トラヰブの狂宴4
チンポコリンと名乗る男は、傾奇者ってこんな感じだろうなといった出立ちだった。
ていうかマジでこいつ、いつのまにいたんだ?
チンポコリンは地面に木の枝で文字を書き、それを指差しながら読み上げる。
「珍!」
「矛!」
「林!」
ああ、はい。
チンポコリンは息を吸い込み、大きく叫んだ。
「珍矛林(チンポコリン!)」
「いやあるかよそんな名前」
ねえよ、絶対ねえよ。
ネーミングだけなら残兵より酷いわ。
「猫台風!来たぞ!」
「遅いニャ」
「別にいいだろ!来たんだから!」
あら知り合い?
状況が掴めず、目を白黒させてるオレを横目にオーク魔が呟く。
「本当にいたんだ、チンポコリン」
「なんだよその幻獣みたいな扱いは。普通に考えてもいないだろそんな名前の人間は」
いたらゴメンな。
「チンポコリンは人間じゃないニャ」
「そうだ!オレはチンポコリンだ!」
「ちょい黙るといいニャ」
「………!!」
無言で何かを叫ぶようなジェスチャーをしつつ、チンポコリンは静かになった。
なに、どゆこと。
「この不審な傾奇者は人間じゃないって?ホームレスだから人権ないですとかそんな話?」
「猫ニャ」
はーん?
「真名再臨は人間だけじゃなかったニャ。全生物ではないと思うんニャけど、コイツみたいな家猫の一部は新しい名前を得て人化してるみたいだニャ」
チンポコリンが大きく頷く。
「コイツは人間好きで、猫の中でも陽キャだニャ。人化したのと名前が説明できる喜びでいつもテンションが振り切ってるニャ」
なるほど。
オーク魔が訊ねる。
「それで珍矛林さんがどうしてこの公園に来たんですか?」
「コイツは戦闘に関してはかなり役に立つニャ。しかも猫で私の手下ニャ。連れてけば色々と助かると思うニャ。」
チンポコリンは大きく縦に首を振っている。
もはやヘッドバンキング。首悪くするぞ。
「ただし頭はクソ悪いから、私と一緒に行動するニャ。猫の気まぐれさは豚と残兵には荷が重いニャ」
「ぶ、豚は知能高いですよ。人間で言えば3歳程で、これは一般的な犬よりも」
「オーク魔ウザいニャー」
だよねー。
猫ちゃんの辛辣な一言に黙るオーク魔。
コイツ、ホント豚の事となると熱い男になるな。そのくせ共喰い大好きなのは理解できんが。
まあでもチンポコリンは仲間か。
そうか……。
猫、豚、中身猫。まだ人間はオレ1人か。
「珍矛林が合流した今なら、オーク魔もいる事だし百人力ニャ。もし犬っころどもと遭遇しても多分大丈夫ニャ」
「おお、オレは絶対に死なないってことか」
「ザンペイは絶対に死ぬニャ。」
「oh……」
「とりあえず夜中に歩き詰めだったからここで仮眠でもとると良いニャ。周りには私の手下もいるから、もし何かあれば起こしてやるからあの遊具の中で横になるニャ。」




