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オマケ

童話ではありません。


「ナナミとモエたん」最終回でアイドルになったナナミちゃん(忍野萌海)がゲスト出演したラジオ番組の様子を台本風に書いたものです。


この話によって、今まで公式企画で書いた


「宝探し(春の推理)」

「FM青木ヶ原(夏のホラー)」

「ポストさん(秋の歴史)」

「ナナミとモエたん(冬童話)」


が全てつながります。

「FM3776(ミナナロ)モーニングッド! 番組MCの鈴本ショウです。ここからはゲストをお呼びしています。本日のゲストは……あっいねーか」

「おーい、いるよー! ちゃんと扱ってー!」

「はいはい、いつもの萌海ちゃんでーす!」

「はぁ~~い!! げんきばっくはつじがじさぁ~ん!! みんなの地~元アイドルぅ~……忍野萌海(おっしのも~えみ)だよ~ん!! ……って、紹介雑っ!」


「だってもう散々出てんじゃん、今更話すことなんてあるの?」

「あるある! だってこの番組に出させてもらうときってレポーターとかそんなんばっかじゃん! 今日はゲストゲストッ!」

「はーい、じゃ誰も興味ないと思うけど萌海ちゃんに聞きたいことがありましたらメールかFAXくださーぃ! フリーメッセージでも結構でーす」

「こら手ぇ抜くな鈴本ショウ! 興味あるある! お待ちしてまーす!」

「じゃ一旦CMを挟んで、萌海ちゃんに帰ってもらいます」

「帰らないよーっ! しがみついてでも居てやるぞぉーっ!」


(CM中)


「相変わらず全開モードだねー萌海ちゃん」

「だって、リスナーが喜んでくれたら私もウレシイもん」

「そうだね……じゃ今回も遠慮なくイジり倒すよ」

「はーい、よろしくお願いしまーす!」


(CM明け)


「それじゃ萌海ちゃん! 今更だけどアイドルを志したキッカケとかあったら教えてください!」

「はいっ、私は小さいときアイドルとか興味ない……っていうかどちらかと言うとキライだったんですけど……」

「えっ!? そうなの?」

「はい、でも私が小学2年生のとき、クリスマスに父がクマの()()()()()を買ってきてくれて……【モエたん】って言うんですけど、そのモエたんに夢の中で『人を楽しませて幸せにすれば、それが自分の幸せになる』って言われたんです。で、人を幸せにできるお仕事としてアイドルを目指すようになりました!」


