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連れて行って貰ったのはお洒落なcafeだった。
さすが、慣れてるなーと感じる。
「パスタが美味しいからどうぞ」
言われるままに、注文してパスタを美味しく頂いている訳だけど
これで良いのだろうか。。。。
「相田さんは、あの話についてしたいなっていう顔してるね」
さらっと瀬崎さんは言った。
「そんなに私、顔に出るタイプですか?」
ちょっと美紀に続いて、顔に出るって
ちょっと馬鹿にされた感じで、ムカツクんですが。
「他の誰かにも言われたの?」
「美紀、あっ藤井さんです」
そうか、藤井さんと仲が良いんだね。
君達は確か同期だったけと、彼は優しく笑いながら言った。
「何で、あの時一緒に反対してくれなかったんですか」
このままじゃあ、何か色んな物に流されそうな気がして
とりあえず単刀直入に話をぶつけてみる事にした。
瀬崎さんは、あぁ直球できたねという顔をしている。
「何でって、面白そうだったから」
「はぁ!?」
くすくすっと笑いながら、彼はまだ話を続ける。
「君のその反応とか
そういう話も面白いなって思ったんだよ。
仕事は面白いけど、それ以外は単調な毎日だしね」
うん?ちょっと可笑しくなってきている。
ちょっと待って!
「いや、だってあれは瀬崎さんだって嫌でしょ
彼女も家に呼べなくなったりするんですよ」
そうだ、こういう人間には大体は途切れずパートナーがいるはずだ。
「いないよ。
三ヶ月前に別れたというか、一年海外に居たから実質もう居なかったと同然。
君は?」
こっちが聞いていたはずなのに、逆に聞き返されてしまった。
「い、いませんけど」
どう言っていいのだろうか、自分から切り出しておいて恥ずかしい。
「じゃあ、決定ということで
というか、相沢さん。
社長があれだけ関わってるプロジェクト簡単に降りれると思ってたの?」
「へ?」
「あの場所は、もう決定事項の伝達だったんだよ。
表向きは他の人間も居たから、ああだったけど」
もう、何回だろうか頭が真っ白になってしまったのは
強制参加なんだ、この任務は、、、、
「と、僕は前から君に興味があったしチャンスだと思ったのも確か。
これから上手くやっていこうね」
瀬崎さんから出された右手を、私は力無く握ってしまった。
この関係上手くいきますか?本当に
社会人数年目に、ぶち当たったこの壁を私は上手く乗り越えられるのだろうか