第49話 マックリー王国スピードバトル開催
ミアが少し考えて出した結論は時期が来たら話をするという事だった。
フレイもミオリムさんも納得してくれたようではあったが、一瞬フレイの顔が強張ったような気がした。ほんの一瞬だったから俺の気のせいだったかも知れない。
「とりあえずその話はここまでにして、ミアちゃんとケンゴ君の結婚に関するお話だけどね。さっきも言った王家のしきたりは回避できないのよ。」
「あのそれって、相手が王族や貴族じゃないと…みたいな話なんですか?」
「安心してケンゴ君、そういうのはこの国にはないわ。といっても王族の結婚は決められた相手とするというのがこの国の今の常識だから府たちが無事に結婚するとなると、前代未聞の結婚になるわね。」
ミオリムさんは笑いながらミアと俺を交互に見てえ優しいまなざしを向けてくれている。
しかし、しきたりというのがよくわからん。何をしたらいいのかもまだ聞いてない、どんなことをするのかも聞いてない。
「それでね、王家のしきたりなんだけど、もしも王族が決めた結婚相手以外の人と結婚をする場合は王族が定めた相手と実際に結婚したい相手の一騎打ちの勝負になるのね。」
「え?俺戦うんですか?」
「う~ん、そうなんだけどそうじゃないのよね~・・・だってミアちゃんの結婚相手なんて誰も決めてなかったし。」
ミオリムさんは額に人さい指をあてながらムムム~とかいって悩んでいた。
「ってことはケンゴさんを結婚相手にママが指名したらいいんじゃないの?」
「そうもいかないのよ~、ミアちゃんの為だからそうしてあげたいんだけどね。結婚相手を決める場合は厳正な審査や調査をしてから上層部と話し合って・・・とかいろいろとめんどくさいのよ~。」
まぁそりゃそうだろうな、しきたりにうるさいって言うくらいだ簡単に決められるような問題ではないよなー…
「それなら僕に考えがあるよ。対戦相手は僕が受けよう、ここだけの話だけどわざと負けてケンゴさんに勝たせれば全て問題ないじゃないかな?」
フレイが悩むミオリムの肩に手を置いて話し出す。
「今現状でミアに王家の決めた婚約者はいない、母さんがこの場で婚約者を決めるのも無理、となると対円いてがいなくなってしまいこの話自体がないものとなってしまう。それはミアも君も臨んだ結果ではない。となると、兄弟である僕が君の対戦相手としてミアにふさわしいかどうかを判断するという体で勝負をするというのが妥当ではないかな?」
「そうね~・・・それならいけるかもしれないわね~!!ミアちゃんもケンゴさんもそれでいいかしら!?」
俺とミアは顔を合わせ頷いた。
「「それでお願いします!でも出来レースではなく本気の勝負で!!」」
エミリアもココもシフもジョンもやる気満々で両手を上げながらオー!とかキュイー!とかキュピー!とかいってる。勝負するの俺なんだけどな…
「で、勝負の内容なんだけど僕としては本気の勝負をするならケンゴさんにスピードバトルを挑もうかな?もちろん何でもありだよ?魔法も妨害も…何でもあり、それならばケンゴさんにも僕にもお互いフェアな戦いになるんじゃないかな?」
「いいのか?調べているだろうが俺はめっちゃ早いぞ?」
「かまわないですよ?スピードバトルといっても何でもありですからね。」
「なら俺はかまわない、それで行こう。」
こうして俺とフレイの勝負が決まった。対決日時は1週間後、マックリー王国の外周を3週周りマックリー王国のシンボルであるM字山脈にあるマックリー王国の国旗を先に持ちかえる事が出来た方の勝利となった。
ただ、マックリー王国の外周が1週でほぼほぼ四国の外周と同じ大きさで、M字山脈までは本州1個分というなんちゃって日本一周の様になる。
期間は特に決まっておらず、先にゴールした方の勝ちで、勝った方は相手に望みの物を要求できるという事になった。もちろん俺はミアとの結婚の承諾を望む、フレイは一体何を望むのだろうか?といっても負けるつもりは一切ないからな。
勝負の開始までの一週間に俺はいろいろ準備をすることにした、なんと言っても何でもありの勝負だからねどんなことをされるかも想像できないし…万が一負けたら最悪だし。だから俺は今回もガレージを出してどんなバイクで行くか考え中だ。
「山登りもできて、スピードも出せるバイク・・・そんなバイクあったっけ?!」
俺は一人で頭を掻きむしりながらいろんなバイクを考えている。速さならダッジトマホーク…俺に操れるわけないじゃん!!時速676km!?人の乗る乗り物じゃねぇよ!といってもオフロードバイクだと出せて時速120Km程度出したら乗るのも微妙になってくるしな…
「オリジナルで作ったらどうなんですか?」
俺の様子を見てミアがキャンプチェアに座りながら話しかけてくる。
「いやいや、バイクを作るなんて恐ろしすぎてできないよ!フレームやら何から何までいろいろ計算して強度や安全性も確認しなきゃいけないんだから。」
「難しいんだな!わたしにはわけがわからないよ。」
エミリアがコットの上に寝っ転がりながらコーヒー牛乳をストローでチューチュー吸いながらフーンとかいってるよ。
「エミおねーちゃんお行儀悪いです。」
ココは何も言わずにジョンとシフにご飯を上げている。二匹ともご飯にかぶりついているのをココは楽しそうに笑いながら見ている。
しかし、どんなバイクで挑むか…途中で乗り換えとかできたら…あ!それだ!何でもありなんだから必要に応じて乗り換えればいいんじゃん!何でもあり最高じゃん!
