リリヰスの残兵14
富国強兵が、富国強兵じゃない?
いやちょっと待った。
待った待った待った。
思わず声を上げそうになるオレの口を富国強兵の手が塞ぐ。
ついでに暴れないように、背後に回って首もロックされた。
「……………!」
パニックに陥るオレに対し、富国強兵は空いた方の手で人差し指を立て、手で塞がれたオレの口元へと寄せる。
「しぃーーー………静かにしろ。九雷子達に勘づかれる。」
勘づかれる為にやってんのォ!
なんでもいいから声、いや音を出さねえと!
ブーーーーッ
屁が出た。
近年稀にみる爆音の屁が出せたが、お外で出した屁というものは、思った以上に届かないものである。
屁は虚しく拡散していき、再び辺りには静寂が訪れた。
どう考えてもあっちの方には届いていないが、耳を澄ませて警戒する富国強兵。
近くに二人の気配が無いことを確認すると、オレの首をロックしている首に力を込める。
「いいから落ち着け。敵ではない。考えてもみろ、いまお前の命を狙ったら、世界はこのままなんだろう? さっきまで話を聞いていたオレが、それを知った上でお前の命を狙うと思うか?」
思う思う思う!
そんでお前は大気が無しでも平気で、絶対零度でも活動できる正体不明のモンスターに違いない!
ブッブッブーッ
ブブッブブーゥゥゥ……スーッ…………
駄目だガス欠だ。
もう駄目だ。終わった。
「落ち着け狭間残兵。お前を騙し討ちするつもりなら、さっきの話をするメリットはないだろう? それにお前の命が危うくなれば未来予知が発動するはずだが、そのような予兆もない。考えろ狭間残兵。」
んなこといっても展開がホラーすぎたろ。
急にびっくりさせんなや。
でも確かにそうだよ。
未来予知が発動してねえ。
何も起きてねえ。敵意もねえ。
わかったよ、とりあえず大人しくするわ。
富国強兵の腕をタップする。ギブアップってやつだ。
拘束を解かれ、一呼吸して富国強兵へと向き直る。
「…………んで、アンタは誰なんだよ?」
「富国強兵だ。」
「おま……嘘を……!」
「違う違う。本当に富国強兵ではないんだ。だがさっき試した方法では、オレを富国強兵ではないと自白させることは出来ない。」
「どういうことだ?それが裏ワザか?」
「そうだ、裏ワザだ。」
「なんのメリットがあるんだよ。」
「それは個人的な問題だ。」
「そうか。オーーイ九雷s」
目にも止まらぬスピードで押さえつけられる。
「いでででで、冗談。冗談ですってば。」
声を聞きつけて九雷子が近づいて来たようだ。
「どうしたんだいザンペイ君?何か声を上げたようだが。」
そういって向かって来た九雷子はオレ達の姿を見ると




