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異世界ほのぼのバイク旅  作者: パンツ吐いた


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第50話 スタート!

フレイの挨拶が終わり、アナウンサーが俺の紹介をする。

平民の男性、それ以上でも以下でもない。乗り物はアーティファクトとして紹介されたバイクを見せる。俺は特に何も言うこと無くフレイを見ていた。


「なんでもありの勝負で本気なんだからそんな顔しないでよ。まぁ、最初から負ける気なんてサラサラないけどね。あ、君が勝ったらどうなるかはわかってるよね?ふふふ、あーっはっはっは!こんなに上手くいくとは思わなかったよ!ミアを連れてきてくれてありがとう!」


フレイは既に勝った気でワイバーンの背中から俺を見下し話しかけてくる。もちろんそんなのは無視だ、今はどうやってこの状況を乗り切るしか無い。


「ねぇ、お兄ちゃん。負けたらミア様いなくなっちゃうの?ミア様不幸になっちゃうの?」


「そうだよ、ミア様はいなくなっちゃうし、不幸になっちゃうんだよ…」


一組の兄妹が悲しそうに俺を見ていた。


「平民のお兄ちゃん!!ミア様いなくなっちゃうなんてやだよ!ミア様を不幸にしないでよ!だから勝ってよ!」


泣きながら叫ぶ女の子の声が会場に響き渡った。その瞬間、静まり返っていた会場から一斉に声が上がる。


「あんちゃん勝て〜!」


「楽な暮らしなんかよりミアちゃんの笑顔の方が大事だ!」


「あんた!負けたら一生許さないよ!」


様々な声が至る所から上がる、俺はミアたちの方へ向き右手を上に突き上げた。


「ぜってー勝つ!!」


俺はミア、ココ、エミリアに向かってこれでもかっていうくらいの笑顔を見せた。


会場は一気に盛り上がる、フレイを応援するやつなんか居ない、後はどうやって勝ちをもぎ取るかだ。正直、今のところなんの考えも浮かばない。


『けんちゃんカッコイー!!私もナビしながら解決策考えるから!』


「頼むぞ相棒!」


『がってん!!』


アナウンサーが開始の合図を出す為に魔法の準備に入る。


「それでは2人ともよろしいですか?…私もケンゴさんの勝利を祈っていますよ。」


フレイは悔しそうに震えながらアナウンサーに罵声を浴びせる。こいつの本性はこっちが本当の姿だったか…


「先に戻ってきた方が勝ちになります!よーい、スタート!」


指先から天空へ火の玉が飛ぶと20m程の位置で火の玉が破裂した。それを見たフレイと俺はスタートダッシュと言わんばかりのスピードで会場を飛び出した。


「ふ、ふん!あんな事言っているがみんな本当は僕に勝ってもらって安心した生活をおくりたいんだ!ケンゴ!わかってるな!勝ったらどうなるか!」


そういったフレイはワイバーンに火の玉をはかせ、俺の進路を妨害してくる。


『けんちゃん!右に45度2m!』


ナビの的確な判断で攻撃を交わす。かわす俺を見てフレイはさらに躍起になって火の玉をワイバーンに吐かせる、もう森中火災だらけだよね。


~sideミア~


「ちょっとミア、何とか出来ないの?」


「エミちゃんこんな状況で無理じゃない?」


エミリアとココがヒソヒソと話していると兵士の中で1番偉そうな人がミアに話しかけていた。


「…ミア様すみません、この罰は後でいくらでも受けますので…部下たちは見逃してやってください。」


「シグムンド兵士長…大丈夫ですよ。どうせフレイ兄さんが人質でも取ってるんでしょ?」


「な、何故それを!?」


「やっぱり…だから気にしなくていいから。どうせ勝つのはケンゴさんだしね。」


「随分と信頼されているんですね、彼の事を。」


シグムンドはミアに突きつけている剣先を少し下げ、力無き自分に苛立ちを覚える。


「ちょっとあんた達!うちの娘に何してんのよ!!」


シグムンドの背後からどこかで聞いたことのある怒鳴り声が聞こえると、兵士たちがどんどん吹き飛ぶ。そこに姿を現したのはリョウコだった。


「あわわわ!おかーさん!なんでここにいるの?!」


「ココ〜!!会いたかったよー!バカ娘〜!」


ココを救い出したリョウコはココに一気に駆け寄り抱き着く。


「ココ~!!」


「ちょ!お母さん鼻水!ばっちい!!」


ココとリョウコのそんなやり取りをしていると後ろからまたひとり現れる。

クライスの領主ハイベルグだった。


「なんか大変な事になってるな…大丈夫か?」


「領主様!」


ココがリョウコを押し退けて挨拶していると、何故がリョウコがソワソワしていた。


「シグムンドさん、とりあえずこれであなた方は倒されてしまったといことにしませんか?」


「ミア様…」


「あなた方はフレイ兄さんの命令を全うしました。が、自分たちより強い相手が現れて止むを得ず戦闘不能になってしまったようですね?」


ミアがシグムンドにウィンクするとシグムンドはぐわぁーと言いながらわざとらしく地面に倒れ込む。その話を聞いていた他の兵士たちもシグムンド同様わざとらしくうわぁ〜と言いながら地面に倒れ込む。


