第55話 夜会という名の・・・
夜会が開かれるため俺はミアたちに話をする。
「あのさ、今日お城で紅を開いてくれるらしいんだけど、皆んなどうしたい?」
「私行きたいです、父や母とも次いつ会えるかわからないですから。」
ミアは乗り気だ、他の二人はどうだろう?ジョンもシフも我かんせずと二人で戯れあっている。
「私はミアちゃんにお任せします。ここはミアちゃんのお家ですし、ミアちゃんの自由にしたらいいです。」
「そうだよ、ミアの好きにしなよ〜!」
ココもエミリアもミアに近寄り二人で抱きしめる。安心したミアは二人を抱きしめて、それを見たジョンとシフが周りをキュイキュュイ言いながら飛び回った。三人には特別なドレスを用意しないとな。
「ケンゴさん私たちの着るドレスは私たちで用意しますね。」
「へ?いいのか?せっかくだし俺がと思ってたんだけど…」
三人は顔を合わせて「「「大丈夫です!」」」と言って部屋を出て行ったシフもジョンも一緒に
いなくなり、部屋には俺だけが取り残された。何しようかなーなんて考えていたらふっと思い出したことがある。
「おーい、ナビさん」
『あ〜?なんすか?また私で遊ぶんっすか?』
「なぁ、マジで悪かったからそろそろ機嫌直してくれよ。」
『別にーきげんわるくないしー』
「なぁ!お前がいつまでもそんな調子じゃもう呼べなくなるぞ!」
『うぅ…私だってあんなことされて…それでも我慢してるんだもん!』
「だからさ、本当に悪かったって!それでナビにお詫びとお礼をするつもり立たんだけど、お前がいつまでもそんな調子じゃ、ちゃんとした話もできないだろ。いい加減機嫌直してくれ。俺にはお前が必要なんだから。」
『え?!ケンちゃんそれほんと?本当にそう思ってるの?』
「あぁ、お前は俺にとって唯一無にの相棒なんだよ。」
『ち、ちなみにお礼って何してくれるの?』
「まぁそれなんだがな…ちょっとやってみていいか?」
『また変なことしたら…今度はもう絶対許さないからね!』
そういうと俺は庭に出てガレージをだす。中に入ってあることそすると…
「えぇぇぇぇぇぇぇ?!けんちゃんこれどうなってるの?!」
とナビの叫び声だけがガレージから漏れていた。
夜会に行くためにミアたちはドレスに着替える。俺も最低限の礼服をと思い、ミオリムさんに相談すると、ミオリムさんがメイドを呼び俺は連れ出される。採寸されて、出て行ったメイドたちは小一時間で服を持って戻ってきた。
白ベースの礼服だ、ところどころ刺繍がされておりどこかの貴族のお坊ちゃんのようにも見えなくはない。
そういえばフレイもこんな服着てたな。まぁあいつは王族だしな。髪の毛をセットされるサイドを後ろの流して前髪をチョロっと出した感じだ。メイドさんたちにはおにあですよなんて笑われながら、馬子にも衣装ってのはこんなときに使うのかな?なんて思ったりもした。夜会が始まるまで俺は別室に通される。
「お?なかなか似合ってるじゃないかケンゴくん。」
「ちょっとあまりからかわないでくださいよ、ヘイベルグさんだってビシッと決めてるじゃないですか。」
「そりゃ王族の前で変な格好できないだろ。俺なんてしがない田舎領主なんだぞ?」
「しがないってあんなに大きな街をまとめ上げてるじゃないですか、立派な領主様ですよ。その後はどうなんですか?」
「まぁ、ケンゴくんたちのおかげで街はなんとかまとまりを戻せつつあるよ、それとココには内緒だが、毎年6月6日はココの日という風にして『ココ祭り』なるものをやろうと住人たちがさわだしてな・・・まぁせっかくだし許可してやったよ。」
ハイベルグさんはわはははと楽しそうに話していた。ちなみのこのココ祭りは後でココにバレて大激怒するココを俺たちなんとか宥めて継続させることになるというのは別の話。ハイベルグさんとの話も色々と弾み時間が経った頃俺とハイベルグさんが呼ばれる。
「ハイベルグ殿はそちらからお入りくだされ。ケンゴ殿はわしについてきてくだされ。」
年老いてはいるが少し貫禄のある爺さんに俺たちは指示を受ける。こんなじいいさん何処かにいたか?初めて見る爺さんではあったが素直に従うことにした。
「しかしお主もなかなかやるではないか、なんな女子を三人も。」
「は、はぁ・・・」
長い廊下で爺さんは俺に話しかけてくる、どこかでみたことあるけど誰だかわからない・・・ん〜誰なんだ?
