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エリヰトの繁栄1

景色は見慣れた路地の上。

眼前に現れたるは竹馬の友。


顔つきこそ昔のままのシバタタカシだった。

怒ったカボチャと形容するのが一番しっくりくる、そこそこ無骨な固い表情。

だが肌の色は青黒く、目玉は3つあった。


頭がどうかしているのか、タカシは蛇の上でダンスをしながら自分の股間のゾウさんを手刀で削ぎ落としている最中だった。


ガネーシャは股間のゾウさんではなくて垢なんだが、このシヴァ神は知らんとみえる。

素養の無さが災いしたのかLGBTが悪い方向に作用したのかわからんが、己をも破壊する姿からして、破壊神シヴァ関連なのは間違いない。


シヴァが顔を上げた。


「ザンペイじゃねえか」


声ですら圧を感じる。

コンビニに面接に行った時の圧迫感の比ではない、巨大な拳の形をした声が身体を通り抜けたような音圧。


「おうタカシ、何やってるかは聞きたくもないが、今は一体どうなってるんだ?」


「知るかよ、気づいたらこんなんなっててよ」


こんなん、というのが股間の話なのか風貌の話なのかわからんが、どっちも地雷な気もするのですっとぼけてみることにした。


「周りもこんな感じってことか?」


どんな感じか自分でもわからんが、無難な質問だ。


「いや、妙な厳ついババアが出てきてな。名前通りの存在にしてやるとかなんとか言われて、気がついたらこうだ」


どうだ?

こうって、その股間から分離したリンガの話がこうなのか、それとも風貌がこうなのか。


「さっき、あっちの通りでアイツを見たぞ。寺の息子のアイツ。マキシマ。」


「あー、ヘルメット博士か。あの大人しい性格の」


あだ名の方で言ってしまったが、タカシも頷く。


「そうだ、ヘルメット博士だ。でも随分と雰囲気が違ってたぞ。コカインに爆竹でも混ぜたんじゃないか、アイツ。破裂して死ぬんじゃねえかってぐらい元気そうでさ。」


「おい、破壊神シヴァ闘士が見送るレベルの元気くんなのか?ヘルメット博士だぞ?」


お?シヴァ闘士の眉が吊りあがった。


「お前、オレの新しい真の名前がわかるのか?」


思わず口が滑ったが、まあ中身はタカシなので問題なさそうでもある。


「おそらく、だけどな。見た目からしてゴリゴリのネタバレしてるし、お前の名前がシバタタカシだからな。シヴァ、闘う、士でシヴァタタカシだなって感じがしたよ」


「ザンペイ、相変わらずキモいなお前」


「うるせえな。博覧強記って言えよ。ちなみにガネーシャはお前の息子だがチンコの事じゃねえよ。嫁のパールバディが垢から作った子供で、首を刎ねられてからゾウの頭がついたんだ。お前のゾウさん分離行動とは何の関係もないぜ」


「……マジかよ」


タカシはうつむき、頭を抱えた。

取り返しはつかないし、チンコもつかないだろう。シヴァ(女)か。ウケる。


「お前はどうなんだ」


漢字変換後の名前のことか。


「オレは今までと変わらねーよ。見た目だって酷いまんまだろ?おそらく食物連鎖の階級でいっても下の方で固定さ」


「残PAYとかか?」


「ただの小銭じゃねえか、それ」


小銭すら残さず財産は焼き尽くしたが、アレはチャラになったのだろうか。

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