「ありがとうございますシグムンドさん皆さん!さぁ反撃開始です!」


「ちょっとミア!その前にあれ。」


エミリアが指さした先にはめちゃくちゃ驚いているココと照れながらハイベルグの腕に手を回すリョウコの姿があった。


「ミアちゃん!エミちゃん!大変です!お母さんが領主様と結婚しちゃいましたぁぁぁ!」


「な、何よココ、別にいいじゃない!」


「いいけど!びっくりしただけだもん!あ、領主様!不束なお母さんですがよろしくお願いします!…あれ?って事は領主様はお父さん!?」


「さっそくお父さんと呼んでくれるなんて嬉しいなぁ~」


親子和気あいあいしてる所にミアが割り込む。


「感動の再開中にごめんなさい!今はそれどころじゃないの!ケンゴさんの為に、この国の兵士たちのために力を貸してください!」


ハイベルグもリョウコも嫌な顔ひとつせずに「もちろん!」と即答する。ミアはまず人質に取られている兵士たちの家族を救い出す提案をする、そして、こっちは無事だという事をケンゴに伝える手段を考える、インカムは既に通信できない距離にある。どうしよう?と考えていると…


「ほっほっほ、お嬢ちゃんそれはわしに任せておきなさい。」


「おじいさん!!よろしくお願いします!」


現れたのはリヴァイアサンの爺さんだった。

ミアはリヴァイアサンに一礼するとアナウンサーからマイクをもらい会場に向けて叫ぶ。


「皆さん!フレイのバカがお騒がせしてすみませんでした!私たちは無事です!今からフレイの悪巧みを私たちの仲間が打ち砕きに行きます!だから安心してスピードバトルをご覧下さい!必ず勝ちます!私たちの旦那様は絶対に負けません!」


会場が揺れんばかりの歓声が響き渡る、それを見ていたミオリムもマリアも王も立ち上がりミアに向かって拍手をすると波立つように拍手が会場に広がる。


「じゃぁみんな!作戦開始!」


ミアの合図で全員が一斉に行動を開始した。ミア、エミリア、ココ、リョウコ、ハイベルグは人質解放に向けて、リヴァイアサンはケンゴに情報を伝える為に動き出した。


~sideケンゴ~


「ちくしょう!必要以上に火の玉吐き出しやがって!まじで山火事じゃないか!」


炎に囲まれて身動きが取れなくなった俺を嘲笑うかのようなフレイがスピードを上げつつ手当り次第に火の玉を吐き出させさらに進む道を妨害していく。


「クソ!これじゃどうする事もできないじゃないか!途中で乗り換えする作戦も無駄になった…どうする?!このままじゃマジでやばいぞ!」


「そんなにヤバいのか?」


「当たり前だろ!この状況見ろよ!って…じじい!」


「ほっほっほ、お前さんに伝える事があっての。まぁなんだ、あっちは無事に片付いたぞい。」


「マジか!ナイス情報!って言うか何があったんだ?それになんでじいさんがここに居るんだ?」


「今はそれよりもやる事が有るじゃろ?」


そう言うとじいさんはリヴァイアサンの姿に戻る。ピンと来た俺はバイクをストレージにしまいじいさんの頭に乗る。


「じいさん、頼む!力を貸してくれ!」


「ほっほっほもちろんじゃ!」


元の姿に戻ったじいさんはまわりで燃えている炎を水を使い素早く消す。その水がじいさんの前に集まり空中に巨大な川を作るとじいさんはその川を使い猛スピードでフレイを追いかける。


「じいさん、なんか悪いな巻き込んだみたいで。」


「何言っとる、先に巻き込んだのはわしじゃよ。」


「あ、そうそう、じいさんの玄孫だけどな。ココが名前付けて可愛がってるぞ。」


「なんと!嬉しいのぉ、してなんと言う名前じゃ?さぞかしかっこいいんじゃろ?」


「え?あ、うん……って名前だ。」


「よく聞こえなかったんじゃが?」


「…ジョンビバノンノ…」


「……」


「俺は反対したんだからな!」


その後じいさんは無言で少し寂しげな表情をしていたと思う。いや、間違いなくしていた。


猛スピードで追い上げる俺たちはすぐにフレイに追いつく。

それに気づいたフレイが何かを叫んでいる。


「なんだそれは!きたないぞ!ルール違反だ!」


「なんでもありの勝負なんだろ?だったらルール違反にはならないな。」


「いいのか?!お前が勝てばアイツらの命は無いぞ!」


「あぁその事なら既に解決済みだ、だから気にせずお前をぶっ潰せる。」


フレイはワイバーンの上で頭をぐしゃぐしゃに掻きむしり叫ぶ。


「クソ!クソ!クソー!認めない!勝つのは僕じゃなきゃ行けないんだ!!」


ワイバーンが先程よりも数倍でかい火の玉をはこうとした時、じいさんがワイバーンの目の前に顔を寄せる。


「小僧、其れをワシに向けるという事はどうゆうことかわかっておるな?」


ドスの効いた低い声でワイバーンに話しかけ睨みつける。ワイバーンはハッとしてすぐに火の玉の捻出を辞め、既に溜まってしまった火の玉を上空へ向けて吐き出した。


この時点で既に折り返し地点が見えている、戦意を失ったワイバーンはよろよろと降下を始めていた。

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