09
「はぁ、寒い」
あれから私も結局寝てしまっていた。
床に雑魚寝は、久しぶりで体のあちこちが痛い。
「起きたんだ。
まだ、寝てていいのに」
ふと、声をする方を見ると美紀がキッチンで料理しているのが見えた。
そっか、昨日は美紀と私の家で飲んだんだ。
大人でしっかりした人間は、お酒を飲んでも次の朝も抜かりないんだー
ふと味噌の香りで、そう思ってしまった。
最近、料理もきちんとしてないなー私。
「そうそう、雪
携帯なってたよー
無機質な音じゃなくて、女の子らしく可愛いのに変えればいいのに
可愛くないんだから」
携帯が鳴ってたんだ、美紀から渡された携帯を受け取る。
けど、どうせお母さんだろうなー
今年の大型連休は帰ってくるんなら、旅行にでも行こうって
この前話てたしね!
「どうせ、お母さんだと思うよ。
この前旅行に行こうって話してたから。
それについてじゃない?」
「お母さんと旅行に、いつ?」
美紀がキッチンからにゅっと首を出してきた。
「この大型連休にね」
「ふーん。
この大型連休って、私彼氏と り ょ こ う」
うふっという話をしてくる奴
むかつくー!
「いいもんね、家族みずいらず
と携帯を開いた瞬間ビックリしてしまった。
そこには、予想もしない人物の名前があったから。
「瀬崎さん?」
「へぇ」
「顔に出るっていってるじゃん、雪。
まぁ、良いタイミングでの連絡よね」
休日であいてる日がありますか?
少しお話したいです。
たった二行のメールだったけど、
私をビックリ驚かすには充分な内容だった。
「ちょっと貸して!
明日でも大丈夫です。と」
ちょっと、しまった。
あれよあれよと、手の中にあった携帯が美紀の元へと渡ってしまった。
「もしかして送ったとか、、?」
「送って大丈夫でしょ
あんたフリーなんだから、日曜暇だし
話は早いほうがいいし」
とあっけらかんと話す。
せっかく明日は瀬崎さんとデートなんだから
綺麗な服きないとね!
今日の予定が決まった!と美紀はお玉を振りかざしながら話す。
今日も明日も部屋に引きこもろうと思ったのに。
というか付き合ってないんだから、デートっていわなくない?
話の内容だって、そんな甘い内容じゃないし
ダメだ。。。