詩 メモ帳は白いまま捨てられたくない
「新しいメモ帳買ったし、こっちはもういいや」
「だって、同じ柄のやつ飽きた。最後まで使い切るの超めんどー」
メモ帳は白いままは嫌だ
何か 何でもいいから書いてほしい
何もないまま 真っ白なまま
メモ帳として生きられないまま
捨てられるのは
とても我慢ならない
ちょっとした事でいい
らくがきでもいい
たった一文字だけでもいい
メモ帳として生まれてきた意味を
メモ帳として生きられた生を
与えてほしい
だからメモ帳は白いままで捨てられたくない
たった少しでも
ほんのちょっとでも
何かをつづってほしい
「あら、このメモ帳まだ残ってるじゃない」
「あの子ったら。最後まで使い切らない内に捨てるなんて、勿体ないわね」