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異世界ほのぼのバイク旅  作者: パンツ吐いた


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第46話 故郷

久しぶりのキャンプでテンションが上がっている俺はいろいろと準備をして高ぶる気持ちを抑えていた。

まぁ、ミアもエミリアもココも他二匹も楽しそうにしているからいいか。

今回の俺はグループキャンプのような感じのソロキャンプをしようと思っている。え?なにそれ?まぁ気にするな。ミア達のテントは三人用のワンポールテントを使って設営済みだ。そこで俺はちょっと離れた場所にソロ用のテントを設置した。


「いや~こいつを使うのも久しぶりだな。」


ウサギのロゴのライダーズテントをなでながら昔行ったキャンプ場を思い出す。


「あの頃は・・・車でよく行ったなぁ…」


千葉県の館山市にある灯台の近くのキャンプ場。目の前に海が広がっていて夕日が海に沈むのが見える最高のロケーション。時期によっては満天の星空が見えて流れ星も見えた。俺のお気に入りの最高のキャンプ場だ。キャンプブームで人が溢れたけど・・・冬場は人が少なくって最高なんだよな。寒さ対策はしないとダメなんだけどね。


「・・・ンゴさん、ケンゴさん!ってば!」


「うぉ!ミア、どうしたんだ?」


「どうしたんだ?じゃないいですよ、ご飯の用ができましたよ!」


「あぁ、ごめん。」


「もう!何考えていたんですか?」


「ん?あぁ、元の世界で行ったキャンプ場のことね。」


「元の世界ですか?一度でいいから行ってみたいですね、ケンゴさんの故郷。」


「故郷か・・・」


俺は空を見上げて東京ではぜったに見れない星空を見上げた。

星の輝く丘は名前の通り沢山の星が空一面に輝いていた。こんな星空、地球なら海外に行かないと見えないんじゃないか?とか考えているとエミリアとココがご飯できたと更に迎えに来た。


「これおいしいな!」


「ダッチオーブンの使い方が色々とわかったので張り切ってみました!」


「さっすがミアだよね~!私じゃこんなの作れない!」


「ケンゴさんに教えてもらった、ブイヤベースというお料理とローストチキンです。あとはサラダを用意しました。」


「ミアちゃんのごはんおいしー!」


「キュピー!」


「キュイー!」


皆満足してるようでよかったよかった。そんななか俺はふっと思ったことがある。地球の映像をみんなに見せられたりしないのかな?って・・・


『できますよ?ケンちゃん』


「うぉ!ナビか!?いきなり話しかけるからびっくりするじゃないか!」


『てへ、でもケンちゃんが悩んでるようだったから。』


「まぁ・・・ってできるって言わなかったか?」


『できますよ?ただ、この世界にはない文明ですから、あまり見せるのはおすすめできないですけど…』


「そっか、みせれるのか・・・」


俺は和気あいあいとしながらご飯を食べている三人に話をしてみることにした。


「なぁ三人とも?もしさ、俺の故郷を見れるってなったら見てみたい?」


「ケンゴさんの故郷ですか?!」


「ケンゴの故郷!?」


「ケンゴ君の故郷!?」


「そ、俺の故郷、いわゆる異世界だな。」


「「「見てみたいに決まってるじゃないですか!」」」


「え?!なんでそんなに興奮してるの!?」


「だって、ケンゴさんがどんな場所でどんなふうに生活してきたか知りたいに決まってるじゃないですか!」


「そうだよ!見たいに決まってるじゃん!」


「そうです!見たいです!」


三人はテーブルから上半身を乗り出して俺にグイッと顔を近づけてきた。


『まぁ、この子たちならそう言うのはわかってたんですけどね。というわけでケンゴさんのストレージにプロジェクターとPパッド入れといたので好きに使ってください。』


「さすができるナビはちがうね!」


『ほ、ほめたってなにもしてあげないんですからね!』


(こいつたまにつんでれになるよな・・・)


