第53話 ナビ
会議室にて今後の話をし終わった時にじじいが口を開いた。
「先程のスピードバトルが行われる数日前なんじゃがな……とてつもないドス黒い神気がこの国のすぐ近くで確認出来たんじゃ……堕ちた神……悪神の気配じゃった。」
俺とミア、ココ、エミリアは顔を見合う。
俺たち以外の人はじじいの言葉の意味に戸惑っている、悪神なんて言葉を初めて聞いているんだろう。
俺たちの様子を見たミオリムさんが問いかけてくる。
「あなたたちはリヴァイアサン様の言葉の意味を理解しているようね。悪神について詳しく教えてくれないかしら?」
俺はその場で悪神について説明した。王様もミオリムさんもケーイチもハイベルグもリョウコも顔を青ざめさせる。
「俺たちの知らない場所でそんなことが起こっていたとは・・・しかも、元に戻すのはケンゴに頼るしかないと・・・」
「それなのに私たちはあのバカ息子とあんな勝負をさせて・・・」
「うむぅ・・・わしは最初からそうではないかと思っていたんだケンゴ殿。」
王様だけなぜかあんぽんたんなことを言ってミオリムさんに占められている。
「な、なぁケンゴ、ココはその危険な旅についていかないといけないのか?私と旦那のところに帰ってきたらいけないのか?」
リョウコが心配そうに俺とココを見ていた。
「なにいってるお母さん?私はもうケンゴ君のものだよ?」
「は?何言ってるのココ?訳分からないこと言ってお母さんを困らせないで?」
「だからー、私もうケンゴ君のお嫁さんになることにしましたので、死ぬまで一緒なんです。」
「はぁぁぁぁぁ!?ケンゴてめぇ!私のかわいいココに何してくれてんだゴラァ?!」
さっきまでフルフルしてか弱い女を演じていたリョウコが一気にヤンキーのように俺に向かってメンチを切り迫ってくる、もうなんていうかね、言葉なんてないのに『あぁ?!なにみとんじゃ我、喧嘩売っとんのか?!おぉ?!』って言葉が聞こえてくるよね。
「お母さんやめてよ!ココが自分で決めたことなんだから!」
「何言ってんのココ!こんなこと認められるわけないじゃない!何の相談もしないで!」
「そっくりそのままその言葉を返すもん!お母さんだって私に何の相談もしないでハイベルグ様と結婚してるじゃん!」
「うっ!・・・それは・・・」
ここに言い寄られてタジタジのリョウコを救ったのはハイベルグだった。
「まぁまぁ二人とも?少しは落ち着くんだ。みんな困ってるぞ?」
「だってあなた・・・」
「リョウコもよく考えてみるんだ、この世で一番安全で一番信頼できる人間だと思わないか?なんせ神の使いかもしれないんだからな。」
「た、たしかに・・・」
「それにココちゃんもお母さんにそんな風に報告しなくても、ね?まぁ我々も内緒にするような形になってしまって申し訳ないと思うが。」
「そうでしたね・・・ごめんなさい、新しいお父さん。」
なぜかココはハイベルグを新しいをつけてお父さんと呼ぶ、もしかしたらまだ自分の中でいろいろと整理できていないのかもしれない。このところいろんなことがありすぎて大変だったしな。
「まぁまぁお二方とも、今は悪神についてのはなしですので・・・」
「ミア様はもう覚悟されたのですね?」
「えぇ、ケンゴさんと歩むと決めた日から覚悟をしています、私もエミリアもココもみんな同じ気持ちです。いまさら何を言われたところでこの気持ちは変わりません。」
ミアの真剣な目にみんな言葉を発することはなかった。
「わかったわミアちゃん、あなたたちの覚悟と気持ちは。でもねそれであっても心配するのが親なのよ、それはわかってちょうだい。」
「・・・はい・・・」
そのあと、みんなで悪神の対応と二国一都市よる同盟を結んだ。どこかで何かがあればすぐに俺たちに連絡が来るように、そしてもし俺たちの到着が何かしらの理由で遅くなったりした場合は国同士で助け合いができるようにした。話し合いが終わり、俺たちは自分たちの部屋に通されてつかの間の休憩を楽しんでいた。
「とりあえず終わったー、疲れたー!」
俺はベットにダイブするとナビが話しかけてるく。
『ねぇケンちゃん?』
「なんだいナビさん?」
『ミアちゃんの里帰りも終わったことだし・・・次はどうするの?』
「次かぁ・・・」
『地球に変える方法探す?』
「って言ってもなぁ・・・」
『うん・・・』
「どうした?元気ないじゃんか。」
『わたしね、知ってるよ?』
「はぁ?!」
『だってナビだしケンちゃんが探したいっていったら・・・私は断われないし・・・』
「もしそれを俺が聞いたらナビはどうなるんだ?」
『・・・こたえたあとはわからないの・・・だってそんなこと聞いてくる人はこの世界にいないし、っていうかこの世界に転生者なんてケンちゃん以外知らないし!何があるかわからないの!』