「あぁ~っ……夢女子?」

「そう言われると思いました。でも違いますよ」

「あははっ……で、オーディション受けたんだっけ?」

「はい、2012年に地元で『Φ(ファイ)ブレイク』というアイドルグループを結成するって企画がありまして、それに応募しました」

「(合格する)自信はあった?」

「全っ然! それどころか応募書類を出そうとしたらポストの前で足がガクガク震えちゃって……」

「ええっ、マジで?」

「はい、でもそのとき目の前の【ポストさん】が話しかけてくれて……やるかやらないか迷ったら『やる』を選んだ方がいいって背中を押されて……それで応募したんですよ」


「やっぱ夢女子じゃーん」

「だからぁ~、違いますよ!」

「まぁキミは前々からヤバいヤツだと思っていたけど……色々と」

「おい、どういう意味だ?」

「で、メンバーになったんだよね? Φ(ファイ)ブレイクの……」

「初期メンバーでぇっす! メンバーカラーは萌黄色でーす!」

「で、彼女たちは大ブレイクして全国進出したんだよね……萌黄色以外は」

「はい、私は理由(わけ)あって……」

「脱こぅ……じゃなかった脱退したんだよね?」

「えっ、今ヘンなこと言わなかった?」

「何で脱退したの?」

「ヒ・ミ・ツです♥」

「あっそ、まぁ以ボ……じゃなかった以後、萌海ちゃんは()元アイドルとして活躍することに……」

「今わざとらしい間違いしたよね? ってか何で『地』にアクセント付けたの?」


「はい、それじゃゲストの萌海ちゃんへリスナーさんからの質問コーナー!」

「あーっ、話逸らしたな!」

「ですが……メールが1通しか来ていませーん!」

「うわっマジでぇー!?」

「じゃ、その貴重なメールを読みますね……ラジオネーム・ジローさんから」

「あっ、もう読まなくていいです」

「えっ?」

「コイツ、私の動画チャンネルで常連なんですよ! 私的には出禁なんですけどスタッフが面白がって読ませようとするんです……どうせアレでしょ?」

「えぇっと……『ズバリ聞きます! 萌海ちゃんはキレてますか?』」

「キレてねーよ! で、どーせ次の質問は『じゃあイ●ですか?』でしょ? ラジオでやるなー!」

「えぇっと、何か楽しそうな動画サイトだね?」

「はーい、『萌海ちゃんねる』といいまーす。生配信もやってまーす! 恋愛相談以外なら何でもやってまーす! ぜひ見てくださーい」


「しっかり宣伝までされたところで……実はもう1通あるんですが」

「あるんかぃ!」

「うん、だけどこれ……()()なんだよね。実は事前にもらっていて……」

「えっ、手紙? 珍しいですね」

「フリーメッセージ……になるのかなぁ、ちょっと変わった内容なんだけど……読みますね! えー、ラジオネーム・ねばぎばさんから! ショウさん萌海さん初めまして、こんにちは」

「こんにちはー!」

「僕は14歳、中学3年になりますが現在学校には通っていません。いわゆる不登校です。去年の夏に僕が経験した不思議な話を聞いてください。当時の僕は学校でイジメに遭っていました。そして悩んだ挙句、自殺をしようと考え、青木ヶ原樹海に足を踏み入れました」


「えぇっ!? 話が重い重い!」

「ショウさんのファンだった僕は、最期にこの番組が聞きたくなり()()()の電源を入れました。すると聞こえてきたのがいつもの3776(ミナナロ)じゃなくて【FM青木ヶ原】という聞いたことのない名前の放送局でした」

「えっ……何それコワいコワい!」

「でも初めは普通にショウさんの番組を放送してたのですが、途中から内容がおかしくなってきました」

「きゃーっ! ヤバいヤバい……」

「なぜか僕の葬式が中継されたんです。そのときのレポーターが何と忍野萌海さんでした……えっ何!? 萌海ちゃんそんな仕事してたの?」

「してませんよぉ!? ってかショウさんも他局でそんな仕事してたの?」

「いやオレもしてないよ……じゃ、続けるね……初めはデリカシーの無い中継をしているお2人に対して正直イラ立ってきていましたが……」

「イヤイヤ、だから私じゃないって!」

「でもラジオの中で萌海さんが言っていた『どんなに辛くても、生きていれば必ずイイことがある』という言葉……それとショウさんのアドバイスを信じて僕は生きていこうと決心しました。今は自宅で学習しながら、通信制高校を受験するつもりです。ショウさん、萌海さん、あのときは本当にありがとうございました」


「おーい、ねばぎばくーん! それ、私じゃないよー! でも……」

「でも?」

「私がそのニセモノ萌海だったとしても、同じこと言うだろうなぁ……私もアイドルやってて辛いこととかありましたからね」

「そうだよねぇ……正直、全国デビューしたかったでしょ?」

「うーん、まぁしたくないって言えばウソになりますけど……でも地元のイベントでファンと直接触れ合えるのもこれはこれで楽しいですよ! (Φブレイクの)メンバーも、それに関してはうらやましいって言ってましたよ」

「へぇー、そうなんだ! ところで萌海ちゃん、今も辛いよね?」

「えっ何でですか?」

「いや……()元アイドルとして色々と……あっ、今日はおシr……」

「はいCMでーす!」

「おい! 勝手に進めるなぁー!」


(CM)


