは溜息をつく。
「一度、医者にみてもらった方がいいかもしれませんね」
♦︎♦︎♦︎
「やはり、私の服では大きいですね」
ユーシスから着替えの服を借りたが、洸には上着とズボンの裾に余裕がある。
まさに、服に着られている状態。
「ま、帰りにでも古着屋で購入しましょう」
何事もなかったように振る舞うユーシスを見て
「あの……昨日は、ごめんなさい」
頭を下げる洸。
「屍食鬼は、人間より傷の治りが早い」
気に病む必要はありません、とユーシスは洸が噛み付いた腕を見せる。
「俺は……どこか悪いんですか?」
「それを調べるのは、医者の仕事です」
洸は、ユーシスに連れられ病院に来ていた。
「こちらで、お待ちください」
十二、三歳位の少女。
この病院で働いているのは若い子供。
「また、ホムンクルス増えてますね」
「ホムンクルスって……人工生命ですか?」
見目麗しい銀髪赤目の少年・少女。
あきらかに、人為的に作られた存在。
「ここは、院長の趣味で職員がホムンクルスです」
要するに変態です、とユーシス。
「聞き捨てならない。君には、ホムンクルスの芸術が分からないのか?」
陰鬱な表情の白衣の男。
「永遠のロリとショタこそ至高。愛でる価値がある」
表情とは裏腹に、言ってることはどうも危ない人間。
白衣の男は、洸を見て目を光らせる。
「君、いくつだ!?」
「え、俺……?」
洸は戸惑いながらも
「……十六です」
それを聞いた男は「チッ」と舌打ちをして悪態をつく。
(何がしたいんだろ……この人)
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