そういわれて俺はストレージを漁る。確かに入っている、しかも手紙付きだ。


「じゃあ、うまく見せれるかわからないけど見てみようか?」


「「「見れるの!?」」」


「なんか見せれるようになった。」


俺はシーツを木と木の間に張り、プロジェクターのスクリーンを作る。

三人は食べ終わった食器などをかたずけてスクリーンの前に丸太を置いて並んで座る。


「ドキドキしますね、ケンゴさんの世界。」


「うん!バイクなんてのがあるんだからきっとすごい世界なんだよ。」


「で、でも少し怖いです、知らない世界って・・・」


三者三様、ドキドキワクワクしているようだ。


そして俺はプロジェクターとPパッドを操作して映像を映し出す。一緒に入っていた手紙にはナビが書いてくれたであろう使い方が書いてあった。


「じゃぁ、まずは俺が育った街を紹介するね。」


スクリーンには渋谷のスクランブル交差点が映し出される。


「な、な、なんですかこれ!?」


「子、これがケンゴが住んでいた世界!?」


「ほぇぇぇぇぇぇぇ!」


「これが俺が育った日本という国の渋谷という町だな。」


「ケンゴ!この四角い箱バイクみたいに動いてる!」


「あぁ、それは車っていうんだ。この世界の荷馬車のようなものだよ。」


「ケ、ケンゴ君!お空に巨大なモンスターが飛んでます!」


「あれは飛行機っていって空を飛べる鉄の塊だよ。」


「ケンゴさんは・・・この世界で生きてきたんですね。」


いつの間にかミアが俺の手を握って苦しそうな表情を見せた。


「俺のいた世界はさ、モンスターもいなければ魔法もない世界なんだ。」


「平和なんですね、争いのない世界ってことですね。」


「いや、残念ながら争いはある。というかある場所にはあるけど、俺の住んでいた日本では昔はあったけど、俺がいた時はなかっただけだ。」


「モンスターがいないのに平和ではないんですか?これ見てるとケンゴ君の世界は平和そうに見えますけど・・・わけわからないものはいっぱい映ってますが。」


「ま、おいおい説明していくよ。争いはないけど戦争…国同士の、人間同士の争いはあったありするんだ。」


「人間の争いですか…どの世界にもあるんですね。」


「まぁそうだな・・・」


「でもでも!私…ケンゴ君の世界に行ってみたい!」


「私も行ってみたい!」


「そうですね・・・私も行ってみたいです。」


「はは、行けるかどうかわかんないんだけどね。行ける方法があるなら案内するよ。」


渋谷だけではなくいろいろな場所を映して俺は説明しながら日本を案内していく。その中でふいに映ったものを俺は忘れはしない・・・

一通り見せた俺は三人の感想とともにプロジェクターをしまいながら先ほど映った映像を思い返していた。

その映像は一人寂しく悲しい笑顔で食卓に着く一人の女性・・・


「母さん…」


俺は自分でも気が付かないほどの声で言葉を発していたようだ。


「ケンゴさん、もしかして先ほどの女性はケンゴさんのお母様ですか?」


「え?えあ、あぁ…あの人は俺の母親だよ、はやくに父親を亡くしてさ俺と一緒に二人で暮らしてたんだ。」


「ケンゴ君のお母さん…悲しそうだったね…」


ココの一言で俺はハッとする。


「あ、ご、ごめんなさい!」


「いや、あんな顔させたのは間違いなく俺だろう。」


「ケンゴ…」


「じゃぁですよ?マックリー王国に行った後は…ケンゴさんの故郷に行きましょ!」


「は!?無理だろ?!向こうで死んでこっちに来たんだから、俺はもう死んだ人間になってるんだぞ?」


「でもですよ?こっちに来られたってことは向うに行けるってことじゃないですか?!それに・・・ケンゴ君のお母様にご挨拶もしなきゃいけないですし!」


「いやいやいや!にないってんのミア!?」


「二人もそうでしょ?ケンゴさんのお母様に挨拶したいわよね?」


「「勿論!です!」」


何だこの状況?俺の世界に行く?行けるわけないだろ?向うには魔法もないんだぞ?どう考えたって無理だ!


『・・・・』


「あ、あのさ、三人とも。さっき見せた映像でもいったけど。俺のいた世界には魔法がないんだ、だから行くことはできないとおもうよ。」


「そんなのやってみなきゃわからないです!」


「ココ・・・」


「そうだよケンゴ!いけないかもしれないけど探すだけ探してみようよ!」


「エミリア・・・」


「ケンゴさん!」「ケンゴ君!」「ケンゴ!」


「「「あんな悲しそうなお母様をほっとけません!」」」


「さんにんとも・・・ありがとう・・・」


こうしてマックリー王国に行った後の目的地が決まった。本当に行けるんだろうか?あまり期待しないでおこう…


夜も更けて三人はテントの中で眠っている。俺は一人、椅子に座って焚火台に薪をくべ焚火をしていた。


「日本に帰る…か…」


そんなことできるわけないのはわかっている。帰ったとして俺は母さんに何といえばよいのだろうか・・・あなたの息子は死んで異世界で楽しく暮らしているようです?それとも俺のことは忘れて幸せに暮らしてくれ?どんな顔して会いに行きゃいいんだ・・・


「はぁ…」


「寝れない…ですか?」


「ミア…」


「さっきは興奮してあんなこと言って…ケンゴさんを困らせたんじゃないかって…」


「いや、むしろみんながあんな風に言ってくれたのはうれしかったかな?」


「どうしてもあのお母様の寂しそうな笑顔が頭から離れなくって…だから。」


「ありがとうミア。」


俺は涙を浮かべて俺の方を見るミアをそっと抱きしめた。


「俺さ、親孝行って全然できなくってさ。むしろ迷惑ばっかりかけてたんじゃないかな?結婚もしないで仕事もしてはやめて、自分の好きな事ばっかりやって…そんで死んでいなくなって…」


「じゃあなおさら何としてでも行かなきゃですね!」


「え?」


「お母様に会ったらいっぱい話してあげなきゃですね。あなたの息子は異世界でこんなにかわいい子たちに囲まれて幸せに暮らしているんですよ!って安心させなきゃダメです!」


「ミア…」


「なんならみんなで一緒に暮らせばいいじゃないですか!お母さまもこっちの世界に連れて来るか、私たちが向うの世界に言えばいいだけなんです!」


今度はミアが俺を抱きしめてくれた。


「ですから、絶対に!なんとしても会いに行きましょ!ね?ケンゴ?」


上目使いでミアが初めて俺の名前を呼び捨てにする…俺は何をうじうじしているんだ。こうなったらなんだってやってやる!目標は母さんに会いに行くことだ!


俺はそのままミアとテントの中に入っていった。次の日は早起きしてエミリアとココにばれないように朝食の準備をしていたのだが…


「ケンゴ君。」


「あ、ココ、おはよう。」


「…ミアちゃんばっかりずるいです。」


「え?!」


「ココは女の子として魅力ないですか?」


「いや、そんなことは…」


「じゃあ今夜はココと一緒ですからね、私もケンゴ君のお嫁さんになりますから!」


「えぇ~~~~~~~~~~~?!」


ココの告白に俺たち三人は死ぬほど驚いた。


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