「さてさて、今日は地元アイドル・忍野萌海ちゃんをゲストに迎えてお送りしておりますが……今日はスタジオの前に大勢のファンが詰めかけて来てますねー」

「あっ、ありがとうございまーす!」

「いやー大変だったでしょ? これだけサクラを仕込むの……」

「ちょっ何てこと言うんですかー!! みんなファンの子ですよー!」

「えー、ここで萌海ちゃんの曲をお送りしたいと思いますが……あるの?」

「あるよ! 新曲出したばっかですよ!」

「さて、今度の新曲なんだけど……これってカバー曲だよね?」

「はい、この曲は1980年に石野真子さんが歌った『春ラ!ラ!ラ!』という曲なんですけど……」

「なーるほどー、いよいよ作詞家や作曲家も(忍野に)作るのが面倒くさくなったからカバーでいいやってことになったの?」

「ななっ何言ってるんですかー! それってカバーを歌う全てのアーティストに失礼ですよ! 謝ってくださーい!!」

「それでは忍野萌海で『春ラ!ラ!ラ!』、どうぞ!」

「こらー、無視すんなー!」


(曲再生中)


「あぁっ! しまった!」

「どうしたんですか? ショウさん」

「この曲、リクエストあったんだ……メール読むの忘れた」

「ちょっ、何てことするんですかー!? リクエストあったの? それってその方にも私にも失礼ですよ」

「あははっ、ごめんごめん……っていうかこのメール、ちょっと変わっててね」

「今日は変わったのが多いですねー、何ですか?」

「うん、これって甲府市内の高校の先生が送ってきたメールなんだけど……なぜかこの時間を指定してるんだよ。何でもこの曲を、自分が顧問をやっている部活の生徒さんに聞かせたいとか……」

「えっ、何で? 別に応援ソングじゃないけど……」

「体育会じゃなくって……『推理・クイズ研究会』って部活らしいけど、生徒さんが参加している【宝探し】ゲームのヒントになるんだって! これは読まないでって書いてあるんだけど……どうやらゴールが『わに塚の桜』らしいよ」

「へぇ、わに塚の桜かぁ……まだ満開なの?」

「みたいだね、今年は遅れているらしいよ」

「ふーん……そういやスタジオ前の()()()もまだ咲いてますよね」




「春だねぇ……」

「来年もこうして桜を見たいですねぇ……」




(終わり)

最後までお読みいただきありがとうございました。


私の作品(連載作品)はキャラクターや舞台設定などでつながっている部分がいくつかあります。もちろん、単体でも読めるようにしてありますが、他の作品を読んでいただくと「裏設定」などがわかる場合があります。よろしければ他の連載作品も読んでください。


参考までに上の4作品の「つながっている部分」を時系列でまとめてみました。ネタバレが含まれておりますので、これから読まれる方はスルーしてください。




1972年12月

鳥居地(旧姓・吉村)文名(ふみな・5歳)が「ポストさん」と出会う。

1987年8月

文名(女子大生)が不審者に追いかけられるが、「交番の巡査」に助けられる。

2008年12月

忍草七海(ナナミちゃん・小2)が「モエたん」と出会う。

2009年1月

ナナミちゃん、アイドルになる決心をする。

2012年8月

七海が叔母である文名の家に居候する。応募書類を出そうか迷っていたときに「ポストさん」と出会う。

2016年8月

目羽谷明(中2)、イジメを苦に自殺するため青木ヶ原樹海に入る。そのとき居合わせた女子大生から「熊よけの鈴」をもらう。自殺を止めた明を、駐在所のお巡りさん(文名を救った巡査と同一人物)が保護する。

2017年4月15日

韮崎駅で西田が「熊よけの鈴」を持った女性を見かける(目羽谷明が出会った女子大生と同一人物)

西田、中村、山城の3人が「宝探し」ゲームに参加する。途中立ち寄ったコンビニの店内でラジオから忍野萌海ナナミちゃんの歌が流れる。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 機嫌が悪い時にぬいぐるみに八つ当たりすることもありますが、 後味が悪くなるものですね。 ナナミさんがモエたんを大切にするようになってよかったです。
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