「さてケンゴ殿、こちらが今夜の夜会の会場になりますゆえ、扉が空きましたら中に進んでくだされ。」
そういうとじいいさんは扉の前を通り過ぎて別の場所に歩いて行ってしまった。目の前には馬鹿でかい豪華な左右びらきの大きな扉がある。なんで俺だけしかいないんだ?とか思ていると大きなファンファーレの音ともに扉がゆっくりと開いていく。眩しい光が俺を照らし出し大きな拍手が出迎える、俺は目を手で隠すように日傘を作るとようやく目の前に人がいるのが確認出来た。そこにいたのは、ミア、エミリア、ココの三人だ。三人とも純白の綺麗なドレスを着てまんべんの笑みでこちらを見ている。思わず見惚れていた俺を三人が手を取り部屋の中に引き入れる。何が起こったのかわからない俺はなすがままの状態で歩き始めた。センターに豪華な赤い絨毯が引かれ左右にはいろんな人が立ち並ぶ、その中にはハイベルグにリョウコの姿もある、リョウコはハンカチで目頭を抑えつつもおめでとう!なんて言っている。よく見りゃ貴族のお偉いさんばかりが並び警護に騎士団までついてやがる。
「ちょ三人ともこれは?!」
「見ればわかるじゃないですか?ケンゴさん?」
「そうだよケンゴ!そのまんまの意味だよ!」
「そうなのです!そのままなのです!」
「「「私達の結婚式!」」」
「です。「だよ!」「なのです!」」」
俺はあいたくちが塞がらないまま赤い絨毯をすすんでいた。何とか意識を戻そうとして頭をぶんぶん降って三人を見渡す、三人ともしてやったりという顔をして俺を見ながら絨毯の上を進んでいく。
「三人ともこれいつから計画してたの?」
「ドレスを買いに行った時ですよ?ケンゴさんをびっくりさせようって、ココもエミリアもノリノリで承諾してくれました。あ、ちなみに会場の手配などはすべてママが手配していますからね。家族そろってケンゴさんにドッキリを仕掛けてみました。」
「・・・ドッキリどころの騒ぎじゃねぇ。」
「でも、私たちみんなケンゴさんのお嫁さんになるのは決まっていたんですから、ね?結果的に丸く収まっていいじゃないですか。」
「まったく、少しくらい相談してくれれば・・・」
「それじゃサプライズにならないのです!内緒でやるからサプライズなのです!」
そりゃそうだ、ドッキリだサプライズなんかは内緒でやるからいみがあるしなぁ・・・なんか仕返し、じゃなくてお返ししたいよなー・・・なにかないかな・・・
『なんかいいほうほうないもんかな~・・・三人をびっくりさせる方法・・・』
『はいはいはい!あるよケンちゃん!とびっきりのが!』
『え?ナビに何かいい考えでもあるのか?』
『うふふ!任せて!』
少し不安だがちょっとナビに任せてみるか。もうすぐ神父の前についてしまうしその前にできれば・・・
『ケンちゃん!今だよ!右手を天に掲げて!』
俺はナビに言われたとおりにその場に立ち止まると右手を上にあげる。三人ともが俺を見て、え?という顔をしていると神父の後ろにある大きなステンドグラスが光り輝き会場内にどこからともなく表れた様々な色の花びらが舞い上がる。それを見ていた参列者たちから大きな歓声が沸き上がる、さらにナビの指示は続く。
『ケンちゃんそこで指パッチン!』
俺は言われたとおりに指を鳴らすと、舞っていた花弁が一斉に鳥の姿に変わる。さらに、突然の突風が吹き会場の窓ガラスが開かれると一斉に鳥たちが外に飛び出す。三羽の鳥が会場にとどまり、ミア、ココ、エミリアの前でとどまっている。ふと手を出したエミリアの前で鳥がポン!という音ともに青いバラの花束が現れエミリアが両手でキャッチする形となる。それを見ていたココもミアも鳥に触れると同じく青いバラの花束に代わる。誰かが小さな小さな声でぽつりと呟いた、本当に聞こえるかどうかわからないくらいの小さな声で、静まり返った会場でほんのかすかに聞こえるくらいの小さな声で・・・
「青いバラの花ことばは・・・神の祝福」
その聞き取れるか取れないかの声に波紋が広まり、会場から一斉に神の祝福だ!という歓喜に満ちた声が上がる。
『ちょ!ナビさんやりすぎじゃない!?ってかどうなってんのこれ?!』
『え?ケンちゃんの新しいスキルだよ?』
『は?!しらないんですけど!?ってか青いバラの花言葉って神の祝福なの!?』
『え?しらないwwまぁ、私も一応だけど神の部類に入るからそれはそれでいいんじゃないの?あ、ちなみにケンちゃんの新しいスキルは『宴会芸大規模手品』だよ?』
『そんなスキルいらねーし!』
完全な祝福ムードの中、俺たち四人の結婚式という夜会が始まった。その場にいたいろんな人たちからさっきのは何だったんだとかいろいろ聞かれたがすべてスルーした。だって、宴会芸の手品ですなんて言えないし!こうして無事?結婚式を終えた俺は、二次会のノリで開かれた夜会であったが、さらに三人を驚かせることになる。
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