「あーまぁー確かに・・・ちょっとニャウスに確認してみたら?」
『・・・ケンちゃんが確認してね?ニャーちゃーん!ケンちゃんが呼んでるよー!』
「ちょ!おま!」
ベットの上で飛び起きると俺に向かって何かがぶつかってきた。
そのなにかは、ミアだった。
「ケンゴさん?なんか一人でさわいでるって報告があって・・・」
ミアと話をしているとミアの目の前にニャウスが現れた。
「ケンゴ呼んだ~?」
「呼んでないかえれ。」
「なんでよ~!!」
何の疑問も持たずに椅子に座ったミアの膝の上に座る。
「まぁ、ちょっとききたいことがあるんだが。」
「なになに~?ケンゴとミアママのためなら何でも答えるよ?」
「なぁ・・・地球に行く方法を俺がナビに聞いたらナビはどうなるんだ?」
俺は少し緊張しながらニャウスに聞く。俺の質問に目を丸くしてビックルするニャウスは少し考えてから口を開く。
「ん~、もしその質問にナビちゃんが答えたら、ナビちゃんに対してのペナルティが発生するかな?基本的に答えちゃいけない事はないんだけど、ペナルティが発生するものがあるからそこらへんはナビちゃんに聞いてもらったほうがいいかな?」
『そうなんです・・・』
「そうだったのか・・・」
「ねぇニャーちゃん?そのペナルティってどれくらいのものなの?」
「今回の質問だとナビちゃんのペナルティーは神界プロ野球のエースによるマジケツバットぐらいかな?」
「・・・そうか。ちなみにだが、向こうの世界に行って、こちらの世界と扉でゲートをつなげる方法。もしくは向こうの人間をこちらに連れてくる方法のペナルティは?」
「ん~ゲートをつなげる方法はだめだよ?何かあったとき危ないじゃん?その代わりケンゴの力で一時的にゲートをつなげるとかの方法ならナビちゃんのペナは神界バンジージャンプかな?」
「ほほぉ・・・」
「誰かをこっちに連れてくる方法も一緒に聞くなら、神界バンジーと神界逆バンジーかな?」
「ふむ、たいして怖くないペナルティだな。よし。」
『よしじゃなぁぁぁぁぁぁい!神プロのケツバットなんて受けたらお尻6っつに割れたちゃうんですけど!神界バンジーってケンちゃん知らないだろうけど地球と月の距離のバンジーなんだよ!?ナビちゃん死んじゃう!』
「じゃ、死んでくれ。すまんなナビ。」
『人でなしぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!』
ナビはどこかに連れていかれたようだ。
「で?ニャウス、方法教えてくれるか?」
「・・・お母さん連れてくるの?」
「とりあえず会いに行く。そのあとはわからん。」
おれはあの日何も言わずにあの人の前から消えた・・・取り残されたあの人は何を思って今まで生活していたんだろう?あの人よりも早くいなくなった俺はあの人に恨まれているのではないだろうか?
とにかく一言謝ろう・・・そしてこの世界にまた帰ってくればいい。
「にゃーちゃん、ナビさんにあまりひどいことしちゃだめよ?ケンゴさんがいつもお世話になってるんだから。」
「うん、わかった。」
そういうとニャウスはバイバイと言って帰っていった。
「これでケンゴさんのお母様にご挨拶ができますね。」
「そうだなぁ・・・ゆるしてくれるかなぁ・・・」
明日エミリアとココにも報告しておかなきゃな。
こうして地球に戻る手がかりも得たことだし、目標も決まった明日からまたのんびりキャンプでもしながら目標に向かっていこう。
悪神のことはニャウスも何も言ってなかったしとりあえずそのままにしておけばいいかな・・・今すぐに対応しなければいけないというわけでもないだろうしな。
~side ナビ~
「それではみなさまぁ~ナビ様の第一ペナルティー『ケツバット』でございま~す!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!なんでわたしがぁぁぁぁぁぁ!ぐぇふぁうぐい!」
ケツバットを食らったナビは顔面からうつぶせになりピクピクしていた。
その状態でそのまま両脇を支えられてバンジージャンプ台に固定される。
「ちょぉぉぉぉ!いやだぁぁぁぁ!しぬぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
意識を取り戻したナビはバンジーの下を見てはいけないというルールを無視して下を見るとじたばたと暴れる、が、固定されているので逃げ出すことはできない。さらに逆バンジーがナビを待っていると思うと気の毒でしかならないのだった・・・