『今回は私もケンちゃんの為に頑張っていきますよ~!!』
うお!ナビ!いきなりだな!
『だって~!ケンちゃん呼んでくれないし!』
ごめんごめん!まぁ今回もナビには頼ることになるよ!よろしくな!
こうして、ミア争奪スピードバトルINマックリー王国が始まることになる。だがこのバトルは予想だにしない波乱の幕開けとなるバトルだった。
決戦当日はフレイのとんでもない一言から始まった。
「ご来場の皆様、マックリー王国第1王子フレイ様より、ご挨拶のお言葉があります。」
スタート地点に集まったみなに向けてアナウンスが大きな声で響く。観衆はフレイの挨拶と聞いて大きな声や拍手でフレイを出迎える。
「皆さん、第1王子のフレイです。この度は皆さんお集まりいただきましてありがとうございます。さて今回は我が妹のミアの婚約相手を決めるためにこの僕に挑んできた若者との勝負となります。ですが、可愛い我が妹を簡単に渡すわけにはいかないのです!なぜならミアには僕が決めた相手がいるのですから!」
フレイがなぜこんなことを言い出したかは知らないが、民衆すら訳が分からなくざわついている。
「ミアには隣国の皇帝に嫁入りしてもらうとすでに隣国との話し合いも進んでいます、更にその見返りとして隣国の色々な技術などを我が国に提供、さらに戦争などになった際は隣国より兵を送っていただけるという協定もすでに話が進んでいます。皆さんの生活をより豊かにするように、我が国をより強固な国とするようにミアには隣国に嫁いでいただかなければならないのですが…どこの馬の骨ともいえない男がミアをだまして我が国を危険にさらそうとしているのです。」
フレイの演説はさらに続く。
「皆さんは隣の国の生活の基準をみた事がないからピンと来ないでしょう。隣国には井戸などありません、冷たい水で体を洗うことなどしません、魔法ではないのです。トイレの後にめんどくさい汲み取りなど一切しません。信じられますか?すべての家庭に水道というものが引かれていて蛇口というものを捻ると水が出て来るのです!面倒な水の汲み取りもしなくていいんです!他にもいろいろあります!皆が見たことないようなあ物が隣の町ではごく一般的に復旧しているのです!僕はそれを使って生活が豊かになった皆さんの笑顔が見たい!そのためにはこの勝負なにがなんでもかあたなくてはいけないのです!!そしてミアには隣国の皇帝のもとにいっていただかなけれはならないのです!そして、僕こそがこの国の王位継承権第一王子として確立しなければならないのです!!あちらをご覧ください!」
演説をしていたフレイは客席の一部を指さすとそこには兵士に囲まれ剣を突き付けられているミア、ココ、エミリアの三人とジョンとシフがいた。
「この勝負は何でもあり、どんなことをしても勝てばいいのです!そう、彼女たち三人はいわば人質といったものです。もし彼が勝てばその場で兵士に刺されてこの世からいなくなるでしょう。まぁ、僕が勝つのはこれで決まっていますからね、そして今回僕が乗るのはこちら。」
今度は反対側を指さす、その先には大きなものに布が掛けられて中身が見えないようになっているものが置かれていた、大きさとしては船に積まれるコンテナぐらいの大きさだろう高さはそれが二個分相当でかい。
「今回の僕の用意した乗り物はこれだ!」
フレイがそういうと掛かっていた布が一気に取り外される。中が見るようになり姿を現したのは一匹のワイバーンだった。
「皆さん今回はこの最速のワイバーンに僕が乗り間違いなく勝利をこの手につかみます!そうすればこの国はさらに豊かに、強固になり安心して生活ができるようになるのです!さぁ!皆さん!僕の勝利に!栄光に!拍手を!」
そう言いながら空を見上げ両手を掲げるフレイ。静まり返る、誰も喜んでいないし誰もそんなことは望んでいない。その一瞬を俺は見たような気がした。しかし…三人の人質がある以上下手にすることはできない。俺はミオのほうを見ると、自分の息子がしでかした大罪に絶望している。
「さぁ!始めましょう!マックリー王国スピードバトルを!」
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